合言葉は「それ、やってみなはれ」。

京都・五条にあるロフトワーク京都オフィスから徒歩2分の場所に、プロジェクトスタジオ「なはれ」ができました。

なはれは、2F建て逆L字型、22㎡の小さなスタジオ。この小ささを活かし、1つの世界観で、空間をジャックできることが特長です。例えば、とあるプロジェクトのプロセスを丸ごと展示してみる、とあるテーマについての濃いディスカッションを行ってみる、とあるデータを収集しこの場所に蓄積していく、といった使いみちを想定しています。

あらゆる価値観が急速にトランジションする時代。なはれでは、その潮流をふまえながら“年間テーマ”を設定し、様々なコラボレーターの方々と共に活動します。「Making(つくる)」「Open Gallery(ひらく)」「Meetup(あつまる)」という、3つの活動を組み合わせ、「それ、やってみなはれ」のマインドで、軽やかにプロジェクトを立ち上げ、試すことを目指します。

2023年度のテーマは「NEW VERNACULARS (ニューヴァナキュラーズ)」

2023年度のなはれでは、NEW VERNACULARS(ニューヴァナキュラーズ)と題し、「都市から採集するものからつくる」「ローとハイな技術・文化を組み合わせる」の2つを掲げて活動します。伝承される知恵や風習と、最新の技術や思想。そういったものを掛け合わせ、この時代に適合した新たな価値の探索を試みていきます。

実施中のプロジェクト

DIYエネルギー人類学

「DIY Energy Anthropology」は、見えにくいエネルギーという存在を、 手を動かしながら理解し、日常生活にひそむ様々な関係性を探求していくプロジェクトです。7月に熱センサーをつくるワークショップを実施したほか、太陽光のみを動力源としたオフグリッドで制作した「なはれ」のウェブサイトを9月に開設しました(ウェブサイトについてのコラムは後日公開予定)。11月には展示を予定しています。

モバイルフードチャレンジ

「Mobile Food Challenge」は、身の回りのものからモバイルフードをつくることを通して、私たちが暮らす土地と、そこに存在するものを「食」の視点から捉えるプロジェクトです。8月に半径12km圏内からモバイルフードを自作するワークショップを実施し、9月16日から22日に展示・トークイベント・ワークショップを組み合わせたフェアを実施しました。

NFeTish

「NFeTish (エヌフェティッシュ)」は、「デジタル化されたフェティッシュは私たちの心を揺らすことができるのか」をテーマにフェティッシュとNFTについて考察するプロジェクトです。8月には、フェティッシュがもたらす感情、フィジカルとアナログ、デジタルとバーチャルでの再現性について有識者を招いたトークイベントを実施。10月には展示を予定しています。

企画メンバーよりコメント

左から)加藤 あん、国広 信哉、村上 航(いずれも京都ブランチのクリエイティブディレクター)

最近、必ずしも、いつでも誰でも、というオープンさが良いとは限らないのかもと思っています。特に、新しいことが芽吹くためには「摩擦」なしでは起こらないはず(人類学者アナ・ツィンの言葉を借りれば “friction”)。そこには衝突も当然あるんだと思います。

そのためには「半開き」のスタンスが重要かもしれません。「会員制です」ということではなく、不定期で空いてる定食屋か、突然現れる観光案内所か、夏しか開かない山小屋のような… ここにもし、来れたら、ちょっとクセがある何かがあって、その創造性に触れられて、どこか不思議な場所に連れいていかれるような。そんな場所にできたらいいなと思って「なはれ」を立ち上げました。ぜひ遊びに来てください!

ロフトワーク シニアディレクター 国広 信哉

いち生活者として「これからどのように変化していくのだろう」と感じていることを起点としてはじめたのがモバイルフードチャレンジです。参加者とともに、まずはモバイルフードをかたちにしてみることに挑戦した結果、満足感と満腹感の違いを掘り下げる人、バイクを使って保存食をつくる人、運動前後の味覚の変化を追いかける人など、「食」を切り口に多様なアプローチ方法が生まれました。

自然環境や生活環境が急速に移り変わる中、どのような視点から未来を見通していくのか。まずつくってみることから、自身の軸を見出していく、それがなはれのプロジェクトの特徴だと感じています。

ロフトワーク クリエイティブディレクター 村上 航

なはれには、ずっと存在しているものはありません。まっさらと言葉にすると、さみしい感じがしますが、本当にまっさら。人が集まるとあたたかくなって、液晶の光が漏れると、ちょっとだけいけないことがされていそう。ものがぽつんとあれば、厳かになってしまう。何だか本当に不思議な場所です。

そんな場所だからこそ、思いつきをかたちにできると思います。慌ただしい日常で忘れていた自分の興味や好きなこととどう向き合っていこうか。そんなことを考えさせてくれる、わたしにとってエスケープする場所です。

ロフトワーク クリエイティブディレクター 加藤 あん

「なはれ」概要

住所:京都府京都市下京区本塩竈町534(ロフトワーク京都オフィスまたはFabcafe Kyotoから徒歩2分)
Webサイト:https://www.nahare.xyz/
X (旧Twitter) :https://twitter.com/naharexyz
オープン時間:イベントによる
お問合せ:nahare@loftwork.com

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