2020年、創立20周年を迎えるロフトワークですが、気がつけば、メンバーもおよそ150人。壁のない「フラットな組織」を心がけてはいるものの、社員同士がコミュニケーションすることは、昔ほどスムーズではなくなってきている感があります。

そんな中、2019年末、渋谷オフィスでは、いつもとちょっと趣向を変えた忘年会を開催。みんなでご飯を囲んで和やかにお話をするだけでなく、全員でお互いの「悩み・モヤモヤ」をその場で解決するワークにチャレンジしました

さらに、ワークショップには、ロフトワーカーの友人や家族もご招待。いつにもまして多様なメンバーが集まったワークショップ。果たして、2019年の「モヤモヤ・悩み」は、昨年内にスッキリ解消できたでしょうか?

100人のチーム+αで、2019年のモヤモヤを解消

今回の100人ワークショップは、ロフトワーク 渋谷オフィスで月1回開催されている社内勉強会《Creative Meeting(クリエイティブミーティング)》を運営する有志チームが企画・設計しました。Creative Meeting は、社内に幅広い「クリエイティブな学び」を共有すると同時に、ボトムアップで組織文化を醸成することを目指しています。

12月は「忘年会」という場を活かし、2020年に向けて、メンバーの活力につながるようなワークショップを開催しました。プログラム設計には、働き方のカンファレンス「Tokyo Work Design Week」のオーガナイザー・横石 崇さん(&Co.)が全面協力。横石さんが考案した、100人の「働き方(Work)」や「生き方(Life)」の悩みを解決するワークショップ「働き方100人カイギ」を、ロフトワーク版としてアレンジしました。

&Co. 横石崇さん

このワークでは、ロフトワーカーと招待されたロフトワーカーの家族や友人が、フラットな状態で混ざり合いました。お互いに異なる傾向を持っている相手と1対1でペアを組み、交代で1分ずつ悩み相談とそれに対するアドバイスをします。たとえば、「仕事重視派」と「生活重視派」、「右脳派」と「左脳派」、「聞き上手」と「話し上手」など。

視点や特性の異なる相手との短時間のディスカッションをしたあと、ペアを変えてふたたび相談・アドバイスをするーこの悩み相談ワークを繰り返しました。

短時間で悩みを解決に導くポイント

1度のディスカッション時間は約2分間。横石さんが教えてくれた「短時間で相手の悩みを解決するポイント」は、「否定をしない」「遠慮をしない」そして、「責任を取らない」

悩んでいる相手の相談に乗るときは、ついつい遠慮をしてしまったり、自分の発言のインパクトなどに思いを巡らせて言葉を選びがちです。1分間だからこそ、アドバイスする側は「いちばん大切だと思うこと」を端的に伝えるために、遠慮や迷いを捨てて意識を集中させる必要があります。

キャリアの悩みから、ライフプランニングにまつわる悩みまで...

1対1のワークを3回やったあと、「まだモヤモヤしている」「解決しなかった」という人に挙手してもらったところ、8人が手を上げました。その悩みは、どんな内容だったのでしょうか。一部をご紹介します。

今の会社に満足しているものの、これからのキャリアをどうするべきか。よりよい転職先は存在するのか (クリエイティブディレクター・R)

ロフトワークに入社して半年たつが、なかなか思うように活躍できていない気がする。自分だけの強み・スキルを身につけるにはどうすればいい? (マーケティングDiv.・O)

最近、親から結婚や出産を急かされてつらい (クリエイティブディレクター・Y)

次のワークでは、「この人の悩みを解決したい!」という参加者が相談者を囲み、3分間で傾聴・アドバイスを行いました。

クリエイティブディレクター・Yの「次のキャリア・転職先をどうするべきか」という悩みに対し、イベントに遊びに来てくれた小学5年生(別のディレクターの息子さん)がアドバイス。「仕事だけじゃなく、趣味や好きなことが両立できる場所なら、どこだって働けるはず」と、なんという明快さ! Yは、「たしかに…」と静かに納得していました。

マーケティングDiv・Oの悩み「自分だけの強み・スキルを身につけるにはどうすればいい?」に対し、アーティストのWさんからは「愛されるスキルを磨く。愛される人は周りが自然とフォローしてくれるし、学びのきっかけや挑戦する機会も手に入れられる」という回答が。うっかりすると陥ってしまう「自分ひとりの力でなんとかする」という思考。そこから脱却し、周りから愛され・支えてもらえる存在になることは、チームの中で成功体験を掴む近道かもしれません。

オープンマインドを誘発する、空間の工夫

今回、同僚に「悩みを打ち明ける」という、普段とは異なる体験に備えて、会場の空間づくりも工夫しました。会場はおなじみの社内スペースですが、今回は、大きく表情を変えました。

普段の様子(COOOP10)。いつもは、会議室やセミナールーム、プロジェクトのワークショップスペースとして使用されています。
今回のワーク用に、フロアに「座る」レイアウト。ちょっと不思議でリラクシングな空間になりました。

「部族の会合(TRIBE)」をイメージした会場は、椅子ではなくフロアに座るスタイル。「靴を脱ぐ」という行為が、普段よりも一歩踏み込んだコミュニケーションを促します。

また、ワークに参加するハードルを下げるために、タイプの異なる複数のエリアを設けました。フロアの高さでくつろぐレジャーシートのエリアのほかに、テーブルの高さで過ごせるソファーテーブルエリア、少しクローズドな壁際の座談会スタイルのエリアなど。参加者自らが居心地の良い場所を選択することで、ワークショップへの抵抗感を下げる工夫をしました。

COOOP10の照明には、Philips Hueを導入しています。光色をかえることで、空間の雰囲気はガラリと変化。

グラフィックレコーディングでディスカッションを可視化

ワークの様子は、グラフィックレコーディングでその場で記録。それぞれの悩みに、どんなアドバイスがあったのか? リアルタイムで整理・シェアしました。

クリエイティブディレクターの小山と東郷が担当しました。

スッキリと2019年を締めくくり、新年をスタート

全員で最後のひとりの悩みまで向き合い、ワークは終了。無事、会場にいた全員の悩みを解決できました

日頃から、さまざまなお客様の課題に向き合い、デザイン思考のアプローチによる解決を目指しているロフトワークのメンバーたち。そのひとりひとりが、スッキリとした気持ちで1年を締めくくることができました。

ゲストからも好反応!

今回のワークには、ロフトワーカーの友人や後輩、家族がゲストとして一緒にワークに参加しました。みなさんからの感想を見てみると、

ホーム感があって、とてもあったかい場でした。ロフトワークのみなさんの現実を見つめる視点と、希望に満ちた姿勢のバランス感覚が好印象でした。会社説明会のつもりで来てみましたが、それ以上の体験でした。

お酒を飲みながら、誰かが悩みを聞いてくれる忘年会。僕はまだ学生ですが、こんな会社があるんだと思いました。楽しかったです。

…楽しんでいただけたようで、なによりです!

ロフトワーカー一同、2020年もスッキリとした気持ちでがんばります! どうぞよろしくおねがいします!

ロフトワークで働いてみませんか?

日々、さまざまなプロジェクトに対し、デザインのアプローチで向き合っているロフトワークのメンバー。実は、ひとりひとりがさまざまな個性・特技・バックグラウンドを持っています。個人の領域と仕事が溶け合うことで、生まれる、ロフトワーク「らしい」多様なプロジェクト。あなたも、その担い手になってみませんか?

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ロフトワークの勉強会《Creative Meeting》

ロフトワークでは、月1回、「Creative Meeting」という、社員が企画・運営する社内勉強会が行われます。この機会に、社員それぞれがプロジェクトを通じて得た経験や知見をプレゼンテーションしたり、さまざまな領域のプロフェッショナルを呼んだり、ワークショップをしながら、「クリエイティブな学び」を共有します。本記事は、2019年12月に行われたCreative Meetingのレポートです。

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Layout ディレクターの野島稔喜が、
静岡文化芸術大学のゲスト講師を務めます