なはれショップ・イン・ショップ #01 成果報告会
読むことの冒険
ー 3人の“設計者”と考える、あそぶように読む方法
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これからの本の可能性を拓くために、「本を読む」の外側にある「読む」ことから考えるトーク&エキシビション。ロフトワーク京都のプロジェクトスタジオ「なはれ」の取り組みのひとつ、ショップ・イン・ショップ#01の成果報告会として、京都の出版社「出雲路本制作所」と共催します。
遊具、ゲーム、編集。そこで大事にされる「読む」って?
読みたいのに、長文が読めない。買ったのに、積んである。読んだけど、忘れてしまった──。
読むことや本との関係性に、ひっそり悩んでいる人が多いこの時代。しかしそれはただ、今の本の“設計”が、ただただ現代に合ってないだけだとしたら?
おもしろくて読み続けてしまう本のあり方、読書を通して今までなかったような関係が生まれる本のあり方、正しく読むことの強迫観念を抱かない本のあり方。今回のトークでは、そうしたあたらしい本のあり方を通して育まれる、「現代的な読みかた」が主題です。
あそびを切り口に話そう、“読む”技法の養い方
本イベントでは、今の社会にフィットするあたらしい「読みかた」をどう“設計”するかを、3人の“設計者”とともに考えます。
ホストとなるのは、京都で出版業を営む株式会社出雲路本制作所の中井きいこさん。「歴史にひそむもしかしたらあり得たかもしれない本づくりの方法を模索」することの一環として、2024年8月から2025年1月まで、なはれを拠点にリサーチ活動を行っています。「現代的な読みかた」に関するそれらのリサーチを踏まえ、本イベントでは「読むことの冒険」について ゲストや参加者と探索します。
「“読む”と遊具」回のゲストには、遊びたくても遊べない医療的ケア児の課題に注目し、「障害の有無に関わらず誰もが遊ぶことができる遊具」を開発した、株式会社ジャクエツ スペースデザイン開発課のデザイナー・田嶋宏行さん。遊具の設計について紐解きながら、あそびながら読む、読みながらあそぶことについて考え、あそぶと“読む”の根っこを探ります。
「“読む”とゲーム」回のゲストには、子どもたちのADHD治療をサポートするビデオゲーム医療機器の研究開発を行うAlmaprism合同会社の代表であり、 ゲームデザイナーの糟野 新一さん。ゲームという「行動のデザイン」を通して、子どもたちの状況をよりクリアに捉え、多種多様な心の問題にアプローチされています。今回は、糟野さん自身の実体験から、おもしろく読むことの行動のデザインについて、空想を膨らませます。
*糟野さんが研究開発を行うビデオゲーム医療機器については、AlmaprismのWEBサイトを御覧ください。
最後に、「“読む”と集う」のゲストには、さまざまな形で本との関わりしろをつくる編集者・椋本湧也さん。例えば、ゲリラ的に街での読書風景を増やすことをめざして、「気まぐれな場所にただ集まり、ただ読書するだけ」の取り組み、サイレントブッククラブを主宰されています。読むことを起点に集い、ともに読む。そのあり方のさまざまな可能性について話をひろげ、読むことの養い方を考えます。
同時開催『読むことの冒険 ー3つの視点から捉える、“読む”の現在地』(2/22-2/28)
- 本イベントの会場となる「なはれ」では、出雲路本制作所が2024年8月から2025年1月にかけて実施した「これからの“よむ”ことの可能性」に関するリサーチ成果とそこから得られたインサイトを展示します。
文献に残る多種多様な「読むこと」の断片を寄せ集めながら、古今東西、さまざまな人がどのように読んできたのかの仮説を提示します。その際ヒントになる3つの視点とは、産業、役割、技法。
ぜひ会場「なはれ」にて、読むことの仮説をともに考えましょう。
ショップ・イン・ショップの紹介記事
Voice
今わたしが何かを読もうとしたとき、そのものを手に取り、頁をめくり、そこにある文字にフォーカスをあて、それまで考えていたことを一旦しまいこんで、そこにある情報に少しずつ意識を集めていく。そのまま本の中に脳みそが吸い込まれていくこともあれば、ツバメが鳴いたのに反応して視線を外に向けることもある。その時のわたしは、本とともに「沈静」や「孤独」な状態にあることが多い。
しかし読書にまつわる機能が、人類史の中で大きく変化してきたこともひとつの事実である。例えば、古代中世での「儀式」としての読む。近世での「学問」としての読む。近代での「娯楽」としての読む。そして現代は、あらゆるメディアが撹乱するなか、「読む」ことが人間から離れていっているようにも受け取れる。時代も土地もちがう誰かにとって、「読む」とはどんな意味なのだろうか。もしくは、同じ時代に同じくここにいるあの人の「読む」は、わたしと同じなのだろうか。
本リサーチでは、「読む」というふるまいの多様さやユニークさを、地球という空間 / 歴史という時間のマトリクスの中に配置しながら、この時代に読むということの意味を改めて考えてみたい。(出雲路本制作所 中井きいこ)
こんな方におすすめです
- トレンドだけでなく、目の前の事象を読み解くことから考えたい、企業で企画や事業開発に携わる方
- 双方向的な学びの場をつくりたい、教育やまちづくりに携わる方
- あそびの要素を取り入れたものづくりや体験設計に挑戦したい方
Speaker
遊具や遊び場のデザイナー/株式会社ジャクエツ/PLAY DESIGN LAB リサーチャー
田嶋 宏行
1992年静岡県生まれ。京都芸術大学プロダクトデザイン学科卒業。2015年株式会社ジャクエツに入社。遊具や遊び空間のデザイン・設計を担当。遊具開発の取り組み「PLAY COMMUNICATION PROJECT」にてグッドデザイン賞受賞(2019)。「障害の有無に関わらず誰もが遊ぶことができる遊具」の開発プロジェクト「RESILIENCE PLAYGROUND プロジェクト」にてグッドデザイン大賞(2024)、キッズデザイン審査委員長特別賞(2023)を受賞。遊びを軸に分野を横断しながら、活動している。
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1992年静岡県生まれ。京都芸術大学プロダクトデザイン学科卒業。2015年株式会社ジャクエツに入社。遊具や遊び空間のデザイン・設計を担当。遊具開発の取り組み「PLAY COMMUNICATION PROJECT」にてグッドデザイン賞受賞(2019)。「障害の有無に関わらず誰もが遊ぶことができる遊具」の開発プロジェクト「RESILIENCE PLAYGROUND プロジェクト」にてグッドデザイン大賞(2024)、キッズデザイン審査委員長特別賞(2023)を受賞。遊びを軸に分野を横断しながら、活動している。Almaprism , CEO/ゲームデザイナー
糟野 新一
京都大学総合人間学部卒。大手ビデオゲーム企業での開発に従事後、ビデオゲーム✕医療をテーマにした医療機器スタートアップ「Almaprism Inc.」として、ADHD(注意欠如・多動症)の子どもに対する新しいビデオゲーム医療機器を名古屋大学・浜松医科大学と共同で研究開発中。
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京都大学総合人間学部卒。大手ビデオゲーム企業での開発に従事後、ビデオゲーム✕医療をテーマにした医療機器スタートアップ「Almaprism Inc.」として、ADHD(注意欠如・多動症)の子どもに対する新しいビデオゲーム医療機器を名古屋大学・浜松医科大学と共同で研究開発中。編集者/ユトリト 共同代表
椋本 湧也
1994年、東京生まれ、京都在住。家具メーカーのVitraと出版社タバブックスでの仕事を経て、現在はフリーランスの編集者として活動しつつ、2025年に京都で言葉のメディア「ユトリト」を立ち上げ。「作って終わらない本づくり」をテーマに個人で制作も行う。著作に『26歳計画』『それでも変わらないもの』『日常をうたう〈8月15日の日記集〉』。場づくりに「サイレントブッククラブ」「「詩を誤読する会」「ごきげんZINEワークショップ」「真木悠介輪読会」など。
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1994年、東京生まれ、京都在住。家具メーカーのVitraと出版社タバブックスでの仕事を経て、現在はフリーランスの編集者として活動しつつ、2025年に京都で言葉のメディア「ユトリト」を立ち上げ。「作って終わらない本づくり」をテーマに個人で制作も行う。著作に『26歳計画』『それでも変わらないもの』『日常をうたう〈8月15日の日記集〉』。場づくりに「サイレントブッククラブ」「「詩を誤読する会」「ごきげんZINEワークショップ」「真木悠介輪読会」など。株式会社出雲路本制作所 , 代表
中井 きいこ
学生時代に日本や台湾の集落・都市史研究やフィールドワークに明け暮れ、その後建築や都市分野の企画編集者として、学芸出版社に入社。本づくりのおもしろさに目覚めつつ、既存のやり方に飽き足らず独立。各地を放浪したのち、2022年の暮れに京都で(株)出雲路本制作所を立ち上げる。
現在は食/ものづくり/民主主義/鴨川などをテーマにしたいくつかの本を仕込む一方で、各地の編集プロジェクトに参与。本の先をつくる/書き手と読み手の接点をつくる/里山に関わる、などの切り口から、現代における本の役割を模索している。地域とデザインの学校「LIVE DESIGN School」運営局。1993年東京生まれ。
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学生時代に日本や台湾の集落・都市史研究やフィールドワークに明け暮れ、その後建築や都市分野の企画編集者として、学芸出版社に入社。本づくりのおもしろさに目覚めつつ、既存のやり方に飽き足らず独立。各地を放浪したのち、2022年の暮れに京都で(株)出雲路本制作所を立ち上げる。現在は食/ものづくり/民主主義/鴨川などをテーマにしたいくつかの本を仕込む一方で、各地の編集プロジェクトに参与。本の先をつくる/書き手と読み手の接点をつくる/里山に関わる、などの切り口から、現代における本の役割を模索している。地域とデザインの学校「LIVE DESIGN School」運営局。1993年東京生まれ。
株式会社ロフトワーク, クリエイティブディレクター / なはれ
村上 航
大学在学中に「地域おこし協力隊」に着任し、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等に携わる。そのなかで出会った農林漁業やものづくりを生業とする人の知恵や語る言葉が強く印象に残り、見聞きしたことを伝える手段としてのデザインに興味を持つ。その後6年間、デザイン事務所で印刷物やWEBなどビジュアルデザインの経験を積む。日々伝えるためのデザインを制作する中で、目の前にある問題だけでなく、顕在化されていない課題にもアプローチしていきたいと考えるようになり、2022年7月ロフトワークに入社。
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大学在学中に「地域おこし協力隊」に着任し、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等に携わる。そのなかで出会った農林漁業やものづくりを生業とする人の知恵や語る言葉が強く印象に残り、見聞きしたことを伝える手段としてのデザインに興味を持つ。その後6年間、デザイン事務所で印刷物やWEBなどビジュアルデザインの経験を積む。日々伝えるためのデザインを制作する中で、目の前にある問題だけでなく、顕在化されていない課題にもアプローチしていきたいと考えるようになり、2022年7月ロフトワークに入社。株式会社ロフトワーク, クリエイティブディレクター
笹島 啓久
日本三大奇勝の一つ、大分県中津市耶馬渓町出身。京都教育大学、北海道大学大学院理学院を経て3年間高校で数学を教える。その後Web業界に転身し、5年間QAディレクターとしてWebサイトの運用支援・開発に携わる。デザインに触れる側から創る側に移ったことで、(広義の)デザインに強く興味を抱く。個人のミッションである「子どもたちが生きやすい社会を実装する」ため、Webに限らず世の中と関われるロフトワークへ2023年に入社。平日はお店でカレーを食べ、休日は家でカレーを食べている。
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日本三大奇勝の一つ、大分県中津市耶馬渓町出身。京都教育大学、北海道大学大学院理学院を経て3年間高校で数学を教える。その後Web業界に転身し、5年間QAディレクターとしてWebサイトの運用支援・開発に携わる。デザインに触れる側から創る側に移ったことで、(広義の)デザインに強く興味を抱く。個人のミッションである「子どもたちが生きやすい社会を実装する」ため、Webに限らず世の中と関われるロフトワークへ2023年に入社。平日はお店でカレーを食べ、休日は家でカレーを食べている。Program
- 11:00-12:30
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トーク1「“読む”と遊具」
- 遊具や遊び場のデザイナー/株式会社ジャクエツ/PLAY DESIGN LAB リサーチャー 田嶋宏行
- 出雲路本制作所 中井きいこ
- ロフトワーク クリエイティブディレクター 村上航
- 13:30-15:00
-
トーク2「“読む”とゲーム」
- Almaprism CEO/ゲームデザイナー 糟野 新一
- 出雲路本制作所 中井きいこ
- ロフトワーク クリエイティブディレクター 笹島啓久
- 16:00-17:30
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トーク3 「“読む”と集う」
- 編集者/ユトリト 共同代表 椋本湧也さん
- 出雲路本制作所 中井きいこ
- ロフトワーク クリエイティブディレクター 村上航
Outline
- 開催日
- 2025年2月22日(土)
- 定 員
- 各回15名
- 参加費
- 各回1,500円
- 主 催
- 株式会社ロフトワーク, 出雲路本制作所
- ご注意
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- トークはチケット制です。各回ごとにチケットの購入が必要となります。
- プログラムは、予告なく変更される場合があります。
- 参加者の皆さんの写真や議論の内容は、後日Loftwork.comに掲載する場合があります。
- 申込多数の場合、抽選となる可能性がございます。ご了承ください。
ACCESS
なはれ 住所:京都府京都市下京区本塩竈町534
※FabCafe Kyotoから徒歩2分
トークはチケット制です。各回ごとにチケットの購入が必要となります。