ロフトワークが運営するコミュニティ「SPCS(スピーシーズ)」が出版元となって制作したアートブック「不安定をデザインする 22人の採集インクとそのレシピ」が、第57回造本装幀コンクールにて審査員奨励賞を受賞しました。

右から、装幀デザインを手がけたデザイナーの本岡寛子さんと大田高充さん、審査員でグラフィックデザイナーの秋山伸さん、SPCS浦野奈美

「不安定をデザインする 22人の採集インクとそのレシピ」

撮影:大田高充

撮影:大田高充

撮影:大田高充

撮影:大田高充

撮影:大田高充

撮影:大田高充

新しい表現や試みを評価

第57回造本装幀コンクールは、過去最大の185者327作品の応募がありました。今回受賞した審査員奨励賞は、「技術や表現に新しい試みや表現・・若い装幀家の育成に資するもの」を評価した4作品が選ばれました(参考:受賞作品紹介ページ)。受賞作品は、1963年から毎年2月にドイツ ライプツィヒで開催されている世界的に権威のあるブックデザインの国際コンクール「BEST BOOK DESIGN FROM ALL OVER THE WORLD (『世界で最も美しい本コンクール』」に日本代表作品として出品される予定です。

なお、「第57回造本装幀コンクール 公式冊子」にて、審査員の方々から本作品について講評をいただきました。

同じ名前を持っていても、実在するものには必ず差異がある。宝石でさえ、精密機械でさえ••••••本はいうに及ばないーーー例えば、セルロースの絡まりが全く同じ紙があるだろうか? このような明白な事実は、大量生産の思考では無意識に追いやられていた。本が果実のように異なったとして誰が困るのか? その差異を「不安定」というネガティヴな言葉に一旦読み替え、美しく編むことで価値転換を図るこの本は、果実のように繊細で生き生きとしている。(秋山 伸)

大きさも、素材も違う本文を4頁折にして重ね、中綴じの形態に仕上げた作品。中綴じの綴じる部分には、まとめた本文に、おそらく錐のようなもので一冊ずつ穴をあけて手作業で、 かなり太めの麻ひもを通してから漆で接着させる作りになっている。漆のシミ具合と言いワイルドだが、 この作品にマッチした味のある綴じ方になっている。」(岩瀬 学)

第57回造本装幀コンクール 受賞作品ページ

https://www.jbpa.or.jp/zohon/zohon-winning.html

「第57回造本装幀コンクール 公式冊子」は1,100円(税込)で販売中

受賞作品展示会

第57回造本装幀コンクールの受賞作品をはじめ、全応募作品327点が展示される公開展示が開催されます。実際に手にとってご覧いただける機会です。ぜひ期間中にお立ち寄りください。

概要

第57回造本装幀コンクール2024 公式展示

場所:クラブライブラリー(東京都千代田区神田神保町1-32 出版クラブビル3F
会期:2024年9月30日(月)~11月1日(金) 10:00~18:00 (土・日・祝日を除く)(予定)
主催:一般社団法人日本書籍出版教会/一般社団法人日本印刷産業連合会
後援:文部科学省/経済産業省/東京都/公益社団法人日本図書館協会/公益社団法人読書推進運動協議会/日本製紙連合会
後援・事務局:一般財団法人出版文化産業振興財団
協賛:一般財団法人日本出版クラブ
公式ページ:https://www.jbpa.or.jp/zohon/zohon-exhibition.html

作品概要

『不安定をデザインする 22人の採集インクとそのレシピ』   

2023年10月15日 発行
活版題字:𠮷田 勝信(吉勝制作所)
デザイン:大田 高充、本岡 寛子
撮影:村上 航、山月 智浩
翻訳:清水 覚子、Sarah Ho
Ink Book制作委員会
上田 佳奈、浦野 奈美、大田 高充、韓 智仁、清水 覚子、鈴木 文華、本岡 寛子、山口 斯
印刷:㈲修美社、レトロ印刷JAM
製本:Ink Book制作委員会
発行:SPCS (スピーシーズ)

本をお求めの方は、SPCSのインスタグラムのダイレクトメッセージかEメール(spcs@loftwork.com)までご連絡いただくか、2024年11月22日〜24日開催の台北アートブックフェスティバルにてお買い求めください。(200部限定生産につき、在庫が終了し次第販売停止となります。ご了承ください)

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