ビル・ゲイツは「もしいま自分が学生だとしたらバイオを学ぶ」と言った
ビル・ゲイツは「もしいま自分が学生だとしたら生物学(バイオ)を学ぶ」と言いました。 そして、MITメディアラボ創設者ニコラス・ネグロポンテは、「Bio is the new digital.」と言いました。これは、30年前はほとんど世の中に普及していなかったデジタルという言葉はいまは世の中のほとんどの人に知られているが、それと同じようなことが「バイオ」にも起きるだろうという話です。
何だかよくわからないけれど、これからはバイオの時代が到来するそうです。
ロフトワークでも「何だかよくわからないけれど、これから訪れるバイオの時代」に向け、ロフトワークの林千晶らが有志で、BioClubプロジェクトを立ち上げ、キックオフイベントとして最初のBioClub Meetupが3月3日に行われました。
「有志で集まるミートアップ」のわりに、研究者から有識者からアーティストに高校生、起業家にマーケターにデザイナーにエンジニア、そしてロフトワーク社員、多様なメンバーが100人以上集まって、それはもう、大変に盛り上がりました。
はじめに発起人のひとりである林千晶の挨拶から始まり、経産省の方、早稲田大学の岩崎先生、多摩美術大学の久保田先生、BCLのゲオルグさん、バイオアーティストの清水陽子さんより、自己紹介とそれぞれのプロジェクトについて簡単に紹介。
その後15チームくらいに分かれて「自分について」「BioClubでやりたいこと」「BioClubに期待すること」を付箋に書き出してディスカッション。そして最後にチームごとのディスカッションの結果を発表する流れでした。
バイオをもっとわかりやすく身近にしていきたい。バイオの怖いイメージをなんとかしたい。バイオとアートの融合などに興味がある。熟成肉の理論化をしたい。バイオロジストという人間は周囲から誤解をされやすいという被害妄想を持っている人も多いから、それを払拭したい。高校生の片野くんは、DNAのメチル化を研究したい。早稲田大学の岩崎先生は、バイオってそんなに簡単じゃないという感覚も味わって欲しいし、地道なバイオの奥ゆかしさも体験してほしいと言う。
様々なバックグラウンドの人が集まり、さまざまなバイオに関する思いを共有し合います。
バイオの専門家もただの素人も同じ空間で、まずは文字通り「ミートアップ」から。
ものすごく盛り上がり、次回は3月18日に開催されることが発表されました。
ロフトワークってなんの会社だっけ
よく「ロフトワークは何の会社だかわからない」と聞かれます。
BioClubも始まり、いよいよ広報の私ですら、ますますわからなくなりました(笑)
本業は広報なのに、Webディレクターなのに「これからはバイオだぞ」と脅され(笑)、何だかよくわからないけど、今日の有志のキックオフにとりあえず行ってみる十数人のロフトワーク社員の姿。
ロフトワークにいると、普段は滅多に出会えないようなすごい人、新しい情報、コミュニティ、ツール、イベント…もう摂食過多になりそうなくらい「最先端な何か」が全方位に存在しています。
ロフトワークで行われる直近のイベントを眺めてみるだけで、今日はバイオだし、毎日FabCafeではFabだし、IoT、ガチCMS、オープンイノベーション、UXとWeb、豪華なデザイン塾、訪日外国人のインバウンド、都市と農業、山梨県の伝統、超人スポーツハッカソン、女性のためのものづくり、エクスペリエンスデザインのカンファレンス、飛騨の木でつくるスピーカー、もちろんクライアントとのプロジェクトでのクローズドなワークショップもしょっちゅう開催されています。
ああ、やっぱり何の会社だかわからないと言われても仕方がない。
でも最近は、こんな風にコミュニティを育みながら、クリエイティブの力を信じながら、いろんな「実験」をしていく組織なんだと思うようになりました。
そんなロフトワークと一緒にクリエイティブな未来のための実験をしたい企業をお待ちしています!…のですが、一方、空間も作るし、UXデザインもします。大規模サイトを作ったりCMS導入したりも得意です。むしろこちらの方がずっと得意です(今のところ)。
私も30も半ばなので、できるならば、目に見えて理解できて、自分ができることだけをやって、安穏と平和に生きていたい。
バイオもそう、イノベーション(この言葉、若干形骸化しつつあるように思うけど)もそう、目に見えないし理解できないし、自分では何もできないものには関わりたくない!…と思うのだけれど、そんな風に過ごしていたら、いつか化石化して老害化して、10年後に「あの頃は良かった、今の世の中わけがわからん」とか20代の若者に昔話をしていたとしたら…そんなの、嫌過ぎる。
ビル・ゲイツみたいに、学生時代に戻ったところでバイオを学びたいと思うほどの意識の高さも頭の良さも無いけれど、それでも、過渡期過ぎるダイナミックな時代の変化に置いて行かれたくない、そう思うのです。
バイオテクノロジーがロフトワークのビジネスにどう結びつくのか、まだ想像もできないけれど、だからこそ、オープンにはじめてしまう、とりあえず人を集めてみる。とにかくとっとと実行する。そしてそのコミュニティから生まれるセレンディピティを大事にしたり、実験したり、既成事実を積み上げていくことで、そのうちビジネスになっていくのかもしれません。
そんなプロジェクトのはじめ方とコミュニティの形成の仕方は、なんだかロフトワークらしいし、きっとあらかた正しいのだろうと、今回のBioClubに参加して思いました。
とりとめもなくなってきましたが、そんなわけで。
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