コクヨのヨコク研究所による、韓国各地の自律協働の兆しを探る書籍
『YOKOKU Field Notes #02 韓国・勝ち敗けのあわい』が発売
ロフトワークが、韓国におけるリサーチ活動のディレクションと企画制作を担当
ロフトワークが企画・制作に携わった、コクヨ株式会社による書籍、『YOKOKU Field Notes #02 韓国・勝ち敗けのあわい』が2024年3月12日に発売されました。
『YOKOKU Field Notes #02 韓国・勝ち敗けのあわい』は、コクヨ株式会社のヨコク研究所が発刊した、地域の個別の事例から「自律協働社会」の兆しを探索する書籍です。
ルーツの構築性をテーマに台湾各地に芽生える営みを紹介した01号に続き、02号の本書では、競争原理や能力主義が席巻する今日の韓国社会をフィールドにしています。リサーチの問いは、競争が枕詞になって久しい「教育」や「経済活動」の分野のみにとどまらず、「地域間格差」「遺伝情報としての種子の市場価値」「国家間の友敵関係」までもをその射程に収めます。“勝ち/敗け”というフレームを脱して世界を作り変えようとする、韓国各地の6つの自律的・協働的な取り組みに注目する一冊です。
本書籍では、ヨコク研究所メンバーと協働し、ロフトワークの堤大樹、村上航、小池陽香の3名が企画制作、コンテンツディレクション・リサーチディレクションを担当しました。
書籍は、全国の独立系書店等及びAmazon.co.jpで購入が可能です。ぜひお手にとってご覧ください。
『YOKOKU Field Notes #02 韓国・勝ち敗けのあわい』概要
〈YOKOKU FIeld Notes〉は、コクヨが目指す「自律協働社会」の兆しを個別の地域から探索するヨコク研究所のリサーチ活動とそのレポートです。
同じ時代を異なる環境条件で生きる人々の中に身を投じ、現地での取材を通じてその営みの断片にふれることで、既存のシステムや規範をかいくぐるオルタナティブな社会のあり方を探り、問い直すことを目的としています。
〈YOKOKU Field Notes〉シリーズ第2弾となる本書では、競争の原理や能力主義の志向が強い韓国社会をフィールドに、「勝ち敗けのあわい」を問いの切り口として、6つの活動を巡ります。韓国各地に点在する新たな営みの断片を捉え、人々が不本意な他律的基準に巻き取られることなく、主体のままで他者に揉まれながら共存するための構えを考える一冊です。
- 〈Library tTsome〉京畿道 城南市 中院区
12~19歳の青少年に無料のサードプレイスを提供する施設公共図書館 - 〈ソウル鉛筆〉ソウル特別市 鍾路区
対話や読解、廃棄物を使った遊びから子どもの自律性を養う組織 - 〈南海尚州 同苦同楽協同組合〉慶尚南道 南海郡 尚州面
村を一単位として文化と経済の循環をめさす協同組合 - 〈穀物集〉忠清南道 公州市 鳳凰洞
在来穀物を介して持続可能な食文化を次世代に手渡すコレクテイブ - 〈1 Euro Project〉ソウル特別市 城東区
地域と商業の関係を問い直す小商いの複合施設 - 〈DMZ SPACE〉京畿道 波州市 郡内面
非武装地帯の森から新たな農林業と観光のあり方を提示する6次産業プロジェクト
目次
◎ リサーチの概要
リサーチを紐解くキーワード
「勝ち敗けのあわい」を探る6つのケース・スタディ
◎本編
事例1:Library tTsome / ソウル鉛筆
京幾道、放課後のアジール
事例2:南海尚州同苦同楽協同組合
協同組合が育てる“蓄積しない”村のエコシステム
事例3:穀物集
蒔きなおされる種──「市場」と「保存」の畝のすきま
事例4:1 Euro Project
廃ビルと商店からはじめる、健全なジェントリフィケーション
事例5:DMZ SPACE
地図に依らない生──森、観光、DMZ
◎コラム
競争社会を越えて、世界に応答せよ!(鳥羽和久)
韓国の葬儀と家族、その変化と不変の間(金セッピョル)
なかったところに線を引くためのレッスン(斎藤真理子)
◎編集後話
制作チームクレジット
[発行人] 黒田英邦
[発行所] コクヨ株式会社
[リサーチ・執筆] 工藤沙希、田中康寛 (ヨコク研究所)
[企画・制作] 株式会社ロフトワーク
[コンテンツディレクション] 堤大樹、村上航、小池陽香 (ロフトワーク)
[リサーチディレクション] 堤大樹、村上航 (ロフトワーク)
[リサーチアシスタント・翻訳] パク・チオン
[通訳] イ・ジンヒョン、チョン・ユソン
[編集] 堤大樹 (ロフトワーク)、工藤沙希 (ヨコク研究所)
[コラム執筆] 金セッピョル、斎藤真理子、鳥羽和久
[アートディレクション・デザイン] 野村一声(Tyle)
[写真] ドンイル・キム、吉田亮人
[校正・校閲] 株式会社鷗来堂
[印刷] 株式会社シナノパブリッシングプレス
書籍概要
『YOKOKU Field Notes #02 韓国・勝ち敗けのあわい』
ヨコク研究所とは
未来社会のオルタナティブを研究・実践する、コクヨ株式会社のリサーチ&デザインラボ。「ワクワクする未来のワークとライフをヨコクする」というコクヨのパーパスの下、「リサーチ」「プロトタイピング」「エンパワメント」を活動の中心においています。指針となる未来シナリオを更新しながら、発信によって生まれたコミュニティと共に新たな社会像をつくり上げます。
https://yokoku.kokuyo.co.jp/
コクヨが考える「自律協働社会」
コクヨは、個々の価値観と行動が尊重されながら、人と人との関わり合いも大切にされる社会の構築が必要であると考えます。誰もがいきいきと暮らす未来に求められるものは、「自由な個人」と「協調的なつながり」とが共に成り立つ舞台です。一人ひとりの個性が尊重され自由な発想で輝くことができる。他者と互いの価値観を尊重し合い、共に発展していく。人やモノ、環境がフラットにつながることで、社会をよりよくするための協働があちこちで生まれる。コクヨはこのようなワクワクする未来を体現する「自律協働社会」の実現を目指します。
お問合せ
YFN書籍取扱窓口 yokoku_order@kokuyo.com
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