FINDING
岩崎 諒子 2023.09.26

いいコンテンツ、価値あるコンテンツってなんだ?を
オープンに話そう [Editor’s Note]

誰かと話したくなる季節、
企業のコンテンツ編集について語りあう場をひらきます

こんにちは。Loftwork.com 編集部の岩崎です。長い酷暑を乗り越え、東京にもようやく秋らしい空気が流れはじめました。

秋になると、人と会いたくなる・話したくなるのか、面白そうなイベントが各所で開催されますね。ロフトワークでもさまざまな「会う」イベントを企画しています。その中のひとつが、来る9月29日に開催する、企業のコンテンツ編集に携わる人たちのミートアップ〈カイシャの編集会議〉です。

9/29(金)開催、カイシャの編集会議

「これからのコンテンツが提供できる価値は何か?」を語り合うミートアップ「カイシャの編集会議」。ブランディングやマーケティングの視点から、コンテンツ運用を通じてより中長期的な価値を生み出すには、どうすればいいのか? ロフトワークと編集チーム Huuuu・くいしん社のメンバーが集い、皆さんと一緒にこれからの〈いいコンテンツ〉をつくるための実践方法について議論します。

>>イベントの詳細

一緒に企画するのは、地域を軸とした編集チームとして、メディアのプロデュースからコンテンツ企画・編集をトータルで手がけている、Huuuuの友光だんごさん・藤原正賢さん。インタビューにおいて、取材対象との深い会話を通して人物の「真芯」の部分を引き出すことを得意とする、くいしんさん。

toCメディアでコンテンツを手がけているイメージがある二社ですが、実は、toBコンテンツの仕事や企業のブランディング関連の仕事も数多く手がけています。toCとtoBを行き来しながら、「面白い・読みたくなるコンテンツ」をつくり続けてきたお三方から、企業の中でコンテンツづくりをしている私たちが学ぶべきことは、たくさんあるはず。

そこで、私たちから「一緒にイベントをやりませんか?」とお願いして、三社で話し合いながら、ようやくかたちになったのが、今回の〈カイシャの編集会議〉。いま、企業が価値あるコンテンツを発信するとはどういうことか、という問いについて「オープンでみんなで話し、考える会」です。

以下の3つのトピックを起点に、参加するみなさんと一緒にディスカッションしていければと思います。

ここではミートアップに先駆けて、編集のプロフェッショナルである二社の魅力について、私個人の見解を交えながら紹介します。参加を予定している方はもちろん、日頃から企業が発信する「いいコンテンツ」「面白いコンテンツ」とは何か?を考えている方に、一読してもらえたら嬉しいです。

「また読みたくなる」ブランディングコンテンツってなんだ?

私から見たHuuuuの強さは、彼ら自身の「脚」と「生の交流」によって、世の中でまだ光が当たっていない「面白さ」を地域の中から発掘し、それをきちんと読み手に届けていること。そのリサーチ力と編集技術の高さは、尊敬のひとことに尽きます。

Huuuu Inc. Webサイトより

Huuuuには、創業者の柿次郎さん・友光さんをはじめ、編集を担当するメンバーが築き上げてきた「絶対に面白いコンテンツをつくるチームである」という強固なブランドイメージがあります。さらに、彼らが手掛けるコンテンツは面白いだけではなく、取材対象一人ひとりの活動を地域や社会のスケールの中でとらえながら、丁寧に表現しようとしている。その一貫した姿勢が記事の読後感のよさにもつながっており、読み手に元気を与え「また読みたい」と感じさせてくれるのです。

このような読者体験を提供できるのは、編集者が取材対象となる地域や人をコンテンツとして消費するのではなく、コンテンツをつくることによって「未来の新しい出会いにつなげること」を強く意識しているからなんじゃないか、と想像しています。その丁寧かつ真摯な姿勢こそが、彼らが手掛ける仕事の魅力の土台にあるのではないか。

そんな彼らの編集が、ブランドコミュニケーションという領域ではどのように力を発揮するのか、気になるのは私だけではないはず。そこで〈カイシャの編集会議〉では、Huuuuの友光さん・藤原さんに、彼らが手掛けた企業や地域のブランドコミュニケーション事例に絞って、お話をしてもらいます。

「ちゃんと面白い」インタビューってなんだ?

企業のコンテンツ担当者の中でも、インタビュー記事をつくったことがある方は多いのではないでしょうか? インタビューコンテンツは企画・編集に手をつけやすい一方で、企業目線だけで作ると「読まれにくい・読了されにくいもの」に陥りがちです。

そんな難しさがあるインタビューを「面白くて読まれるコンテンツ」にしてくれるのが、私たちもとてもお世話になっている、くいしんさんです。くいしんさんは、ロフトワークが2022年から1年間行っていた、インタビュー連載「Loftwork is…」の企画・編集を伴走してくれました。

インタビューシリーズ「Loftwork is...」を一緒に制作した、くいしん社のくいしんさん(一番右)、小山内さん(左から2番目)と、ロフトワークの編集チーム

「読まれた」という実感は、単純にアクセス数のみから得られるものではありません。

「Loftwork is…」の場合は、特に採用に対して大きなインパクトを与えました。ロフトワークで採用人事を担当するメンバーによれば、面接を通過した人の多くが「『Loftwork is…』の記事を読んだ」と言い、さらに「○○さんの話に共感した」と記事の中身にまで言及していたとのこと。記事が「ロフトワークではたらいてみたい」という気持ちを後押しすることにつながったのです。

さらに「Loftwork is…」を連載した意義は、採用への効果だけではありませんでした。全10回のインタビューを通して、ロフトワークではたらく私たちがクリエイティブなものとしてとらえているものが何なのか、何のためにはたらいているのかという抽象度の高い問いに対し、ともに企画・編集をしてきた編集チームの中で一定のイメージを共有できました。これは、私たちのその後の仕事に大きな影響を与える、かけがえのない経験でした。

くいしんさんによるインタビューがなぜ面白いのか、なぜ印象に残るのか。〈カイシャの編集会議〉では、その秘密も探っていきたいと思います。

9月29日、〈カイシャの編集会議〉で、みんなで話したい

この原稿を書きながら、〈カイシャの編集会議〉は、企業の中で編集というポジションにいる私自身が、プロフェッショナルの編集者たちに聞きたいことを聞くという「私にとって得」な場なのかもしれないなと思いつつ、近い立場にいるみなさんにとっても必ず楽しくてためになる場になるはず! そんな気持ちで、編集チーム一同、鋭意準備を進めています。

Huuuuの友光さん・藤原さん、そして、くいしんさんに会いに、ぜひ足を運んでもらえたら。もちろん、ロフトワークのメンバーもがんばります。みなさんとお話しできることを楽しみにしてます!

執筆:岩崎 諒子/Loftwork.com編集部
キービジュアル:添田 奈那

Keywords

Next Contents

The KYOTO Shinbun’s Reportage
京都新聞論説委員が見る京都ルポ「課題の価値」