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玉木 春那, 平松 世梨亜 2023.02.03

日本で古くからある食文化「おばんざい」を囲んだ「Obanzai Club」
初回は佐渡島の魅力を味わいつくす!

こんにちは、ロフトワークPRの宮崎です。

ロフトワークには、料理好きなメンバーがたくさん在籍していますが、クリエイティブディレクターの玉木もその一人。趣味はご飯とお酒、週末は料理や食べ歩きをして過ごすという玉木は、これまで、メンバーと一緒に東京のおばんざい屋さん巡る企画や、渋谷オフィスの10Fを使って「おばんざい屋」を開催してきました。

そんな玉木が、クリエイティブディレクターの平松と一緒に「Obanzai Club」を開催するというので参加してきました。地域にスポットを当てて堀り下げていくこの企画。今回は新潟県西部に位置する佐渡島をフィーチャー! 水揚げされたばかりの寒鰤やクラフトビールを飲みながら、佐渡島の魅力を存分に味わい尽くしました。

執筆:宮崎 真衣(ロフトワーク)
撮影:松永 篤・宮崎 真衣(ロフトワーク)

Obanzai Clubって何?

おばんざいは、京都で日常的に食べられている家庭料理のこと。
京都出身の玉木は、学生時代にフードロスに取り組むなかで、身近にあった京都のおばんざいを調べ、その奥深さを知ったと言います。自然と共生しながら季節ごとの旬や地域の食材を大切にすること、大皿に盛りつけた惣菜を前にして取り分ける楽しさや交流が生まれることなど。

他方、各地域で食の多様性があり、ユニークなプレイヤーや作り手さんが点在しています。そうした人々が繋がり合い、食を通して各地の文化を知る機会をつくりたいという想いが玉木にはありました。

そうして、おばんざいと地域を掛け合わせて生まれたのが「Obanzai Club」。おばんざい(各地の料理)を囲みながらカジュアルにつながることができるオープンな場としてスタートしました。これまでロフトワークの社内イベントとして開催してきた「おばんざい屋」を社外にひらくことで、よりオープンな交流を目指しています。

過去の「おばんざい屋」のポスター
これまでの「おばんざい屋」の様子

Obanzai Clubの初回は、新潟出身の平松が「新潟の魅力を知ってもらいたい!」と熱望し、佐渡島を取り上げることに。
この二人の企画に、佐渡市にあるt0ki brewery (トキブルワリー)のオーナー兼ヘッドブルワーである藤原敬弘さんが賛同。食とクラフトビールを楽しみながら、佐渡島という地域を知ることがイベントに発展しました。

左:玉木、右:平松

ちなみにt0ki breweryの藤原さんは、2011年にフラー株式会社を共同創業し、現在も技術顧問として関わりながらt0ki breweryを運営されています。実は、フラーが入居しているコワーキングスペースをロフトワークが空間プロデュースする他、2014年に開催したハッカソンイベントで藤原さんが参加されたチームが優勝するなど、これまで関わりがあった方。

さらに、藤原さんと平松は、ビール好きでTwitterでつながっているという、縁に縁が重なって実現しました。

自然の恵・クラフトビール・サウナなど、いくつもある佐渡島の魅力

皆さんは、日本海に浮かぶ佐渡島のことをどれくらい知っていますか?

今回は、t0ki breweryの藤原さんに加えて、佐渡島でサウナを営むHOSTELperchの伊藤渉さん、佐渡市移住交流推進課の西牧孝行さん、ビール情報の発信・編集を手がける長谷川小二郎さんにお越しいただき、佐渡島やクラフトビールの魅力についてたっぷり語っていただきました。

藤原さんに「クラフトビールを通した地方創生」についてお話しいただくなかで印象的だったのは、「どう作ったか」よりも「なぜそれを作ったのか」というストーリーとセットで販売することが重要だというお話でした。

t0ki breweryのクラフトビールは、ビールが苦手な人でも飲みやすいフルーティーな香りで苦味のキレもよく、気がついたらカップが空に。

t0ki breweryの藤原敬弘さん
生ビールで飲める贅沢!

佐渡市の行政に関わる西牧さんは、2021年に発足した移住交流推進課でスタートアップ支援による企業誘致をはじめ、UIターン者の受入れ促進に取り組まれています。

佐渡をおいしく味わうだけではなく、佐渡市でいまどんな課題が沸き起こっているのかを知り、ワーケーションや二地域居住といったユニークな取り組みについてお話いただきました。

伊藤さんは、2018年に「老若男女みんなが心地よく過ごせる場所」をテーマにHOSTEL perchを佐渡島に開業。本格的なフィンランド式(しかも蔵のサウナ!)が味わえる、築約70年の旅館としてメディアにも多数掲載されています。寿司屋で働いた経験を生かして、寒鰤の解体ショーを披露! ちなみに、鰤は「佐渡市の魚」として島民に親しまれている魚です。

佐渡島から直送! 前日に水揚げされた新鮮な寒鰤
身の弾力と脂のノリにびっくり! 舌でとけるぅぅぅ〜

クラフトビール好きの間で、その名が知られている、長谷川小二郎さん。

長谷川さんはTwitterで、音声番組の配信やイベントの主宰、絶品つまみ&ビールのマリアージュ投稿、ビール業界にまつわるアレコレの話題を、ほぼ毎日更新(広報として頭が下がる情報発信力)。

この日は、食べ物とビールの組み合わせで、どんな味わいの変化が生まれるのか詳しく教えてもらいました。例えば、甘味と酸味にそれぞれ特徴のある2つのビールと「ブリしゃぶ」を掛け合わせると… …? 組み合わせによって、料理のポテンシャルがこんなにも引き出せるのか! と目から鱗。

長谷川さんが発行しているビールのZINE『ビールの放課後』はビール好き必読!

「Obanzai Club」と名乗るからには、忘れてはならないのが、そう、おばんざい!
今回は、新潟県十日町産の食材を用いたおばんざいや特産物を、玉木がもてなしてくれました。十日町の郷土料理へぎそばや、佐渡島の唐辛子を使った「かんずり」を使った和風カレー、十日町特産の珍味などが振る舞われました。どれもおいしくてあっという間に完売。

十日町の名産品へぎそばに佐渡島の塩で新潟づくし!

さるなし(キウイフルーツの原種)を使った発酵飲料やお酒

「Obanzai Club」の今後の展開は?

食を通してその地域を初めて知る人たちの出会いが、今後も「Obanzai Club」で生まれていく予感がしています。

地域にまつわる話題に止まらず、日々の生活のことや社会課題といった話題まで裾野を広げてみるのもおもしろいかも!? と、ただいま運営メンバーで企画会議が進んでいるのだとか。

次は、どんなテーマが立ち上がるのか今から楽しみです!

FabCafe Open Labs : おばんざいと日本酒や

今後はFabCafe TokyoLab活動として、イベントやインタビュー記事公開などを行っていくそうです。

これからの食の豊かさとおいしさをつくるプロジェクト

食とお酒が好きな春那と京香によるおばんざいと日本酒や。様々な店で不定期開催している。季節や地域ごとのおばんざいと日本酒を出すスタイルをベースに、食事を楽しむ場づくりをしている。そのほか音楽や香りなど様々なコラボレーションも行っている。

 

宮崎 真衣

Author宮崎 真衣(Public Relations/広報)

広報の理論と実践を「Mie Institute of Communication」で学んだ後、アートやIT企業の広報・企画職などを経てロフトワークに入社。さまざまな場面でわきおこるコミュニケーションを、組織だけではなく暮らしや地域に還元していくために、cooperative(協同組合)やcollective(拘束力を持たない緩やかなネットワーク)に参画しながら学びを深めている。

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渋谷のど真ん中で「分解可能性都市」を考える。
分解、発酵、微生物と人の関わり——mmm(むむむ) イベントレポート