“AIとあそび倒す”創造力が集結!マクセル主催の
AIクリエイティブアワード「クセがあるアワード:塗」結果発表。
受賞作品によるグループ展「塗展」を10月19日から開催
AIとあそび倒す、クセのある63作品から選出
マクセル株式会社が主催し、ロフトワークが企画運営を行うAIクリエイティブアワード「クセがあるアワード:塗」のファイナリスト3点、マクセル賞1点が発表されました。
本アワードでは、「あそび心とAIで( )を塗り替える」をテーマに、AIと人が共創した表現を形式・ジャンルを問わず、AWRDのプラットフォームを活用し募集。約2ヶ月間で63点の多彩な作品が集まりました。
審査には、アーティストの荒牧悠氏、メディア・アーティストの谷口暁彦氏が参加。審査のうえ選出されたファイナリストとマクセル賞を受賞した作品は、2025年10月19日(日) から 11月3日(月・祝)の期間「クセがあるスタジオ」(京都府)でグループ展を開催します。
会場では作品映像に加えて、AIとの対話をどのようにデザインし“塗り替えた”のか、その過程を可視化したプロセス図も公開。
「何を塗り替え、どう塗り、なぜ塗ったのか」——ぜひこの機会に、ファイナリストたちの“クセ”と創造の軌跡に触れてください。
クセがあるアワード:塗
2024年に開催されたクセがあるアワード:混(まぜる)の最終審査会の様子
展示概要
これからの未来の“日常”をつくっていくような、ユニークな表現が京都・大山崎に集まります。
- タイトル
- 塗展 クセがあるアワード:塗 ファイナリスト作品展
- 会場
- クセがあるスタジオ
京都府乙訓郡大山崎町字大山崎小字鏡田30番地1 (アート&テクノロジー・ヴィレッジ京都内) - 会期
- 2025年10月19日(日) 〜 11月3日(月・祝)
- 時間
- 10:30~17:00
- 入場料
- 無料
- 主催
- マクセル株式会社
- 企画運営
- 株式会社ロフトワーク
ファイナリスト&マクセル賞作品
作品は、以下のリンクからもご覧いただけます。
ファイナリスト
no. 31 秘術 『「物」語り 』 ― モノが語り出す装置
かたちのブティック
廃校となった旧琴南中学校に残されていた「思い出資料室」。そこには写真やトロフィー、名もなき彫刻や花瓶など、持ち主不明の記憶の欠片が雑然と眠っていた。本作では、それらの「物」に秘術を授け、語り出す仕掛けをつくった。来場者は気になる物を選びスイッチを押すと、AIによって生成された「もっともらしい物語」が印刷され手渡される。それは事実ではなく、しかし誰かの記憶を呼び覚ます新しい物語である。沈黙していたモノが再び声を持つことで、失われかけた地域の記憶や鑑賞者自身の体験と交差し、新しい語りの場が生まれた。
no.08 時を惑う
渋谷和史
これは環境から学習する小さなAIである。見ている景色から今が何時かを推論し、その時刻に針を進める。AIは特定の場所のカメラ画像と撮影時刻がセットになったデータから、画像分類タスクを学習している。展示されている3台の時計はそれぞれ別の日、別の場所で学習しているので、同じ空間に置かれていたとしても、学習した環境に応じて異なる挙動を見せる。
AIが様々なタスクをこなし、便利なツールとして人間のために活躍する現代ではあるが、このAIはただ外を見て今が何時であるかだけを主観的に考えている。
no.36 存在しないビデオゲーム (Video Games That Don’t Exist)
Kieran NOLAN
自身のAIマシニマ作品の数々に、フェスティバル限定の新作映像を加えた特別編集作品である。マシニマとは、主にビデオゲームや仮想環境から得られるリアルタイムコンピュータグラフィックスを用いて、アニメーション映画やビデオを制作する映像制作手法である。本作は、AI、オーサーシップ、そしてゲーム美学を探求している。OpenAIのSoraによって生成されたクリップを用いた本作は、AIの予測不可能性を受け入れ、グリッチや変形を創造的な要素へと昇華させている。ブレイクダンス、レーシング、そしてシュールなYouTubeカルチャーの要素を融合させながら、デジタルアートにおける人間の創造性とAIの進化する関係性を考察している。
マクセル賞
no.42 空間へのドローイング:大山崎
城下浩伺&みふく
「空間へのドローイング」は、VR機器をメディウムとして扱い、空間を支持体として描くドローイングのプロジェクトである。これまで、渋谷、京都、天神橋、高輪ゲートウェイといった都市空間において、VR機器を使って空間にドローイングを描き、その場所で採取したテクスチャや環境音をドローイングのマチエールとして付与することで場所固有性という物理的制限を与え、逆説的に絵画としての実体を形成することを試みてきた。今回制作した「空間へのドローイング:大山崎」では、マクセル「クセがあるスタジオ」にてVRドローイングを実施し、AIに構想させた「100年後の新素材」を未来のマチエールとして加えることで、過去・現在・未来が干渉する複層的な絵画空間を立ち上げた。
審査員と審査基準
審査員
一次審査には、アーティストの荒牧悠氏、メディア・アーティストの谷口暁彦氏が参加し、3つの作品をファイナリストとして選出しました。

荒牧 悠
アーティスト/多摩美術大学美術学部統合デザイン学科講師

谷口 暁彦
メディア・アーティスト/多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース准教授
審査基準
荒削りでもユニークと思えるクセ(= 個性、創造性)があることを大事にしています。作品の審査にあたっては以下の審査のポイントと、審査員の専門分野による独自の視点を評価の軸としました。
- 塗り替えたもの(WHAT)
- AIとの共創によって何を塗り替えようと試みたのか
- 塗りかた(HOW)
- ルールや手順を作る、市民参加を促す、先入観を疑うなど、プロセスに工夫があるか
- 塗ったわけ(WHY)
- 社会的な必然性、個人的な偏愛など、他者の共感を生む物語を宿しているか
特別展示について
ファイナリスト作品に加え、京都を拠点に活動するオーディオビジュアルアーティスト・Junichi Akagawa氏による特別展示を実施。塗展のテーマと応答するオリジナル作品を展示期間限定で上映しています。
※11月1日(土)10:30〜15:30は、会場の都合により本作品はご覧いただけません。
作品タイトル
[PROTOTYPE] Lineage of Resonance
(響きの系譜)
コンセプト
AIが過去の生命史を学び、誕生・分裂・消滅を繰り返す営みを音に変える。
消えた生命の記憶が、新たな誕生と響き合いながら、AIの内に広がるもうひとつの世界が、音楽的なリズムへと変容していく。
Junichi Akagawa
オーディオビジュアルアーティスト・Ableton認定トレーナー。京都在住。
プログラミングやセンサーを用いてインタラクティブなシステムを構築し、ライブパフォーマンスやダンス作品、インスタレーションなどを制作。
これまで日本、ドイツ、オランダ、イスラエル、中国など国内外で公演を行い、2019年には文化庁メディア芸術祭とMUTEK.JPのコラボレーションイベント、2020年にはMUTEK Montrealに出演。
2020年から2021年にかけて京都市Kyoto Steamによる「NAQUYO-平安京の幻視宇宙-」プロジェクトに参画し、梵鐘やフィールドレコーディング、立体音響を用いたダンス作品 “midpoint”、 “Alt+midpoint” を発表。
2025年には大阪・関西万博において「SOUNDSCAPE DESIGN」プロジェクトのテクニカルディレクターを務め、音とテクノロジーを融合した大規模なサウンドインスタレーションの設計と実装を担当。
音・映像・テクノロジーの境界から、新たな知覚体験の可能性を探求している。
https://junichiakagawa.net/
Photo: Toru Imanishi
展示会場について
クセがあるスタジオ
京都府大山崎町、マクセルの敷地の一部がアートとテクノロジーの混ざり合うオープンイノベーション拠点に生まれ変わりました。「クセがあるスタジオ」はその一画に位置する約100平米のスタジオです。これまで出会うことのなかったクリエイターやアーティスト、エンジニア、まだ見ぬ新たなプレイヤーそれぞれが持つ“クセ”を掛け合わすことができる拠点が完成。クリエイターやアーティストによる展示やイベントから、マクセルの技術を体験できるワークショップまで。ものづくりに携わる人の感性やテクノロジーが混ざり合うようなプログラムが開催されることで、未来の日常を生み出していきます。
「クセがあるスタジオ」について詳しくはこちら
体制
本展示に関するお問い合わせ先
メールアドレス: kuse-ga-aru-award@loftwork.com
Related Service
AWRD(アワード)は、企業・自治体・クリエイターが共に多様なテーマに取り組むための公募・共創プラットフォームです。
グローバルにプロジェクトやパートナー人材を募り、オープンイノベーションを通じて、事業開発・地域共創・スタートアップ支援などのプロジェクトを実現します。
企画設計から運営支援までをワンストップで伴走し、共創を通じて社会にひらきます。
Next Contents







