SPCS|Season 4 「Living Dyes」
微生物をテキスタイルデザイナーにする共同研究
Finished イベント終了
ファッション産業は、世界で最も環境汚染が指摘されている産業のひとつです。しかし、プーマやLVMHなどのアトリエやラボでの最先端の研究により、生きているバクテリアが染色工程をよりクリーンに解決できるという可能性が示されました。そこで、バイオアーティストのゲオアグ・トレメルを招き、テキスタイルの生産に微生物と共創する実験を実施します。
*本ワークショップは日本語で行われますが、英語での対応も可能です。
- Date
-
2023-09-24 (Sun)
13:00 – 18:002023-10-13 (Fri)
19:00 – 20:30 オンライン開催 2023-11-05 (Sun)
13:00 – 18:00
- Place
- FabCafe Kyoto / オンライン
- Capacity
- 15
- fee
- 15,000円 | 学生チケット:10,000円(限定3名)
Finished
ファッション産業は、世界で最も環境汚染が指摘されている産業のひとつです。しかし、プーマやLVMHなどのアトリエやラボでの最先端の研究により、生きているバクテリアが染色工程をよりクリーンに解決できるという可能性が示されました。そこで、バイオアーティストのゲオアグ・トレメルを招き、テキスタイルの生産に微生物と共創する実験を実施します。
*本ワークショップは日本語で行われますが、英語での対応も可能です。
About
色を栽培する実験
細菌について語るとき、多くの場合は「除菌」の対象となります。私たちの潔癖すぎるともいえる社会では、微生物を常に恐れて生きているといってもいいでしょう。しかし、病気を引き起こす病原体はほんの一部で、バクテリアの世界ははるかに多様です。たとえば、良く知られたことではありますが、人体に生息するバクテリアのコロニーは、食べ物の消化を助け、感染症から身を守ってくれますし、最近では、有毒でロスの多い染色工程に代わる、サステナブルな色素生産バクテリアが発見されました。
バクテリアによる着色は環境面で大きなメリットがあるだけでなく、天然コットンやリネンから合成ポリエステルまで、さまざまな繊維に適用できます。現在では、LVMHやプーマのようなファッション企業の研究所でさえ、新しいテキスタイルを作るために、こうした微生物を使った研究を始めています。
2023年3月、SPCSは、バクテリアを使って新しいテキスタイルやアパレルをデザインしているファッションデザイナー、ジュリア・モーザーにインタビューしました。彼女のバクテリア研究では、バクテリア染料で意図的なパターンを作る可能性を探り、野生からバクテリアを採取して布地染料としての性能をテストしています。さらに、バクテリアを共創デザイナーとして捉え、バクテリアの動きから形作られるパターンで服の形やニットのテクスチャーをデザインしています。
関連記事|バクテリア染色は繊維産業を変えるか? ジュリア・モーザーインタビュー
オーストリアを拠点に活動するテキスタイル/ファッションデザイナーのジュリア・モーザーさんのインタビュー。彼女が取り組むバクテリア染色の背景にある動機や、バクテリア染色がファッションと製造業界にもたらす意味と可能性について話を聞きました。 >> 記事を読む
今回の1ヶ月間のワークショップでは、ジュリア・モーザーの「共創」の精神をなぞり、バイオテクノロジーと工芸のコラボレーションによって生まれるさまざまな可能性を探求します。
たとえば、こんな検証ができると面白いかもしれません。
- 折り紙のように折った布の上にバクテリアが繁殖したら、どんな模様ができるか
- バクテリア染料は、天然染色の「絞り」の模様を作ることができるか
- 生きているバクテリアにシルクスクリーンをかけることは可能だろうか
- バクテリアが増殖して1週間後、あるいは1ヶ月後に、布地にどのような効果が生まれるだろうか
- 生地によってバクテリアの増殖や発色は異なるのだろうか
- バクテリアの動きにあわせてパターンカットした場合、どのような新しい衣服の形が生み出されるか
バクテリアと協働することで、既にある工芸やテクノロジーの技術とバクテリアとの共創を組み合わせることで、新しい作品を作り、人間以外の生物との共同デザインに挑戦してみましょう。
ワークショップでできること
- ファッション業界の最先端技術を試す
- 人間以外の生物と新しいテキスタイルデザインを共創する
- 色素を作っているバクテリアを布地で培養する方法を学ぶ
- DIYバイオの方法を学ぶ
- バクテリアについて、なぜ色素を作り出すのか、合成染料などについて、またバクテリア染料がなぜ特別なのかを学ぶ
*Day1以降の作品制作の場所としてFabCafe Kyotoと東京のBioClubの施設を使用いただけます
こんな人にお勧め
- 新しい技術を探究したいアパレルメーカーやブランドのデザイナー、企画やR&Dの担当者
- 日常品やアパレルのサステナブルな取り組みに興味のある、プロダクトデザインやファッションを学ぶ学生や研究者
- サステナブルな手法をより深く実験したいアーティストやデザイナー
- 新しい染料と染め方を実験したいテキスタイルの染料メーカーやテキスタイルデザイナー
SPCS
マイクロバイオーム、放射線、ウィルス、バクテリア。コントロールできない自然の力は、厄介者やエラーと扱われることも多く、多くの排除や操作がおこなわれてきました。しかし、人間が操作できない生物のパワーをいかにポジティブに捉え直し、遊び、クリエイティブに生かす器をデザインできるかが、これからの活動のポイントとなってくるでしょう。
SPCS(スピーシーズ)は、プロトタイピングしながら自然のアンコントローラビリティを探究する活動体です。自身の好奇心や課題感と自然のメカニズムをリンク・身体化させ、価値観や手法をアップデートさせるべく、領域横断の実験を行っています。
活動全体のコンセプト/過去の活動は こちら>>
Program
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Day0
9月9日(土)ー 9月24日(日)
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Day1
9月24日(日)13:00 - 18:00(FabCafe Kyoto 開催)
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Day 2
10月13日(金)19:00 - 20:30(オンライン開催)
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Day 3
11月5日(日)13:00 - 18:00(FabCafe Kyoto開催)
- ジュリアモーザーさんのオンラインレクチャーを事前に見ておく(約1時間)
- SPCSオンラインコミュニティに参加(Discord)
- 自分が探究したいバクテリア染めの実験テーマを考える
- たとえば、生きたバクテリア染料をシルクスクリーンで印刷してその後の動きを観察する/生地を折ったらバクテリアはどう動くかを観察する、など
- アイスブレイク
- それぞれの実験テーマをシェア
- レクチャー
- バクテリアと生物学のイントロダクション
- バクテリアとは
- なぜ色素を作るのか
- 合成染料などについて
- バクテリアの染料がなぜ特別なのか
- バクテリアと生物学のイントロダクション
- ハンズオン
- 実験内容:培地の作成、バクテリアの培養(滅菌技術)、細菌をテキスタイルに埋め込む
*ハンズオン以降は、作品制作の場所としてFabCafe Kyotoと東京のBioClubの施設を使用いただけます
- 当時結果の中間報告
- 講師からのフィードバック
*Maker-faire東京で、計画や進捗状況を展示する可能性あります
- 展示会の設営と準備
- プレゼンテーション
Information
- 日時
- 2023.9.24 (日) 13:00 – 18:00 UTC+09:00
2023.10.13 (金) 19:00 – 20:30 オンライン開催 UTC+09:00
2023.11.5 (日) 13:00 – 18:00 UTC+09:00 - 会場
-
FabCafe Kyoto / オンライン
- 参加費
-
15,000円 | 学生チケット:10,000円(限定3名)
- オーガナイザー
-
SPCS, BioClub
- ご注意
- ・申込多数の場合、抽選となる可能性がございます。ご了承ください。 ・参加者の皆さんの写真や議論の内容は後日loftwork.comに掲載する場合があります ・プログラムは、予告なく変更される場合があります。 ・コミュニケーションツールはDiscordでおこないます(特に事前準備は不要です)
主催
オーガナイザー
講師
アーティスト、BioClub Tokyoディレクター、東京芸術大学客員教授
Georg Tremmel
オーストリア出身のアーティストで、東京を拠点に活動。ウィーンとロンドンで生物学、情報学、メディアアートを学ぶ。2001年より、生物学、文化、倫理、社会の規範をテーマに、アーティスティック・リサーチ・フレームワークBCLを福原志保とともに結成。議論可能なオブジェ、インスタレーション、シチュエーションを制作している。
現在、ウィーン応用芸術大学の博士課程に在籍し、「Ludic Cultures, Biologial Interfaces and Non-Human Agencies」をテーマに研究している。また、早稲田大学岩崎秀雄研究室の生命をめぐる科学・思想・芸術に関わる表現・研究のプラットフォーム「metaPhorest」の客員研究員、東京藝術大学の客員教授でもある。
日本初のオープン・バイオラボ&バイオハッカースペースであるBioClub Tokyoの共同設立者であり、ディレクターを務めている。
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オーストリア出身のアーティストで、東京を拠点に活動。ウィーンとロンドンで生物学、情報学、メディアアートを学ぶ。2001年より、生物学、文化、倫理、社会の規範をテーマに、アーティスティック・リサーチ・フレームワークBCLを福原志保とともに結成。議論可能なオブジェ、インスタレーション、シチュエーションを制作している。現在、ウィーン応用芸術大学の博士課程に在籍し、「Ludic Cultures, Biologial Interfaces and Non-Human Agencies」をテーマに研究している。また、早稲田大学岩崎秀雄研究室の生命をめぐる科学・思想・芸術に関わる表現・研究のプラットフォーム「metaPhorest」の客員研究員、東京藝術大学の客員教授でもある。
日本初のオープン・バイオラボ&バイオハッカースペースであるBioClub Tokyoの共同設立者であり、ディレクターを務めている。
学生チケット:10,000円(限定3名)