コーポレートサイトリニューアル
ワークショップで可視化したユーザー目線の導線確保と更新効率の向上
社風に合わせたデザインとCMSによる更新作業の操作性を求め、リニューアルを決意
写真のプリントサービスや体験イベントなどを通じ、人の思い出をカタチにしていく株式会社コイデカメラ。更新性や複雑な導線など、今後のWebを中心とした受注を見据えた上での課題点を、CMSの刷新と共にリニューアル。さらに現在の社風に合ったデザインへのアップデートを図りました。
その結果、ユーザーの需要にマッチしたサービス提供や現場のスタッフによる更新作業を実現。モバイル端末からのアクセスも増加し、社員のWebに対する意識向上しました。
プロジェクトのプロセス
Webサイトの継続的な成長に欠かせない更新性の向上が最大の課題
河方(ロフトワーク):リニューアルの経緯をお聞かせください。
小出(コイデカメラ):旧サイトのデザインは今のコイデカメラの社風に合っていませんでした。さらに、CMSが古いために非効率な更新作業を続けていました。この2点の改善が大きな動機です。その他に、ネットプリントサービスへの導線がわかりづらいことや、スマートフォン対応の必要性も課題に挙がっていました。
河方:貴社にとってのWebサイトとはどういった位置づけなのでしょうか?
小出:大変重要な位置づけです。現在、店舗でのプリント注文を、ネットからの注文にシフトしていこうとしています。店舗での注文ももちろん嬉しいのですが、店舗運営を含めた業務プロセス全体の効率を考えて、ネットからの注文を3割程度まで増やしたいと考えています。
河方:リニューアルで重視したポイントは?
小出:この先のWebサイトの成長と可能性を考えたとき、一番のネックがCMSの更新性でした。ロフトワークから勧められるまでconcrete5はよく知らなかったのですが、直感的に使える点が決め手になりました。
矢橋(ロフトワーク):ご予算はもちろん、現状の課題やコーポレートサイトであることを踏まえ、構造的にconcrete5が最適だと判断してご提案しました。
現場の課題やWebサイトの役割についてワークショップ形式で徹底的に議論
河方:Webサイトを方向づける上で欠かせなかったのが、ワークショップとユーザインタビューです。はじめはネットプリントに注力したいというお話でしたが、ネットプリントの需要は未知数ですし、一番の強みはネットプリントではないかもしれない。そこを検証するためにも、ワークショップとユーザインタビューをセットで実施する設計にしました。
小出:制作会社をロフトワークに決めたのは、Web以外のことも考えて提案してもらえるだろうと期待したからですが、その一つがこのワークショップとユーザインタビューでした。
河方:改善に前向きな店舗スタッフを集め、ワークショップ1回目は店舗の課題と解決策、2回目はWebサイトに必要なコンテンツについて議論。課題に対しWebサイトでどんな改善協力ができるかを考えていきました。ワークショップでわかったのは、Webサイトのみで解決できる課題が一つもないこと。店舗とWebサイトとの連携で解決すべきことがほとんどでした。中でも、各店舗で注力したいこととして一致していたのがイベントでした。
河方:店舗スタッフがやりたいことと、お客様が望んでいることがつながり、クリエイティブコンセプトは「体験」しかないと確信しました。ネットプリントを利用してもらうには、「写真をプリントしたい!」という気持ちを喚起する場やプロセスが不可欠です。そこで、まずイベントの情報発信に重点を置き、リアルなプリント体験をきっかけに、ネットプリントの利用につなげていくというゴールを描いたのです。
核になるコンセプトが決まり、今まではどこにあるかわからなかったイベント情報を主要な導線に位置付け、情報設計を進めていきました。具体的には、一番にイベントが目につくようにし、続いてメインターゲット(0~3歳児の子を持つ主婦)のニーズに応える多様なサービスを見せていく流れです。
小出:デザインについては即決でした。ロフトワークは社内に実制作部隊を持たないディレクター集団です。大規模なクリエイティブネットワークを使って、当社に最適なデザインを提案してくれるだろうし、方向性の異なる提案にも対応してくれるだろうと考えていました。実際、期待どおりでしたね。
プロジェクトの成果とこれから
河方:公開後の反応はいかがですか?
小出:店舗から否定的な意見は一つもなく、外部からは、あまりの変化に驚いたとの声もいただきました。大成功です。いい意味で頑固で妥協のない河方さんにとことん付き合い、設計段階で練りに練ったのが功を奏しました。
河方:ビジネス成果は感じていますか?
小出:イベントの数が約5倍に急増し、更新が追いつかないほどです。また、イベントページを中心にスタッフによる更新も始まっており、コンテンツの更新頻度も増えつつあります。今まで店舗のことに必死だったスタッフがWebサイトを意識するようになったのは大きな変化です。求められている情報への導線がわかりやすくなったことで店舗への問い合わせが減り、うれしいことに売上も伸び始めています。
河方:スマートフォン対応に対する効果はいかがですか?
小出:去年はPCからのアクセスが多かったのですが、リニューアル後1ヵ月でモバイルからのアクセスが全体の7割まで伸びました。
河方:よかったです。スマートフォンに対応した成果がしっかり表れましたね。最後に、今後の展望をお聞かせください。
小出:重要なのは、イベントを開催することではなく、プリントの需要につなげること。写真プリント業界の衰退が囁かれる厳しい時代だからこそ、面白い時代とも言えます。まだまだ当社にできることがあるはずです。コンテンツをどんどん投入すると共に、SNS活用を実現し、店舗スタッフのモチベーションアップに寄与していきたいと考えています。
矢橋:リニューアルがビジネスにどう貢献できるかという難しいテーマでしたが、会社がサステナブルに発展していく上での核になるものを発見し、いい形でスタートが切れました。
河方:今後は、人が働いている場所をどう変えるか、というチャレンジもありそうですね。
関連リンク
お客様の声
株式会社コイデカメラ業務部 Webシステム担当マネージャー
小出 泰久氏
イベントの数が約5倍に急増し、更新が追いつかないほどです。また、スタッフによる更新も始まっており、コンテンツの更新頻度も増えつつあります。今まで店舗のことに必死だったスタッフがWebサイトを意識するようになったのは大きな変化で、うれしいことに売上も伸び始めています。いい意味で頑固で妥協のない河方さんにとことん付き合い、設計段階で練りに練ったのが功を奏しました。