FabCafe Kyotoは、プロジェクト・イン・レジデンスのプログラムとして「COUNTER POINT」を開始します。

これは、好奇心と創造性に突き動かされた不可思議なプロジェクトのためのプログラム。シェアオフィスでもなく、インキュベーションスペースでもなく、まるで部室のような、あたらしい活動の場所を目指します。

応募者はプロジェクト単位でプログラムに応募し、3ヶ月間にわたりFabCafe Kyotoをベースに、お互いの想いや技術をシェアしながら活動に取り組むことが可能。「公開実験の場を求めている」「組織を頼らず自分たちの手で面白いことがしたい」「本業とは別に実現したいことがある」そんな好奇心と創造性に突き動かされたプロジェクトのための、コラボレーションスタジオです。

「役に立つか」や「ビジネスになるか」といった短期的な評価基準から開放されて自由に活動できると同時に、ロフトワークやFabCafeのメンバー、他のレジデンスメンバーとのコラボレーションを促します。

目的だけじゃない、他者との「媒介」になるようなプロジェクト

2012年に渋谷で産声をあげたデジタルものづくりカフェ「Fabcafe」は現在では世界11拠点に展開、大きなクリエイティブネットワークに成長しました。FabCafe Kyotoは、京都を拠点にユニークな才能やテクノロジーが集まり交差する場をつくることをミッションとして、2015年末のオープンから活動を開始。今までに、多彩なクリエイター、職人、メーカー、研究者など、業界の垣根を超えた数々の出会いやコラボレーションの起点がここで生まれてきました。

ある日のFabCafe Kyotoの様子。ノマドワーカー、クリエイター、職人、エンジニア、観光客などがランダムに交差する

個人が能力を開花させたり社会に繋がるためには、他者との関わり合いが必要です。しかし、いくら多様性のある場に身を置いたとしても、それだけでは化学反応は起きません。FabCafe Kyotoの施設機能やメンバーのスキル・ナレッジ、ここに集まる人達のネットワークをシェアし合うことで、化学反応を促したい。そんな想いから、プロジェクト単位で入居するレジデンスプログラムを企画しました。

CounterPointで募集するプロジェクトは、短期的なビジネス化を目指すものではなく、あくまで個人が社会に接続するための「媒介」です。予想外を積極的に受け入れ、柔軟なアウトプットや新しい繋がりを許容できるよう、社会に繋がるきっかけとしてのプロジェクトを募集します。

「この場所があったからこそ、予想を超えた展開が生まれた」「FabCafe Kyotoのスタッフと一緒にディスカッションや試作したからこそ、アイデアがかたちになった」そんなプロジェクトがもっともっと増えてほしいと強く思っています。

FabCafe Kyotoで活動を続けているニコス京都ラボのメンバー。あらゆる家電を楽器に作り替え、演奏している
エンジニア、大学講師、音楽家など、幅広い背景のメンバーが「ゆるい」目的に向かって活動を続けている

個人の衝動を起点にエコシステムをデザインする

私たちがこのプログラムで最も大切にしたいことは「個人の衝動」です。

新たな価値を生み出すべく行われている活動は多くありますが、目先のビジネス成果やインパクトだけを目的としていると、当初思い描いたような成果や共感が得られず、また長続きせず終わってしまうことがよくあります。

KPI,プロトタイピング、ユーザー目線、、既存のビジネスやエコシステム、本当にそれだけでよいのでしょうか。何が足りないのでしょう。

私たちは、個人的な好奇心や偏愛に裏付けられた衝動こそが人を動かし、世界をより豊かにすることに気づきました。聞いただけでは理解できない、でも、その人がすごく楽しそうに語っているその勢いに飲まれてしまい思わずうなずき共感した経験はありませんか?本業ではないので…と謙遜されながらも、どう見てもプロの仕業としか思えないくらいの、熱量あふれるプロダクトを見たことはありませんか?

私たちが応援したいのはこれらのような「好奇心をカタチにするプロジェクト」。創造性に突き動かされたプロジェクトを全力で応援し、共に育て、この街に解き放ちたい。メンバーの好奇心が相互に作用し合う、衝動のエコシステムをつくりあげること、それがFabCafe Kyotoが新たに始めるCOUNTER POINTプログラムです。

FabCafe Kyotoの築120年の日本家屋とテクノロジーが組み合わさった不思議な空間。インスピレーションに合わせて建屋を自由に活用し、展示企画などを行うことも可能
和室で個人活動をするもよし。
仲間と作業するもよし。1Fのスペースにはデジタル工作機械も完備。

共創のノウハウを生かしたプログラム

FabCafe Kyotoを運営する株式会社ロフトワークは、事業や組織、地域、人が成長する“ 生態系” を共創によってデザインするクリエイティブカンパニーです。プロジェクトマネジメントの知識と、活動領域を超えて共感・連携し、相乗効果が自然と生まれていく環境づくりを、多種多様な業界のプロジェクトを通して実践してきました。これまでの経験を生かし、FabCafeにおいても、より一層共創を促し、それぞれの想いや個人活動を、プロジェクトとして社会に接続させるべく、このプログラムを企画しました。

関連事例:MACHIYA EBISUYA ホテルアートピース制作

FabCafe Kyotoに集うクリエイターとの共創でホテルの各客室に設置するアートピースを制作しました。世界観の異なる多様なクリエイターとロフトワークのディレクターがタッグを組んだことで、領域横断かつ、伝統やテクノロジー、文化を融合させて、複雑なプロジェクトにチャレンジすることができました。
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関連事例: FAB RACERS

ミニ四駆を愛する大人たちがFabCafeに夜な夜な集まり、理想のミニ四駆を追求するという部活動が出発点となり、自治体や企業を巻き込んで大きなムーブメントに発展しています。メンバーの中には、大手自動車メーカーのカーデザイナーなどもいて、プロの技術をベースに本気で遊ぶ活動が、年齢・性別・業界を超えて共感を呼び、共創が促されました。
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COUNTER POINT企画概要

プログラムの詳細がは以下のとおり。興味を持った方はぜひ申し込んでみてください。私たちと一緒に、面白いことしましょう!

  • 募集期間
    2020年9月7日(月)~2020年10月2日(金)
  • 選考方法
    以下のポイントをもとに事務局が総合的に判断し、 募集期間終了後から1週間以内にメールにて通知します。
    ・応募プロジェクトのテーマと本プログラムとの相性
    ・応募プロジェクトの目的 / 成果物 / 取組内容の具体性
    ・本プログラムへの参加動機・意欲
  • 詳細/申し込み
    https://fabcafe.com/jp/labs/kyoto/counterpoint
  • スケジュール
    第一期募集期間:2020年9月7日(月)~2020年10月2日(金)
    第一期メンバー発表: 2020年10月19日(月)[予定] 
    レジデンス期間:2020年10月23日(金)〜2021年1月22日(金)
    第一期メンバー成果発表会:2021年1月29日(金)

FabCafe Kyotoについて

FabCafeは東京、飛騨、京都、台北(台湾)、バルセロナ(スペイン)、トゥールーズ、ストラスブール(フランス)、バンコク(タイ)、モンテレイ(メキシコ)、香港、クアラルンプール(マレーシア)の世界11拠点に広がる、クリエイティブネットワークです。
人が集うカフェという空間に、3Dプリンターやレーザーカッター等のデジタルものづくりマシンを設置。各FabCafeでは、毎日クリエイターが出会い、集い、才能を競い合い、発表の場を共有。その地域ならではの、ものづくりや素材、テクノロジーを活かした多彩なプロジェクトを手がけています。
築約120年の木造建築をリノベーションし、2015年にオープンしたFabCafe Kyotoは、鴨川という文化的にも重要な川のすぐ近くにあります。中世の鴨川は、熱気に満ちた音楽フェスティバルの会場であり、 日本を代表する歌舞伎や能といった芸能の源流も、アンダーグラウンドなものとして川辺でスタートしたとも言われます。昔から京都では、この水辺から、沢山の文化が生まれてきたのです。
異国から流れ込んでくるもの、新しいもの、古いもの、価値観の違うもの同士がぶつかり合い、化学反応が起こるカオスなエリア、京都・ 五条。この場所を、私たちは新しい価値を生み出すための拠点として選択しました。
クリエイティブなアイデアで社会へ挑戦するすべての人を応援するFabCafe Kyoto。職種や手段ではなく、イシューで繋がることで専門領域を超えて連携し、化学反応が起きる、オープンな場を目指しています。

URL:https://fabcafe.com/jp/kyoto/

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大阪・なんばの街を拠点に活動するクリエイターを募集。
南海電気鉄道が主催のレジデンスプログラム「Chokett(チョケット)」