学校法人稲置学園 PROJECT

最小限の構造変更で最大限のイメージチェンジを遂げた金沢星稜大学

より広く大学の魅力をアピールできるサイトを目指して、リニューアルを決断

石川県金沢市に拠点を構える学校法人稲置学園金沢星稜大学は、2009年にロフトワークとのプロジェクトでWebサイトのリニューアルを行ないました。その結果、日々の更新などの努力と相まって、PVの増加や「等身大の金沢星稜大学」の表現など、一定の成果を生み出しました。

それから3年。当時最適だったWebサイトも時間の経過と共に、新たな課題が表面化。そこで2012年6月。課題の解決と、より広く大学の特長をアピールするためにリニューアルを決断しました。若年層人口の減少など、大学を取り巻く厳しい環境の中でも、着実に出願数を伸ばし続けている金沢星稜大学のWebサイトリニューアルについて、広報課の髙村氏とロフトワーク、クリエイティブディレクター入谷聡の対談で振り返ります。

入谷(ロフトワーク) 前回のリニューアルから3年が経ち、リニューアルを決断されましたが、どのような背景があったのでしょうか?

髙村氏(金沢星稜大学) 2009年に作ったサイトは当時としては、実現したいことを確実に盛り込んだ、最良の形だっと思います。ただ時間の経過と共に、少しずつ使いにくいと思う部分や、デザインの古さを感じはじめていました。リニューアルを決めたのは、より多くの人に、星稜大学の特長を確実にアピールできるサイトにしたいという思いからです。 特に、トップページで、メインイメージに沢山の画像を入れすぎて、訴求点が分かりにくくなってしまっていたので、本学の特長である 「就職」「資格」「学費」 を伝えつつ、学生の活動を、どんどん紹介するサイトにしたいと考えていました。

金沢星稜大学 入学・広報センター 広報課 主事 髙村 知美氏

20人規模のワークショップで、サイト構造設定だけでなく関係者の認識も見える化

入谷 オリエンシートを頂いて、サイトの様々なコンテンツをじっくり眺めながら、リニューアルプランを練っていきました。まずは特長を訴求するための「在学生のアクティビティ」と大学サイトとして基本的に持っているべき「固定情報」の大きな2つのブロックを考え、これを有機的に組み合わせることで、ターゲットユーザの認知から共感、資料請求へというシナリオを図解しました。このシナリオを軸に、具体的な施策をご提案しましたが、率直なご感想はいかがでしたか?

認知から共感、資料請求へというシナリオを図解
PCサイトとスマートフォンサイトのワイヤーフレーム

髙村 ご提案を頂いた時すぐに「やりたいことが実現できる」と直感しました。図解して頂いたシナリオもわかりやすかったですし、トップページのワイヤーフレームも意図が明確で非常に共感できました。特に、シナリオ図は、他のメンバーとリニューアルの趣旨を共有する際にもとても役立ちました。

最終的には、以前リニューアルを担当して頂いた際もそうでしたが、スケジュール管理が非常にしっかりされている印象もあり、今回もロフトワークさんにお願いすることにしました。

入谷 ありがとうございます。今回は、サイト構造を策定するワークショップをプランに組みましたが、実際にワークショップを体験されてみていかがでしたか?

髙村 初めてのワークショップでしたが、とてもよい経験になりました。こちらが想定していた以上に学内の関係者が集まり、最終的に20人以上が集まったのには驚きました。ワークショップを行ったことで、「固定情報」の整理・分類を、皆の意見を取り入れながら、短期間でまとめることができました。さらによかったのは、要件定義の段階で、皆が星稜大学のWebサイトに対してどのような思いを持っているかを改めて把握できたり、広報以外のメンバーが、今後積極的に情報発信していくための布石とすることができたことです。

最小限のCMS構造変更で、最大限のイメージチェンジ

入谷 プロジェクトの期間が3ヶ月と比較的短期間でしたので、ワークショップで一気にサイト構造を決定できたのは非常に大きかったです。また、今回のリニューアルではCMS(WebRelease 2)のテンプレート構造には大きく手を入れずに、既存の構造を活かして必要最小限の変更で済ませることができたことも納期の短縮につながっています。ただトップページは、メイン画像のエリアを大きくとり、学生のアクティビティのサムネイルを大きくするなど、しっかりと特長を訴求できるように工夫しました。

クリエイティブディレクター 入谷 聡
最小限のCMS構造変更で、最大限のイメージチェンジ

髙村 サイトのデザイントーンは既存サイトを踏襲してリニューアルを行う想定でしたが、トップページの見え方がここまで変わると思っていなかったので嬉しかったです。学生のアクティビティを紹介するコーナーでも以前のサイトよりも大きなサムネイルで、多くのコンテンツを同時に掲載することができるようになり、在学生からの注目度も高まっています。

出願数は前年比20%増。在学生のモチベーションにも貢献するなど、着実な成長を実感

入谷 サイトをリニューアルしてから半年が経過し最初の入試シーズンが終了しましたが、成果についてはいかがでしたか?また今後の展開についても教えて頂けますか?

髙村 新しいWebサイトになってから、在学生がより積極的に情報提供してくれるようになりました。以前よりも活動が様々な人の目に触れるようになったことで、在学生のモチベーションにもいい影響を与えているように感じています。

活動が様々な人の目に触れるようになり、在学生のモチベーションも変化

また、運営側としては毎日更新の「星稜TODAY」というコンテンツを、編集担当者が直接Webサイトにアップできるようになったことも、各部門からの積極的な情報発信を行なってもらうための第一歩としては大きな成果です。

出願者数はWebサイトだけの成果ではないと思いますが、昨年比で約20%ほど増加しました。その他Webサイトに関する各種数値は、大きくは変化しませんでしたが、緩やかには改善しています。情報発信の頻度を高めていくことで、さらに改善していけると考えています。

今後は、「動く大学案内」として、学生のアクティビティを積極的に発信することはもちろん、自分が本学に入学したらどのような学生生活が送れるのかを体験できる(想像できる)コンテンツなどを制作し、より高校生への訴求力を高めて行きたいと思います。

入谷 着実な成果を実感されていて、ほっとしました。コンテンツの制作などはロフトワークでもご支援できると思いますので、今後も情報交換できればと思います。本日はお忙しいところありがとうございました。

※内容やお客様情報、担当ディレクター情報は本記事公開時点のものです。現在は異なる可能性があります。

参加クリエイター

  • デザイン:細尾正行(Spicato)
  • コーディング:浅野久美
  • javascript:北川英伸(デジタライズ)
  • CMS開発:山本正樹、深沼文江 (Wind Sprint)
入谷 聡

入谷 聡

株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター

川竹 敏晴

株式会社ロフトワーク
テクニカルグループ テクニカルディレクター

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