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後閑 裕太朗 2021.09.08

新卒1年目が体験する、飛騨ワーケーション+ミニ合宿

こんにちは!今年度からロフトワークに新卒で入社したマーケティングの後閑(ごかん)と申します。普段はこのサイトの記事の執筆・編集などを行っています。

入社から数ヶ月。マーケティングという部署で、会社の魅力を発信するためには社内と社外の動きを理解しなければなりません。しかし、リモート中心の働き方にはどうしても限界があります。さらには、ふとした時に「こうして働いていれば、それでいいんだっけ?」と漠然とした閉塞感や先の見えない不安も抱えていました。

そんな折、希望者で社内ミニ合宿を行うという報せが届きます。動機として「こういう学びを得たい!」などのはっきりとした目的はありませんでしたが、「行くべきだ」という直感やプロジェクトが動く現場をみたいという思いから申し込み、参加することになりました。

向かう先は、飛騨の森でクマは踊る(通称:ヒダクマ)がある飛騨古川。自分はここでミニ合宿とともに、現場だからこそできる取材やワーケーションを行いました。今回はその4日間の様子をレポートとしてお届けします。

後閑 裕太朗

Author後閑 裕太朗(マーケティング)

群馬県出身。学生時代、雑誌制作やWebメディアの企画営業インターンを経て、クリエイティブな活動の種となる情報発信に関心を持ち、2021年に新卒でロフトワークに入社。以降、コーポレートサイト「Loftwork .com」内のマーケティングコンテンツの企画・編集やセミナーの企画運営を担当。複雑化する価値を社会に伝えるべく、さまざまな施策に取り組んでいる。

Profile

LWの合宿とは?

ロフトワークの社員みんなが参加する「合宿」は、地域に趣き滞在しながらさまざまなワークを行う、キャンプ型プログラムです。社員数も増え、全体行事のハードルも高くなる中で、部門を超えた社員同士の交流や新たな発見のきっかけとなっています。

新型コロナウイルス感染症の流行により、昨年は合宿プログラムは実施できていませんでしたが、今回は少人数で、感染症対策に配慮しながらの開催となりました。

いざ、飛騨古川へ

名古屋と富山を結ぶ、高山線の特急「ひだ」。山間部をゆっくりと走っていき、渓流や田畑を車窓から覗くことができる、味わい深い列車です。

東京から富山を経由して4時間、ようやく飛騨古川に到着します。

飛騨古川は、伝統的な町屋がならぶ景観が特徴で、街並みを歩いているだけでその魅力が伝わってきます。観光地として有名な飛騨高山とはまた違った、自然と町屋と人々と、それぞれが共存しながら暮らしが成り立っている地域です。

その街並みの中にあるのがFabCafe Hida。宿泊設備も兼ねているので、本当にフルに活用させていただきました。

カメラ・音声収録・編集……失敗から学んでみる【1日目】

滞在初日は社内メンバーによる対談記事の取材を行いました。今回はヒダクマの事業に関わるさまざまな場所を巡りながらの対談企画。つきっきりで音声の録音と撮影を行いました。

しかし、カメラも録音も初心者で、ましてや野外での撮影・録音はこれまで経験がありません。雨の中、傘を持ち、撮影用のスマホをもち、録音機を持ち……と、かなりてんやわんやの状況になってしまいました。

こちらの記事も鋭意制作中なので、お楽しみに!
写真左:加藤大雅(クリエイティブディレクター) 右:岩岡孝太郎(ヒダクマ CEO)

このように反省点も多かったのですが、写真・音声・話者の話の流れのいずれにおいても「主観で感じているもの」と写真や音声などの「切り取ったもの」の間には大きなギャップがある、という気づきがありました。

このギャップを想像しながら調整することがまさに「技術」なのかもしれません。決して一朝一夕で得られるものではないですが、何度も現場に赴いて会得していくしかないなと実感しました。

今まで「生きている木」か加工されきった「木工製品」のどちらかにしか触れる機会がありませんでしたが、製材所や大工さんの加工工程を見学させていただき、どのように木が加工されていくのか、その道中を初めて知ることができました。

入社3ヶ月でワーケーションを体験してみる【2日目】

日程調整上、2日目は飛騨にいながら渋谷のオフィスにいる時と同じ業務を行いました。いわば「ワーケーション」の体験版といったところでしょうか。

しかし、そもそも自分は働き始めてからまだたったの数か月、しかも多くはリモートワークです。言ってしまえば、ワーケーションの価値やありがたさを実感するには、経験値が不十分でした。

しかし、環境を変えて働くことで、単にリフレッシュできるだけでなく、普段の仕事の見え方も新鮮さを伴って変化します。無意識に溜まっていた漫然感も解消され、多くの人が取り入れようとする理由がなんとなくわかった気がします。

 

朝方に散歩していたところ、飛騨地域の名物でもある朝霧を遠目から見ることができました。少し外に出るだけでとにかく新鮮なものに溢れていました。

地域事業者の話を聞き、仕事を振り返ってみる【合宿初日】

滞在3日目にしてようやく迎えた合宿初日。残りの参加メンバーとも合流し、それぞれのワークのイントロダクションを受けます。

説明を聞いたら、まずは郷土料理「朴葉寿し」で腹ごしらえ。4日間、FabCafe Hidaの皆さんがご用意・手配してくださった食事の美味しさには驚愕しました。感謝極まりない…!
工藤梨央(クリエイティブディレクター)

自分たちのチームは、飛騨で事業を営むの方々に「森林や木材との関わり」についてお話を伺いました。製材所や材木業者さんに限らず、牛舎やトマト農園を営む方々にとっても、実は飛騨の森や木材は身近な存在です。

飛騨の自然は「圧倒される迫力のある自然」というよりも、「人の暮らしや営みとともにある自然」という印象でした。森の恵みを受けながら、自然を整えていく「二次的自然」を実感できる地域だといえます。

しかし、その自然と暮らしの適切な豊かさも、維持することは容易ではありません。飛騨の森に広がる広葉樹は、針葉樹と比べて細く加工しづらいため、効率も悪く家具材に適していないとされています。また、飛騨のブランド牛である飛騨牛も、大手ブランド牛と比べ相場の高いメスの子牛を競り落としづらい現状にあると言います。

ゆえに、新しい生産・活用・使用用途の方式を模索していかなければなりません。さらには後継者問題もあり、事業者の数は減り続けています。

しかし同時に、みなさんが悲観的にならずに、模索しながら生業と向き合っていくリアルさも感じる事ができました。

そして、ヒダクマもその森をベースとした飛騨全体の生業の一つとして機能しているのです。それは「外部から地域の問題を解決する」といった一方向的な眼差しではなく、飛騨の一員として時間をかけ定着していったからこそ、できることだと思います。

それはきっと、東京でロフトワークの一員として働く時にも重要な視点ではないか。プロジェクトのゴールを見定めるとともに、クライアントやクリエイターとの「関係性」へのリスペクトを忘れてはいけません。マーケティングの自分としては、その関係性の窓口を築いていくことが重要で、その意識を見失ってはいけないと自覚しました。

別チームは木材加工や運搬、3Dスキャンの体験などを行いました。
写真左:中圓尾岳大(プロデューサー)松本 亮平(Layout Unit シニアディレクター)

森の散策に薪割り体験。飛騨を全身で味わってみる【合宿最終日】

合宿最終日、早朝7時からみんなで山へと向かいます。一度は歩いた山ですが、初日と違って天気もスッキリ晴れ、木々と山の空気にリラックスしながら歩くことができました。

写真左2番目:安田京子(Layout Unit / プロデューサー)
   5番目:桂 将太郎(プロデューサー)
   6番目:古田 希生(アシスタントディレクター)
途中、なんとカブトムシを発見!オス2匹がメスをめぐってかなり激しい喧嘩を展開していました。小さい方はあえなく敗北、と思いきや森の管理人さんによりまとめて捕獲されました。

森から出て、再びそれぞれのワークへ。自分たちはまず材木業者の方から、薪についてのレクチャーを受けます。なんとご厚意で薪割り体験もさせていただきました!

午後は自由時間。自分は飛騨市美術館に向かい、「山と生きるひだびと」の展示を見学しました。

先ほどは「山と暮らす」ことをまるでのどかな暮らしのように表現していましたが、資料や展示をみると、かつてはいかに命懸けの生業であったかが読み取れます。「自然の厳しさ」という言葉だけでは収まらない、生死もその内に含んだ向き合い方には、人々の抗いと一種の諦念のようなものを感じました。

一部メンバーは川遊びに向かったとのこと。これもまた東京では体験できない自然体験ですね。

夕方、合宿の全プログラムが終了し、帰路に就きます。

こぼれ話ですが、帰りの新幹線で偶然虹を見ることができました。

仕事への想像力を広げるきっかけとなった4日間

「ロフトワークって具体的に何をしているの?」とよく聞かれます。自分も新卒で入社して数ヶ月、いくつかの動きを垣間見ただけで、全体像はまだまだ掴めていません。それはロフトワークで働く魅力でもあるし、難しい部分でもあると思います。

それでも、プロジェクトに触れると「何かを変えたい」という熱量に何度も出逢います。特にヒダクマの場合、実際に足を運び、見たり聞いたり触ったり、そうすることで初めてわかることがたくさんありました。

全日程を通して、飛騨の魅力を実感しリフレッシュすることができ、何より楽しい4日間でした。それだけではなく取材・ワーケーション・現地の人々へのヒアリングなど、いろいろな活動を総括すると、「仕事」への解釈が一気に広がったなと感じています。

コロナ禍以降、仕事の手法に「リモート」という選択肢が加わりました。とはいえ、やはり制限が生じてしまっていることに変わりはありません。その制限によって、仕事や働くことに対する「想像力」までも奪われていってしまっているのではないでしょうか。

特に、自分のような新人には過去の経験がありません。ゆえに限られた想像力のなかで「仕事」に向き合わなければならない。それは先々、自分たちのキャリアや成し遂げることに大きな影響をもたらすのではないか、そんな気がしています。

だからこそ、今回の合宿プログラムは仕事に対する想像力を広げ、キャリアや働くこと自体への向き合い方を広げるきっかけとなり、新卒の自分には貴重な体験になったと思います。

合宿にご協力くださったたくさんの方々への感謝を忘れず、この経験を普段の仕事に活かしていきたいですね。

改めて、ご尽力くださったヒダクマ・飛騨地域の皆様、ありがとうございました!

ロフトワークでは、一緒に働く仲間を募集しています!

さて、そんなロフトワークではともに働く仲間を募集しています!

「多様な働き方を考えたい」「色々なプロジェクトに関わってみたい」という方はもちろん、「何か良いかも?」と思った方も、ご気軽にご応募ください!ぜひロフトワークの仲間として、来年の合宿は一緒に行ってみませんか?

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