クオリカ株式会社 PROJECT

キーカラーを効果的に使ったデザインでクオリカらしさを表現

インバウンドマーケティング・運用体制の強化を目的にCMS「NOREN」を導入

製造業、流通・サービス業に強みを持つITソリューションプロバイダーのクオリカ株式会社は、2008年に業界トップクラスのITホールディングスグループの一員となり、グループ各社との連携による総合力を強化。業務知識・ノウハウを生かしたITサービスを提供。お客様の多岐にわたる要望に応えています。

同社がサイトリニューアルの検討に乗り出した頃、グループ会社がCMSの「NOREN」を導入。背中を押される形で同CMSの導入を決め、プロジェクトが一気に動き出しました。CMS導入で得たものは何だったのか?そこにはどんなエピソードがあったのか?プロジェクトを担当したロフトワークのクリエイティブディレクター実本慶子が、クオリカの倉谷有紀氏、酒泉友香氏に伺いました。

実本(ロフトワーク) CMS導入の背景にはどんな課題があったのでしょう?

クオリカ株式会社 経営企画部 酒泉友香様

酒泉(クオリカ) 以前は運用会社にWordやExcelで作った修正指示を渡してページ更新を依頼していました。新規にコンテンツを作る場合は、各製品担当の判断で別々の制作会社に発注。結果、見た目もナビゲーションもバラバラ。目的の情報は探せないし、問い合わせしようにも窓口が見つからない。本来は上にあるべき情報が下にあったり、昔のモニターに合わせた幅の狭い古いデザインだったりで、画面も有効活用できていませんでした。

倉谷(クオリカ) 一方で2011年の経営ビジョンに基づき、サービスを主体としたビジネスモデルへの転換を図るには、営業チャネルとしてWebサイトをもっと活用していく必要がありました。2004年から放ったらかし、そろそろ変えようという話も出ていたのですが、きっかけの1つになったのが、更新予算の都合で月2回しか更新できなかったことです。さすがにこれでは機動力に欠ける。自分で更新できればやりたい人がすぐにできます。それでCMSを入れるという話になりました。

インバウンドマーケティング強化を目指した戦略的リニューアルプロジェクトがスタート

実本 CMSはグループ全体で統一する方針のもと、最初からNORENで進める計画だったのでしょうか?

クオリカ株式会社 経営企画部 副部長 倉谷有紀様

倉谷 いえ、フリーのツールも含め20製品くらいを検討しました。比較したのは主に機能と価格、ユーザー数、導入事例。特にどんな企業が使っているかは重要です。NORENは当社には少々オーバースペックなイメージもありましたが、機能の拡張性が決め手となりました。誰でも簡単に更新ができ、ワークフローの設定もしっかりとできるので使い勝手には全く問題がないと思いました。

実本 いざプロジェクトが始まってみると、商材の点数が意外に多い上に多岐にわたり、まずは情報整理からでしたね。既存のカテゴリー分けも含めて整理し直し、タブ形式で目的別、業界別に見られるようにご提案しました。デザインについては、サービス展開において重要なターゲットとなる中小企業のお客様を意識。写真やイラストを使いながら全体的にわかりやすく、やわらかいイメージを表現しました。

酒泉 パッと見て意図したとおりに情報が伝わり、最終的に問い合わせに到達してもらえるサイトが目標ですから、情報整理は重要なプロセスでした。デザイン面では視認性の悪さを改善し、当社のキーカラーの緑をほどよく残しつつ、新しさを出したいと考えていました。複数提案いただいたデザインは、社内のキーパーソンの意見も聞きつつ選定。ビジョンや社名の由来からイメージをうまく引き出してもらえたので、すんなり決まりました。

むしろ大変だったのは、CMSの移行作業です。今後の練習も兼ねて現場の担当者と分担する予定だったのですが、Webに対する社内の意識がまだまだ低く、思うように捗らなかったのです。結局、当社がやるはずだった作業をロフトワークにも支援していただきました。更新量が多すぎたので、実本さんに優先順位付けと作業のフェーズ分けをしっかりとしていただき、無事に移行作業を終えることができました。

実本 移行作業はどこかで線を引かないといけませんから、優先順位を付けて割り切って進めるのも大切なことだと思います。

Webに対する社内の意識が劇的に変化!

実本 公開して半年が経ちますが、成果は見え始めていますか?

酒泉 セミナー情報を中心にタイムリーに情報発信がされるようになり、製品紹介ページも徐々に増えています。Webサイトが動いている実感があります。現場の担当者が積極的に更新しているところを見ると、自らWebサイトに関われる環境が当たり前になりつつあるのでしょう。これこそ、CMSを入れた効果です。

倉谷 たとえばセミナー情報なら必要な項目に情報を記入するだけで更新できますし、更新頻度は確実に上がっています。新規コンテンツを作る場合も、特に指定しなければ標準デザインが適用されますから、デザインの統一感がないページになる心配もありません。最終ゴールの問い合わせにつながるかどうかは継続的に見守っていく必要がありますが、当社の場合、新しくしたから即効果が出るものでもないと考えています。マーケティング活動とセットでどうなるか。この先タイミングを見て広告を仕掛けていくつもりです。

実本 今後考えられている挑戦など、何かありますか?

酒泉 今回やってみないとわからなかったことが多々あります。これがあると良かったな、これは見落としていたなという気づきを溜めておき、どこかでマイナーチェンジをかけたいと思っています。

実本 現場の意見も吸い上げながらサイトをチューニングし、流入数を増やしていけるといいですね。本日はありがとうございました。

※内容やお客様情報、担当ディレクター情報は本記事公開時点のものです。現在は異なる可能性があります。

実本 慶子

株式会社ロフトワーク
経営企画, CIO

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