イラストレーション:野中 聡紀

あけましておめでとうございます。ロフトワークから、新年のご挨拶をお届けします。

今年の新年のご挨拶では、代表の諏訪と、私たちが掲げる「Unlock Potentialー 常識にとらわれずに未来の可能性をひらき、ワクワクする社会を共につくる」を、さまざまな企業やパートナーみなさんと目指しているディレクターからのメッセージをお届けします。

代表取締役社長 諏訪光洋より

未来を面白くするかもしれない何かを、共に想像/創造するコミュニティを育て続ける

ロフトワークは人に恵まれている、とよく感じる。前向きで創造的なクライアント。新しい何かを模索するクリエイター達とアカデミア。起業家を目指す若者。そして日本中世界中のクリエイティブなパートナーや友人。

だから“停滞する日本”、“もう後がない○○”という言葉が多いニュースをみると「またまたー」と思う。ほんとうは皆、結構楽しく、前向きに未来をみているじゃない?と。なんか弱ったふりかネタでしょ?と。

実際僕は割とひねくれているし、物事を批評的にみていたりする。そんな僕の周りには未来を面白くしたい、と思う人が沢山いる。そして世界の未来は捨てたもんじゃないよな、楽しいねと思う。

昨年2022年は、母が他界し、僕自身も大病をした1年。2023年の今年は、改めて僕の出来る仕事をしようと思う。

ロフトワークが担っている世の中の期待と役割はきちんと存在し、未来の役に立っていると信じている。パートナー、クリエイター、クライアントの皆さん、そして日本と世界のメンバーや友人と一緒に想像/創造するコミュニティをつくりたい。

今年もよろしくお願いします。

2023年、未来に向けて開かれたコミュニティの挑戦

食と農、ミラーワールド、ソーシャルイノベーション、学び、自然との共創。私たちが関わる様々なオープンコミュニティの中から、特に今年、多くの仲間とともに次の一歩を踏み出すプロジェクトの担当から、新年のご挨拶をお届けします。

「食」や「農」と社会をつなぎ合わせて、やさしい世界をつくる

昨年から私たちは、三菱地所株式会社、株式会社シグマクシス、70seeds株式会社と一緒に、「めぐるめくプロジェクト」をスタートさせました。

「地方と都市」、「食と農」、「生産者と生活者」といった食と社会を育むさまざまなものをつなぎ合わせていくことで、やさしい世界を作っていくことを目指しています。

“食べる”という行為は、全ての人が、日々の暮らしの中で向き合う営みです。一次産業従事者に関わらず、誰もが“食べる“前の“つくる“ことに関与することで、日本の新たな農と食の可能性を考えていきたいと思います。

今年からは、コンソーシアム設立に向けて、色々と仕込んでいく予定。イベントも多数開催予定ですので、ぜひご参加ください。小さな活動が大きな価値となるような、あたたかいプロジェクトになればと思います。

オープンな活動にしていけたらと思いますので、食や地域関係のみなさま何か一緒にやりましょう。本年もどうぞよろしくお願いいたします!

(宮本明里/Layout Unit シニアディレクター)

めぐるめくプロジェクト

地域を育む生産者と、都市で暮らす生活者が相互に理解を深め交流し合い、豊かな食や社会を構築するプロジェクト。三菱地所株式会社、株式会社シグマクシス、70seeds株式会社、ロフトワークがこれからの食産業や農業・水産・畜産業を担う地域の生産者や加工者等とともに、2022年に始動した。

URL:https://megourmake.studio.site/ 
note: https://note.com/megourmake/ Facebook:https://www.facebook.com/megourmake

デジタルとリアルが接続・同期された「ミラーワールド」を共創する

FabCafeの第1店舗目が渋谷道玄坂でスタートして10年が経ち、“つくる”を取り巻く環境や技術は大きく変化してきました。

これまでのようにデジタルでデザインしたものを、フィジカルな世界でつくるだけでなく、デジタルからフィジカルにフィードバックされ、さらにそれがシームレスにつながるような未来の前に、今僕たちはいます。

昨年FabCafeは、凸版印刷株式会社と共に、GEMINI Laboratoryをスタート。ミラーワールドと呼ばれる、デジタルとフィジカルの領域の境界が混じり合い、やがてシームレスになる未来をさまざまなパートナーと考察するこのプロジェクトも、“つくること”の未来を考えるプロジェクトの一つです。クリエイターと共にミラーワールドを想像し、プロトタイプを作り、展示という形で多くの人に問いかけました。今年もミートアップを行い、ミラーワールドがどのように社会と接続されるのかをディスカッションしていきます。

2023年も、さまざまなバックグラウンドの方と一緒に、“つくる”を考えていきたいと思います。ぜひミートアップやイベントに遊びにきてください。

(金岡大輝/FabCafe Tokyo COO 兼 CTO )

Gemini Laboratory(ジェミニ ラボラトリー)

現実世界をバーチャル空間上に忠実に再現した「ミラーワールド」を、様々なプレイヤーとの共創によって構築するプロジェクト。凸版印刷株式会社による本プロジェクトで、ロフトワークとFabCafeは企画・運営を行っています。

URL: https://gemin1.xyz/
Instagram:https://www.instagram.com/gemini_lab__/
Twitter: https://twitter.com/gemini_lab_jp/

循環型ソーシャルイノベーションの実装へ

「東海サーキュラープロジェクト」は、経済産業省中部経済産業局、(株)大垣共立銀行、(株)OKB総研、ロフトワークと共に2021年よりスタートしました。
持続可能な社会の実現を目指し、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)を各企業が実現すること。さらに、市民と企業が連携し合い、2030年に向け、社会イノベーションを実装すること。東海圏における持続可能な循環型社会《めぐるめぐる、東海。東海サーキュラーソサエティ2030構想》の実現を目指しています。

変革の起点は未来にのみあるのではなく、企業や地域がこれまで大切に培ってきた歴史や文化、技術、それらの背景にある営みの蓄積=知恵にこそ価値があると考えています。イノベーションの源泉は知財を生み出す人財、一人ひとりの人間の創造性にこそ価値がある。だからこそ、この変革の起点は、「社会を変えよう」という一人ひとりの想いからスタートするのだと思います。

今後、日本の各地で、その枝葉を広げながら「次世代に繋げる循環社会の実現」を見据え、ロフトワークとして《未来会議》を開催していきます。共に議論をしたい!という方は、ぜひお声がけ下さい。

(小川 敦子/アートディレクター)

東海エリアにおけるサーキュラーエコノミー実践促進活動を通じた知的財産推進事業プロジェクト

経済産業省 中部経済産業局、株式会社大垣共立銀行、株式会社OKB総研とともに始まった「東海サーキュラーエコノミー推進〈知財活用〉プロジェクト」。製造業の集積地である東海エリアだからこそ実現できる、循環型経済を描き、実装することを目指しています。

URL: https://tokai-ce.com/

子どもたちが明日もまた行きたいと思える、新しい時代の学校施設づくりを考える

去年、ロフトワークは、未来の学校施設づくりを支援するプラットフォーム「CO-SHA Platform(コーシャプラットフォーム)」を立ち上げました。文部科学省からの委託事業として、主に小中学校を対象とし、学校施設の整備や活用に携わる関係者による、共創・共有の場をつくっていきます。

今、新しい学びに合わせ、学校の空間をアップデートさせていくことが求められています。しかし施設の老朽化やノウハウ・人員の不足など、課題は山積みな状況。本プラットフォームでは、学校設置者や教職員、民間企業、文科省職員など異なる立場の方々に関わって頂きながら、これらの課題に取り組んでいくための支援の一助となることを目指します。

2月〜3月にオンライン/オフライン両方のイベントを開催予定です。子どもたちが「明日もまた行きたい!」とワクワクしてくれるような学校づくりに向け、今まさに奮闘している方、これから進めていく方、興味がある方、ぜひご参加ください。

(佐々木ゆりか/ディレクター)

CO-SHA Platform(コーシャプラットフォーム)

「CO-SHA Platform(コーシャプラットフォーム)」は、新しい時代の学びを実現する学校施設づくりを支援するプラットフォーム。主に小中学校の学校設置者や教職員のみなさんに向け、学校施設の整備や活用を進めるための、オンライン/オフラインでの共創・共有の場づくりを目指します。「CO-SHA」は、共創 (CO-creation)、アイデアをシェアする (SHAring ideas) 、と、「校舎」をかけ合わせて生まれた言葉です。

URL: https://www.mext.go.jp/co-sha/

自然との“ゾクゾクする共創関係”を探る

2022年9月にスタートした新たなコミュニティ「SPCS|スピーシーズ」。自然のシステムから学んだデザインを操作・産業化してきた私たち。一方で、コントロールできないものにこそ愛おしさや美しさ、執着を感じるのも私たちです。そこで、錆やカビ、放射線など、時に再現性のない厄介な自然のアンコントローラビリティをそのまま受け入れるデザインを試行錯誤するコミュニティを立ち上げました。

シーズン1はバイオテクノロジーをテーマに、現在実施中のシーズン2は庭園をフィールドとして、庭師にマルチスピーシーズの実践を学びながら美意識の更新に挑戦中です。シーズンごとのワーキンググループ以外にも、個別プロジェクトも進行中。デザイナーや研究者、企業や行政のプランナーなど、専門領域はもちろん、年齢、性別、国籍もさまざまなメンバーが参加しています。

厄介者を愛したい方、自然とのゾクゾクする関係を作りたい方は、ぜひお声がけください。

(浦野奈美/マーケティング)

SPCS|自然のアンコントローラビリティを身体化し、新たな共創関係を探究するコミュニティ

アンコントローラブルな自然に、プロトタイピングしながら積極的に向き合うことで、自然と協働するデザインや表現を模索するコミュニティ。異なるフィールドの講師とのワークショップ、個人/団体の実験的なプロジェクトなど、自然科学、デザイン、アート、エンジニアリング、文化などが複合的に混ざり合った活動が行われています。

URL: https://fabcafe.com/jp/labs/kyoto/spcs/
Instagram:https://www.instagram.com/spcs_fabcafekyoto/

 

興味のあるテーマから、一緒に活動をはじめませんか?

いかがでしたでしょうか?

大きく価値観の移行が起きている今だからこそ、これからの未来をみなさんと一緒に想像し、創造していきたいと思っています。2023年、みなさんの興味のあるテーマから、一緒に未来を作っていきませんか。

今回紹介したプロジェクトなどの最新情報はロフトワークのTwitterやInstagram、Facebookなど各種SNSでもお届けしています。まだフォローしていない方は、ぜひこの機会にフォローしてくださいね。

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「ETHICAL DESIGN WEEK TOKYO 2024」内関連イベントに
Layout シニアディレクター宮本明里とバイスMTRLマネージャー長島絵未が登壇