株式会社Z会 PROJECT

漢字教育士資格認定講座プロモーションサイト

新設の資格「漢字教育士」 認知拡大に向けプロモーションサイトの制作に着手

通信教育事業、教育事業、出版事業、模擬試験の運営を手がける株式会社Z会。同社がこだわるのは、将来においても活用できる「本物の学力」の養成です。2013年3月18日、立命館大学と共同で開講したWeb通信講座「漢字教育士資格認定講座」もそのひとつ。漢字の成り立ちから歴史背景までを体系的に学び、漢字の「教える力」を身に付けた漢字教育士を目指すものです。

漢字教育士資格認定講座サイト

そんな漢字教育士の資格取得に向けたWeb講座の開講に伴い、資格そのものの認知を図るためにプロモーションサイトを構築。サイト制作を支援したロフトワークのクリエイティブディレクター井上哲孝が、株式会社Z会 国語力研究所 セカンドステージプロジェクトの宮崎久和氏、同教材編集部編集支援課 編集担当の大谷智朗氏のお二人に、同サイトに込められた思いを伺いました。

井上(ロフトワーク):今回、どのような経緯で新たにWeb講座を開設したのですか?

Z会 国語力研究所 セカンドステージプロジェクト 宮崎 久和氏

宮崎(Z会):いくつかのWeb講座を開設しようと企画・調査をしていた中で、人生のセカンドステージに向けて新たに何か力を身につけたいと思っている中高年の方々を対象にした講座をつくるのはどうかと思いました。漢字教育士の講座は、立命館大学が1年前からやっていて、提供コンテンツにふさわしいと判断、縁もあって共同でWeb講座を開講することとなりました。

井上:出来たばかりで、資格自体の認知がまだ低い中、ターゲットの設定に苦労されたのではないでしょうか?

宮崎:資格について広く知ってもらうためにプロモーションサイトはマストでした。当初は小学校の先生をコアターゲットに考えていたのですが、先生方は普段の業務に追われ資格取得の時間がなかなかとれないという実情がありました。そこでまずは事業基盤を固める意味でも、コミュニケーションのコアターゲットを社会貢献やボランティアに関心の高い層に変更することにしました。

大谷:漢字教育士の資格取得に時間とお金を使って、自身の能力を高めたいと思うのは誰だろう?と、サイト像を具体化するために議論を重ねました。その結果、定年後何らかの社会貢献を考えている65歳以上の男性をメインターゲットとし、子育てを終えた45歳以上の女性、大学生などをサブターゲットとして設定しました。

漢字の伝統的なイメージと新しさを両立するデザインを実現

株式会社ロフトワーク クリエイティブディレクター 井上 哲孝

井上:今回の肝になったのはデザインです。コンセプトは「言葉に敬意を表し大切に扱う」。訴求点として上がっていた、漢字がもつ「伝統・格式」と漢字教育士という「新しい資格」の2つを、融合させる必要がありました。そこで、古すぎず新しすぎず中庸を表現するために、デザイナーと何度もやり取りをして色彩やフォント、余白の使い方など詳細を調整していきました。当社のデザイン提案はいかがでしたか?

株式会社Z会 教材編集部 編集支援課 編集担当 大谷 智朗氏

大谷:いい意味で期待を裏切るデザインが出てきて、新鮮で面白かったです。緑でもない青でもない絶妙な差し色が見事に新しさを表現していて、これまでの教材ではあまり使ったことのない色の組み合わせに不思議なやわらかさを感じました。

宮崎:ロフトワークの提案には新しい発見がありますね。プロジェクトがスタートした当初、井上さんが帰国子女だと聞いて、失礼ながら日本語、ましてや「漢字」の知識は大丈夫なのか?と不安もありましたが(笑)、逆にそんな井上さんだったからこそ、新しさを演出できたのでしょう。

井上:Webサイトはゴシック系のフォントが多いのですが、1ページの文字量を意識的に抑えたことで明朝系の文字が映え、漢字の伝統的なイメージが生きてくるデザインに仕上げることができました。

大谷:情報量を最小限にして、必要に応じてコンテンツの階層を下げる構造にしたのも良かったと思います。コピーも伝えたいことが明確になるように何度も議論を重ね時間をかけてかなり丁寧に作っていきましたね。

目標達成に向け順調な滑り出し!PDCAのための改善施策も提案

井上:PVや申込件数などの具体的な目標を立てていましたが、リリース後の反響はどうですか?

宮崎:初年度の申込件数の目標は500。現在約300人強の受講生がいます。そのうちの約半数は団体受講の方々で、残り半数が一般の個人受講者です。今後は後者をもっと増やしていく予定です。

井上:今回、リリース後1ヵ月後、3ヵ月後とアクセス解析レポートを作成して効果測定とそこから課題を抽出しました。

アクセス解析から「ユーザ」「トラフィック」「コンテンツ」の軸で課題を抽出し流入施策とUIについて、改善施策をご提案しました。具体的には新規ユーザの流入を増やすため、テキストやディスクリプションタグを最適化させるSEO内部施策の実施。TopページのUI改善と、漢字の歴史や由来など漢字自体に興味を持ってもらえるようなコンテンツを作成して直帰率や離脱率を下げるための施策をご提案しました。

宮崎:改善施策は新しい気づきも多く、とても助かりました。漢字マーケットの潜在需要は大きいので、そこに対して適切なコミュニケーションを実施していく必要があると感じました。現在は「教える力がつきますよ!」というメッセージの強いサイトになっていますが、必ずしも教えることを目標にしなくてもいい。井上さんの提案を受け、漢字の奥深さを突き詰めてみたい人たちが共感できるコンテンツを作ろうと、コラムの準備を進めているところです。

井上:当面はPDCAを回しながら知恵を出し合い、潜在需要に働きかけていくことになりそうですね。

宮崎:インターネット上で漢字の成り立ちをここまで深く学べる機会は、今のところ他にはありません。実際学んでいる人たちの満足度は結構高いです。だからこそ、早め早めのテコ入れでサイトをきちんと育てていきたいと考えています。

※内容やお客様情報、担当ディレクター情報は本記事公開時点のものです。現在は異なる可能性があります。

お客様の声

株式会社Z会国語力研究所 セカンドステージプロジェクト
宮崎 久和氏

ロフトワークの提案には新しい発見がありますね。プロジェクトがスタートした当初、井上さんが帰国子女だと聞いて、失礼ながら日本語、ましてや「漢字」の知識は大丈夫なのか?と不安もありましたが(笑)、今となっては井上さんだったからこそ、新しさを演出できたのでしょう。現在は、井上さんの提案を受け、漢字の奥深さを突き詰めてみたい人たちが共感できるコンテンツを作ろうと、コラムの準備を進めているところです。

株式会社Z会教材編集部 編集支援課 編集担当
大谷 智朗氏

当社からは黒と濃い茶色を使い、彩度を高めてほしいという2点をお伝えしただけでしたが、いい意味で期待を裏切るデザインが出てきて、新鮮で面白かったです。特に、緑でもない青でもない差し色が見事に新しさを表現していて、教材ではあまり使わない色の組み合わせに不思議なやわらかさを感じました。また、1ページの文字量を意識的に抑えたことで、明朝系の文字が映え、漢字の伝統的なイメージが生きてくるデザインに仕上だと思います。

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