世界の違い、視点や感覚の多様性を体感する展示

ロフトワークが企画・コーディネート・展示設計を担当する、特別展「視点転展(してんてんてん)~色んな見え方、感じ方~ 」大阪市港区の水族館「海遊館」にてスタートしました。展示期間は2022年7月14日(木)から、2024年1月初旬まで、約1年半にわたり開催されます。

テーマを変えながら開催する特別展、今回のテーマは「視点の多様性」です。ヒトと他の生き物たち、そしてヒト同士においても見え方・感じ方は同じとは限りません。この特別展を通じて、わたしたち人間を含めた生き物たちが認識している世界の違い、視点や感覚の多様性をぜひ感じてみてください。

撮影:山元 裕人

展示概要

特別展「視点転展~ 色んな見え方、感じ方 ~ 」

期間:2022年7月14日(金)~2022年1月初旬
時間:海遊館営業時間と同じ
場所:海遊館エントランスビル4F(大阪府大阪市港区海岸通1丁目1−10)
料金:海遊館入館料に含む
主催:海遊館
ディレクション:株式会社ロフトワーク
問い合わせ:海遊館インフォメーション 06-6576-5501
詳細:https://www.kaiyukan.com/shitententen/

主なみどころ

展示空間は、キューブ状の什器や装飾を中心に構成されています。ひとつのキューブは、生き物の命や世界のメタファーであり、それぞれがつながって世界ができていることを表現しています。展示エリアは大きく3つ。生き物の視点を借りながら問いに向き合う「比較」のエリア。生き物のの多様な見え方を擬似体験などする「体験」のエリア。そして、さまざまな生き物のリズムを、光や触覚で感じる「リズム」のエリアです。

それぞれの展示(しかけ?)は、海遊館のプロジェクトメンバーや飼育スタッフとクリエイターの共創により生まれました。深い想いと手触りのある作品になっており、たとえヒト同士であっても、見え方、感じ方が異なることを実感することができます。

一つの大きな問いに対して、生き物の視点と鑑賞者自身の視点を比較して考えるコンテンツ。スロットのような仕様になっており、答えは一つでないことを表現しています。写真は「フジツボと考える、おとなっていつから?」
双眼鏡のような形をしたカラフルな5つの装置を覗くと、水槽の中を泳ぐ熱帯魚が、ヒトとは異なる色んな見え方をします。
キューブの裏には、各生き物の担当飼育員が、それぞれの生き物に対する「偏愛」を詰め込んだ手書きの「B面キャプション」を執筆。
ゆらぎのリズムや食事をするリズムなど、生き物の様々なリズムを、ライトの明滅で表現している空間。鑑賞者自身の心拍をとり、ライトでリアルタイムに鼓動を再現し、他者に触れてもらう体験もできます。

ロフトワークは企画・コーディネート・展示設計を担当

ロフトワークは本展の企画・コーディネート・展示設計を担当しました。2019年「海遊館30周年記念」の準備とともに企画をスタートし、新しいチャレンジとして、海遊館のスタッフや、クリエイターと共に約2年半にもおよぶ対話と実験を繰り返し、オープン直前まで微調整と共創を重ねオープンを迎えました。

制作パートナー

今野 恵菜|コンテンツ企画・システム設計担当

山口情報芸術センター [YCAM] 教育普及課 プログラム / エクスペリエンス デザイン担当。
慶應義塾大学SFCにてHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション)とデジタルなものづくりとを学ぶ傍ら、友人とDIYグループ「乙女電芸部(おとめでんげいぶ)」を立ち上げ、ワークショップなどを多数開催する。
2013年4月、YCAMのスタッフに着任。数多くの展示づくりやワークショップづくりに携わってきた。2017年3月からサンフランシスコの科学館「Exploratorium」での研修を開始し、2018年3月にYCAMでの仕事を再開。コミュニケーションと、それを仲介するメディアの在り方に興味がある。

山口 晶(株式会社TEAMクラプトン)|設計施工担当

1988年生まれ乙女座A型。12歳で単独渡英し、マンチェスター大学にて建築を学ぶ。手塚建築研究所でインターン中に地震が起き、進学をやめ東北へ。そこでコミュニティー系の魅力にはまる。studio-Lインターンを経て、高断熱高気密住宅の松尾設計室にて3年間修業。実務設計中にディテール図面を書きすぎ、造る欲動にかられ週末の活動としてTEAMクラプトン勃発。/TEAMクラプトン:2014年神戸にて遊びとして開始。2020年法人化。これまで約200件のリノベーションやイベント設営等を行う。「みんなでつくろう」をコンセプトに建築現場を開き、施主と施工者の壁を越え、巻き込み型設計施工を探求している。

成田 可奈子(ナリカタデザイン相談室 )|ロゴ・ビジュアルデザイン担当

デザイナー / 株式会社ナリカタデザイン相談室 代表
京都工芸繊維大学卒業後、ブランディング専門のデザイン会社EIGHT BRANDING DESIGNに創業メンバーとして参加。10年以上に渡り、業種を問わず数多くの商品、サービス、コーポレートブランドにおいて、コンセプトメイキングからデザインのディティールまで一貫したブランディングデザインに携わる。
2019年に株式会社ナリカタデザイン相談室を設立。クライアントとの対話を重ねながら、「なりたい」姿をデザインで共にかたちにしていく、ブランディングデザインをベースとした「デザインの相談室」としての活動を行なっている。
https://www.narikatadesign.com/

イトウ ユウヤ|システム設計・実装担当

メディアアートや現代美術、演劇/パフォーマンスのテクニカルスタッフとして主に活動。活動内容は、展示設計やディレクション、アーティストの制作補助(プログラミング・造形)、イベントのオペレーターや舞台監督など多岐にわたる。自身のユニット「DrillBros」(ドリルブロス)では、映像とパフォーマンス/ライブの関係性について考察や実践を行っている。

浅井 睦(Metalium llc.)|サウンドデザイン・実装担当

コンセプトデザイナー / 知覚材料研究者
1991年大阪府生まれ。舞鶴工業高等専門学校機械工学科修了。
まだ手に触れることのできない未知の素材をメタ思考から生まれ出るこの世の存在する全てを材料として取り扱い、素材としてすべての人が触れるようにプロトタイピングを通して素材を提供する事業を展開するMetalium llc.を創業。
代表的な事業として、メタ思考から発生する事象を素材として捉え、活用技術の探求を行うオープンラボ高次素材設計技術研究舎 Melt.の運営を行う。

清水 惇一|サウンド制作担当

エンジニア /サウンドアーティスト
2019年にMUTEK.JP AI Music Labでの出演をきっかけに作曲活動を開始。
インタラクティブミュージックの分野を得意とし、サウンドプログラミングを活用した作品を多く手掛ける。
プライベートでは、友人らと”GADARA”を結成し、自然のゆらぎをデザインの軸として、フィジカルなインタラクティブデバイスの開発、AIを用いた音楽表現などを実験的に行っている。
GADARA : https://gadara.io/

企画協力

▼参考プロジェクト
心臓ピクニック(渡邊淳司、川口ゆい、坂倉杏介、安藤英由樹(2010~))
https://socialwellbeing.ilab.ntt.co.jp/tool_connect_heartbeatpicnic.html
ハートビートエクスペリエンス(NTT西日本(2020))
https://www.ntt-west.co.jp/brand/newnormal/fnec/

ロフトワーク プロジェクトメンバー

  • プロジェクトマネージャー:シニアディレクター 上ノ薗 正人
  • プロデュース:プロデューサー 小島 和人
  • クリエイティブディレクション:
    クリエイティブディレクター 服部 木綿子
    MTRL クリエイティブディレクター 柳原 一也

制作チームからのメッセージ

本展には、コロナ禍が収束しないまま、世界の平和が脅かされている今だからこそ、ほんの少しでも、他者を想うやさしさが広がって、同じ地球で共に暮らす未来へとつながってほしいという願いを込めました。
多様さに富んだ生き物たちのことを想像することで、視点がてんてんと広がって、生き物を含む他者を困らせない世界へと、少しでも向かっていきたい…と考えています。

想像力を働かせ、あなたなりの特別展をぜひお楽しみください。

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