クリエイター対象に著作権に関するアンケートを実施
オンラインポートフォリオは営業ツールとして有用
クリエイティブ・コモンズを知っているクリエイターは85%に
株式会社ロフトワーク(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:諏訪光洋、以下「ロフトワーク」)は、2009年10月5日(月)~10月21日(水)に、ロフトワークが運営するクリエイターポータル loftwork.com(ロフトワークドットコム、http://www.loftwork.com/)に登録する1万3000人のクリエイターを対象に、インターネット上で『著作権』についてのアンケート調査を実施し320件の回答を集めました。
調査結果から、Webで作品を公開することにより感じるメリットや、インターネット上に公開した作品の著作権に関する不安、クリエイティブ・コモンズへの関心などが明らかになりました。
アンケート調査結果の特徴.
1. Webでの作品公開は、クリエイターの営業ツールとして有用
インターネットで作品・ブログ等を公開しているクリエイターの約94%が、インターネットの活用にメリットを感じ、8割以上のクリエイターは、作品がより多くの人にリーチしているということをインターネット活用の利点だと考えています。
インターネットに作品を載せることが、仕事の受注に有効だったと感じているクリエイターは47.5%、仕事のステップアップにつながったクリエイターは35.6%おり、オンラインポートフォリオを営業ツールとして有用と考えているクリエイターの多いことが伺えます。
クリエイターのコメント(抜粋)
- 個人サイトやクリエイターポータルにポートフォリオを公開することでメディアでサイトを紹介されたり、仕事の依頼がくるなど、いろいろな依頼が入るようになった。
- 地方に住んでいても仕事の受注が来るようになった。
- 自分の作品を展示や販売などするときに、今までは自分の動いた範囲しか、知ってもらうことができなかったが、ネットで作品を発表することで遠方の人からも通販を利用してもらえる。
2. 作品の無断商用利用が不安
インターネット上での作品公開について、「ときどき不安」「とても不安」を感じるクリエイターが合わせて75%。不安の原因として作品の無断盗用・商用利用が全体の61%ともっとも多い一方、自分が誰かの権利を侵害していないかと不安に感じるクリエイターも33.8%います。また、21.3%のクリエイターが、実際に何らかの形でインターネットの著作権関係のトラブルに巻き込まれたことがあると回答しています。
クリエイターのコメント(抜粋)
- アジアで違法にコピーされ販売されていた。
- 作品を別の人が自分の作品として発表していた。注意をしたら「共同作品」と言われ困った。
- 無料で使える素材だと思って使用したら有料素材だった。
- 撮影した写真に著作権侵害となるものが写っていた。
3. クリエイティブ・コモンズの認知とイメージ
クリエイティブ・コモンズに対する知識はクリエイターによって開きがある一方、「知っている」クリエイターは85%いました。前回調査(2006年)の、「クリエイティブ・コモンズを知っている人」が23%、「使ったことのある人」が8%という状況に比べ、着実に認知が広がっています。
実際にライセンスを使用しているクリエイターは回答者のうちの29.4%。また、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを使用していないと回答した53.8%のクリエイターのうち、24%のクリエイターは今後使用したいと考えています。
クリエイティブ・コモンズにネガティブなイメージを持つクリエイターは少数ですが、メリットを感じるクリエイターは29.4%と、まだクリエイター一般に浸透しているとはいえない状況です。
アンケート調査概要
調査目的:インターネット上の著作権とクリエイティブ・コモンズに関する、クリエイターの意識調査
調査期間:2009年10月5日(月)~10月21日(水)
調査対象:loftwork.comに登録するクリエイター
調査方法:インターネット調査
サンプル:360
ロフトワークについて
ロフトワークは「すべての人のうちにある創造性を信じる」を合言葉に、クリエイターや企業、地域やアカデミアの人々との共創を通じて、未来の価値を作り出すクリエイティブ・カンパニーです。ものづくりを起点に、その土地ならではの資源やテクノロジーを更新する「FabCafe(ファブカフェ)」、素材と技術開発領域でのイノベーションを目指す「MTRL(マテリアル)」、クリエイターと企業の共創プラットフォーム「AWRD(アワード)」などを運営。目先の利益だけにとらわれず、長い視点で人と企業と社会に向きあい、社会的価値を生み出し続けるビジネスエコシステムを構築します。
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