株式会社アクセルスペース PROJECT

宇宙や衛生を利用するきっかけに。
新規プロジェクトの足がかりを作る動画制作

宇宙や衛星を利用することを当たり前の世界にしたい!その一歩を踏み出す動画を制作

重さ100kg以下の超小型人工衛星の設計開発を中心事業とする、世界的に見ても珍しいベンチャー企業、株式会社アクセルスペース。“宇宙を利用する”という視点で、お客様と共に新しい問題解決のあり方を探る同社は、より多くの人に、宇宙を夢物語ではなく手の届く世界として認識してもらおうと、Webサイトに掲載する動画を制作。

その制作に協力したのが、多様なクリエイティブを通じてイノベーションの実現を支援するロフトワークです。プロジェクトを通じてすっかり宇宙の虜になったというクリエイティブディレクター井上哲孝が、動画開発のプロセスを振り返りつつ、株式会社アクセルスペース 代表取締役 中村友哉氏の宇宙事業にかける熱い思いに迫りました。

井上(ロフトワーク) 宇宙事業を紹介する上で、動画に着目された理由を教えてください。

中村(アクセルスペース) 宇宙は目的ではなく手段でしかない。宇宙や衛星を利用することを当たり前の世界にしていきたいというのが我々の起業の目的です。でも、まだまだ宇宙や衛星を自分事として捉えている人はほんの一握り。スケールが大き過ぎて拒絶反応を示されることも少なくありません。まずは知ってもらうところからのスタートになるので、眺めているだけでなんとなく雰囲気がつかめるようなツールが欲しかったのです。

株式会社アクセルスペース 代表取締役 中村 友哉氏

井上 どのような仕上がりをイメージされていましたか?

中村 幅広くいろんな人たちの興味を喚起することも必要ですが、一番のターゲットは、やはり現場で宇宙を利用してみよう、このツールを使って上司にかけあってみようと考えていただけるような方です。ですから、これを見て何かを感じてもらい、宇宙を利用することでビジネスの幅が拡がることを伝えたいと考えました。

宇宙の視点に立って考え、表現一つにもこだわりながら何をどう伝えるべきかを模索

共同でイベントも開催

井上 制作パートナーの選定にあたってはどのような点を重視されましたか?

中村 別件でロフトワークを知る機会があり、面白い会社だなという印象は持っていました。当社には動画制作のスキルや経験がありません。単にこちらの指示や台本どおりに映像化するのではなく、一から一緒に考え、創り上げていける会社である点を評価しました。また、宇宙の様々な利用を促進するアイデア部分を一緒に考えてくれるパートナーとしても期待しました。

井上 プロジェクトがスタートすると同時に、私自身も夢がどんどん膨らんでいきました。やれることがいろいろあり、何をどう整理し、どう映像に落としていくべきか、非常に悩みました。宇宙に「行く」だけでなく「利用する」ことを考えるには、単なる宇宙ファンの視点ではダメ。自分が宇宙の視点に立って物事を考えてみないとビジネスには落とし込めないということに気付きました。

クリエイティブディレクター 井上 哲孝

目指したのは、ビジネスマンが宇宙を利用してビジネスを始めたくなるような動画です。制作にあたっては、実際の動きや絵を見ないとイメージがつかみにくいので、構成の段階で絵コンテだけでなく、ナレーションを含めたビデオコンテを制作し、齟齬のないよう進めました。またナレーションについても、一つ表現を間違えると曲解して伝わってしまう可能性があるため、伝えたいことがどうすれば正確に伝わるのかを繰り返し議論していきました。

制作中のビデオコンテ(左)と完成した映像(右)

中村 ビデオコンテはただ絵が並んでいるだけより非常にわかりやすく、新しいアイデアや意見も出てきました。これをベースにずいぶんやりとりしましたよね。

わかりやすく見やすい動画が完成し、新規プロジェクトへの足がかりとなることを期待

井上 完成した動画をご覧になった印象はいかがでしたか?

中村 言いたいことがわかりやすくまとめられており、かしこまらなくても見やすい動画が完成して満足しています。最初に想像していたものと非常に近いものが出来ました。

井上 今回ナレーションにナレーターではなく敢えて役者を起用したのは、ちょっとしたこだわりです。同じフレーズでも感情の入れ方で、伝わり方はがらっとかわります。大事なフレーズが見るの心にきちんと響くように、中村さんたちの思いに寄り添って読ませたかったからです。動画の反響はいかがですか?

中村 動画自体の効果を直接測定するのは難しいですし、いきなり新規プロジェクトにつながることはないですが、非常に多くの方々が見てくださっていて好評です。トップページでクリックすれば気軽に再生できるので、動画を見た人が詳細ページへ遷移していく流れができ、その中から1人でも2人でもコンタクトしてくれる人が増えてくれるといいですね。実際コンタクトは増えていますよ。

井上 それは嬉しいですね。今後当社に期待されることは何かありますか?

中村 宇宙はそもそも未知のものだし、我々自身もどんな方向に行くのかわかりません。どうなるかわからないものを創り上げていく過程が面白いわけで、そういうところにこそロフトワークのパワーが発揮されるのではないでしょうか。未来、イノベーションなど、宇宙につながるキーワードはいろいろあるので、引き続きイベントやワークショップなどでも、どんなことをやったらよいか一緒に考えていけるといいですね。宇宙を使ってこんなことをやりましょうよ!というアイデアも大歓迎です。

井上 当社が現在チャレンジしているいろんなことが御社の事業と紐づいて、そこから何かが生まれることもあるかもしれません。知れば知るほどわくわくするこの感覚を楽しみながら、貪欲にいろんな可能性を探っていきたいと思います。

制作メンバー

企画:井上哲孝、重松佑(ロフトワーク)
脚本:河方創、井上哲孝(ロフトワーク)
ディレクション:井上哲孝(ロフトワーク)
イラスト/アニメーション:中原聡一郎 (http://soichironakahara.com/)
ナレーション:野口雄介(スターダス21所属:http://www.stardas21.com/

※内容やお客様情報、担当ディレクター情報は本記事公開時点のものです。現在は異なる可能性があります。

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