プラス株式会社 PROJECT

海外でのブランド価値を高める英語用Webサイト新設

2年前に海外進出、ブランドを効率的に高める広報・営業ツールとして英語サイト開設

プラス株式会社(以下プラス)は、文具やオフィス家具の製造・販売、空間デザイン事業などを手がけています。その社内カンパニーで、オフィス家具製造・販売の「ファニチャーカンパニー」は約2年前、海外販売を目的とした事業本部を立ち上げ。海外でブランドを高めるために、英語サイトを2012年6月に開設しました。実質約1ヵ月というタイトな開発期間のなかで、ロフトワークはプロジェクトをどのように導いたのか——。プラスの高橋純氏と稲木研二氏、ロフトワークのクリエイティブディレクター水野太との対談で、その軌跡をたどります。

水野(ロフトワーク) 今回、海外向けWebサイトの制作をお手伝いさせてもらいましたが、国内のWebサイトは、古くからお付き合いしているWeb制作会社に任せているとお聞きしています。新たにロフトワークを選んだのはなぜですか?

高橋(プラス) 確かに、国内の主要サイトの制作は、長くお付き合いのある会社にお願いしています。ただ、「もう1社は欲しいね」という話が社内では以前からありまして、新たなWeb制作会社を探している中で、ロフトワークを知りました。プロデューサーの小川さんと話しているうちに、ロフトワークの斬新な提案内容に惹かれ、今回のプロジェクトを担当した稲木に紹介しました。

高橋 純様

稲木(プラス) 高橋に「面白いWeb制作会社がある。お前は絶対に気に入るから会ってみろ」と言われ、ロフトワークが手がけた制作物を見た時に「この会社と付き合いたい」と、実はすぐに思っていました。「一緒に仕事したい」というよりも「仲良くなりたい」という感覚ですね。これまでさまざまなクリエイターの方々に会っていますが、ロフトワークと付き合えば、きっと面白いことができると感じました。

水野 ありがとうございます。「実際はどうだったか」は、後ほどお聞きするとして、改めて、海外向けサイトを開設するに至った経緯を教えてください。

稲木 プラスは1980年アメリカに販社設立以来、文具やコピーボードの分野での海外進出、拡販を行っていますが、私が籍を置くファニチャーカンパニーが本格的に海外販売を目的とした事業を始めたのは2年前。まだよちよち歩きです。ビジネスボリュームはまだ大きくないですから、潤沢な資金も多くの人員も投入することができない。そんな中で、海外でブランドを高めるためには、Webサイトの開設がまずは効果的だと判断したんです。

水野 ブランディング・営業ツールとして位置付けたのですね。

稲木 サイトはたくさんの方々に情報を発信するには最適なツールで、海外であればなおさら。サイトを開設することが、すぐ売り上げに繋がるとは当然思っていませんが、その原資を見つけることはできますから。

短期間の開発でも議論しやすい環境を提供、一方でスケジュール管理は緻密に

水野 プロジェクトは、2012年4-5月の約2ヵ月で8ページの新規サイト構築。開発期間は、ゴールデンウィークがあったり、稲木さんの長期出張が急遽入ったり(笑)で、実質は1ヵ月ほどの強行スケジュールでした。プロジェクト全体を振り返って、ロフトワークはいかがでしたか?

稲木 研二様

稲木 プロジェクト進行の”緩急のつけ方”が上手いと思いました。開発期間はかなりタイトでしたが、お互いにアイデアを出し合って議論しなければならないことは、時間を潤沢に取る。資料は「がちがち」ではなく、手書き風のワイヤーフレームなど敢えて「緩め」のものを用意してくれてましたよね。そういった”緩急”は考える余裕・余地を与えてくれます。要望を伝えた後、私たちが口を挟む余地がないような提案だったら、私は満足していなかったかもしれません。その一方で、スケジュールは緻密でプロジェクト計画書も細かい。だから安心できたし、社内の関係者にも進捗を説明しやすかった。

それと、言いたいことを言い合えたことも、プロジェクトを成功させることができた要素だったと感じています。私は、さまざまな要望を遠慮なく伝えるタイプですが、水野さんも、安請け合いはせずに、難しいことは難しいと、その理由とともに素直に伝えてくれましたから。

水野 確かに、包み隠さず意見を交わすことができましたね。プラスさんの良さを最大限引き出したいと思っていたので、スタート時にはワークショップを行い、ユーザとのタッチポイントを洗い出し、マイルストーン、スコープを整理しました。実際にワイヤーフレームを書きながら情報設計を体系的に作ることが出来ましたね。あれはとても良かったと思います。

ワークショップを実施し、サイトに訪れるユーザのタッチポイントを整理した

ワイヤーフレーム1

ワイヤーフレーム2

ワイヤーフレーム3

第2フェーズでCMSをの導入、第3フェーズでソーシャルと連携、深まる両社の協業関係

水野 サイトデザインと今後のサイト拡張を見越した情報設計が今回のプロジェクトのポイントでした。デザインでは、国内サイトのトーン・テイストを踏襲せず、一から新しいデザインにチャレンジさせて頂きました。海外の方に馴染みやすいインターフェイスを意識して、写真を多用したグリッド型レイアウトを採用しましたが、いかがでしたか?

稲木 デザインは、先ほど話したように、余裕を使って意見を交わして詰められた好事例でした。表面的なデザインの善し悪しだけで評価するつもりは全くありませんが、「格好いいね」とか「インパクトがあるね」と言ってもらえるインターフェイスは、重要ですから。

クリエイティブディレクター 水野 太

水野 稲木さんは、今回のサイト開設を第1フェーズに位置付けて、第2、第3の拡張計画を頭のなかですでに描かれていますね。私もそれに合わせた情報設計と仕込みをサイトに施しました。

稲木 コンテンツを効率的に更新するためには、CMSは必須ですので、第2フェーズで取りかかりたい。第3フェーズでは、ソーシャルメディア系サービスとの連携機能の追加を考えています。ソーシャルは、情報を拡散させるためにはかなり有効なツールだと思っていますから、第3フェーズと言わず、可能な限り前倒しで進めたいですね。

水野 CMSを導入することを前提に情報設計していますし、ソーシャル系サービスとの連携で効果を発揮するために、「OGP(Open Graph protocol)」を組み込んでいますので、準備はできています。

稲木 サイトを開設して改善したいと思ったことや、第1フェーズではできなかった部分はたくさんありますから、ロフトワークさんにはまだまだ付き合ってもらいますよ。日本のワークスタイルを発信して海外でもっと「PLUS」のブランドを高めたい。そのためにWebサイトを進化させますので、よろしくお願いします。

水野 こちらこそよろしくお願いします。本日はありがとうございました!

※内容やお客様情報、担当ディレクター情報は本記事公開時点のものです。現在は異なる可能性があります。

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