ロフトワークは、日産自動車株式会社が主催するアワード「身近な発明チャレンジ」の企画運営を行い、2023年7月19日(水)〜10月2日(月)までアイデアを募集します。

「身近な発明チャレンジ」について

「身近な発明チャレンジ」は、みんなのアイデアをシェアすることで人々の生活を豊かにするオープンイノベーションのアワードです。「寄せ集めて自分で繕う」を意味する「Bricolage*」(ブリコラージュ)をテーマに、自分なりの着眼点を活かして、日常生活をより豊かに、ワクワクするアイデアを募集します。

「豊かさ」の定義が多様化している現代において、私たち人間の“ものづくり”は、常に進化しています。新しい価値は、最先端の技術によるものだけではなく、既に存在している技術を組み合わせたり、アイデアや発想を転換することで生み出されると考えています。そのため本アワードでは、技術、モノ、アイデアを組み合わせ、価値を最大化するイノベーションの方法を探究します。

本アワードは、最も優れた作品やプロジェクトを表彰するのではなく、「手の届く未来」に向けた、「手の届く技術」によるアイデアの発掘を目的としています。また、アイデアを競うアワードに止まらず、集まった作品群がインスピレーションの詰まった一つの集合体(コレクティブ)となることを目指しています。プロダクト、グラフィック、写真や動画、WEBサイト、サービスデザインなどジャンルを問わず様々なアイデアをお待ちしています。

*Bricolage(ブリコラージュ):1960年代、フランスの文化人類学者であるクロード・レヴィ=ストロースが著書『野生の思考』のなかで提唱した概念である。「寄せ集めて自分でつくる」「ものを自分で修繕する」「器用仕事」とも訳される。

日産自動車による、次世代との共創を通じたオープンイノベーション

日産自動車は、豊かな社会の実現を目指し、技術の力で様々な価値を生み出してきました。よりよい社会のために思考をめぐらせ生活の可能性を広げるアイデアには価値があると信じています。2023年、日産自動車はこれまでの常識にとらわれず、日産と次世代の共創によって、より良い未来の創造のために挑戦し続けていきたいと考えています。

この挑戦の一つとして「身近な発明チャレンジ」では、「Bricolage」をテーマにアイデアを募集します。世界中からクリエイティブを募り、アイデアを広くシェアすることで生活が豊かになる、ワクワクするアイデアを集めオープンイノベーションの場となることを目指しています。一人ひとりの声を大切に、アイデアを共有することが豊かな暮らしに繋がると捉え、共に創る新しい未来への一歩として、これからの社会に貢献していくことを目指します。

アイデア・プロジェクト例

空気を入れて膨らませる電動モビリティ「poimo」

「poimo」はポンプで空気を入れ、膨らませることで乗り物として利用できるパーソナルモビリティ。風船のような構造で作られており、不要なときには空気を抜くだけでコンパクトに小さく折り畳むことができる。

食べられる栄養スプーン「salii × pacoon」

食事という日常のアクションに着目し、開発された「食べられる栄養スプーン【salii × pacoon】」。 『食べられる栄養スプーン』をきっかけに、食への罪悪感やプラスチック仕様への罪悪感などから解放され、若者が食へのワクワクを取り戻す。純粋に食事が健康になる手段として楽しまれる社会を目指す。

楽しさ重視、見た目重視の移動式DJキット「移動式バケツスピーカー」

日常で見慣れたものを組み合わせたり、少し用途や機能をズラしたりすることで生まれる違和感を大切にし、バケツ×スピーカーを制作。世界中の道端で叩かれたり蹴られたりして演奏されているバケツにスピーカー付けて、スケボーのトラックとウィールも付けたストリートでワクワクするスピーカー

誰にでも使い易いハサミ「みんなのはさみmimi」

柄がループ状になっており、握らずに上から押すだけで切れるハサミ。右利きでも左利きでも、誰でも自分に合った使い方ができる。このハサミの開発者は、握力の弱いユーザーが通常のハサミを使う際の困難を目にしたときに「ハサミは握力を前提に作られている」という点に注目し、視点を変えることで、アイデアの発展に至った。

車椅子を「ワクワク新幹線」に変える「Wheelchair Train」

障害を持った息子や家族が、日々楽しく過ごしていくためのサポートのひとつとして車椅子をワクワク新幹線に変える自作モジュールを製作。車椅子や歩行器に着脱可能であり、モジュールに液晶画面やスピーカー、LEDテープを組み込むことで走行に合わせた演出を子どもたちに届ける。

未来に資源を届けるポスト「しげんポスト」

プラスチックごみを新しいしげん(資源)に変えて、未来の世代に笑顔を届けるポスト。家庭で出た使用済みつめかえパックを「しげんポスト」で回収し、再生プラスチック容器や、住民のアイデアを反映させた地域の役に立つ素敵なモノに作り変える。未来にしげん(資源)を届ける仕組み。

募集概要

アワード名
身近な発明チャレンジ
募集期間
2023年7月19日(水) 12:00(日本時間正午)〜10月2日(月)12:00(日本時間正午)
※審査期間:2023年10月中旬
※結果発表:2023年10月末
表現対象
グラフィック、写真や動画、WEBサイトなど形式は問いません。 どのようなジャンルの応募も受け付けます。既に公開済みの作品も応募可能です。
賞について

「総合部門」、「次世代部門」、「みんなが選んだ部門」の3部門より選定します。

1. 総合部門……5作品 副賞(各作品 3万円)、記念品
2. 次世代部門……5作品 副賞(各作品 3万円)、記念品
3. みんなが選んだ部門……5作品 記念品
※受賞数は変更する可能性があります

審査員

KLEIN DYTHAM ARCHITECTURE

建築家ユニット・デザインオフィス/PechaKucha Night創始者
クライン ダイサム アーキテクツ (KDa) は、アストリッド・クラインとマーク・ダイサムにより1991年に設立された、建築、インテリア、公共スペース、インスタレーションといった複数の分野のデザインを手掛けるマルチリンガルオフィス。代官山 T-SITE/蔦屋書店 (2011) や、GINZA PLACE (2016)、カルティエ 心斎橋ブティック (2021) などを手がけ、国際的な建築賞を数々受賞。また、2003年にKDaによって考案されたPechaKucha Nightは、デザイナーやクリエイターらが互いに創造性を共有するプレゼンテーションの場として世界各国に広がり、現在では約1,300の都市で開催される世界的なイベントへと成長している。

Kyle Li

パーソンズ美術大学 MFAデザイン&テクノロジープログラム プログラム・ディレクター
NYを拠点に活動する没入型メディアデザイナーとして、フィジカルな要素とデジタルの要素を結びつけることで、遊び心のある体験を実験的・実践的なアプローチで追求している。また、2008年からはNYのパーソンズ美術大学(Parsons School of Design)の講師として教育にも携わっており、同大でゲームデザインやインタラクティブなストーリー設計の講座を立ち上げたほか、オンラインゲームプラットフォーム「Roblox」向けのUGCとデジタルファッションの講座を大学の講義として初めて設置した。 現在は同大のMFAデザイン&テクノロジープログラムのプログラムディレクターを務めており、今日も学生にデザイン教育を提供している。

戸沼 君香

「IDEAS FOR GOOD」編集長
社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン「IDEAS FOR GOOD」編集長。埼玉県出身。高校2年次にデンマークに交換留学したことをきっかけに、北欧の旅やイベント運営に興味を持ち、携わる。大人のための学校フォルケホイスコーレにも留学経験あり。大学卒業後はホスピタリティ業界で働いていたが、その後はドイツ・ベルリンでジャーナリズムを学び、再びデンマークのNGOでインターン。難民取材などを経験後、IDEAS FOR GOODに参画。北欧発ビジネススクール「Hyper Island」のCreating Innovation Courseをオンラインで修了。4か国語をあやつり、冒険を愛する編集者。

上田 哲郎

日産総合研究所 モビリティ&AI研究所エキスパートリーダー/博士(システムズ・マネジメント)
日産自動車で30年以上に渡り、主にIT/AIの産業応用やコネクテッドカーの研究に従事。近年ではAIやデータサイエンスなど元来自動車工学にはなかったものを扱い、最終的にそれらがどういった運転体験UI/UXになるかに関心を持つ。スローガンは”AI meets UI”。2019年CESで、メタバースがまだ知られていない時代に車のメタバースコネクティビティ「Nissan Invisible-to-Visible(i2V)」を提案した。2023年3月に公開したブリコラージュの発想によるプロトタイプセダン「Contemporary Lifestyle Vehicle」も上田による。

評価基準

本応募は、最も優れた作品・プロジェクトを表彰するのではなく、「手の届く未来」に向けた、「手の届く技術」によるアイデアの発掘を目的としています。作品の審査にあたっては以下のポイントと、審査員の専門分野による独自の視点を評価の軸とします。

1、Inspirational / 見る人をハッとさせる視点
誰もが知る技術にも、まだ誰も思いついていないアイデアが眠っているはず。「その手があったか!」と思わせるようなアイデアをお寄せください。

2、Forward – looking / 未来志向
常に前を向き、より良い未来を拓くために、新しいチャレンジングな発想をしているか。

3、Mix&Match / 異なる要素の組み合わせ
「bricolage」の概念に基づき、いくつかの技術や素材の組み合わせにより新しい価値を提案しているか。

4、Thoughtful / 受け取り手を想っているか
使用者や届けたい相手のことを想いやり、考え抜くことで、生活に寄り添った、暮らしを豊かにするアイデアとなっているか。

5、Resource- efficient / 今あるリソースで
身近にあるモノやコトを上手に使い、明日にでも始められるような等身大のプロジェクトか。

アワードへの応募に関するお問い合わせ先

身近な発明チャレンジ 事務局
メールアドレス:cdc@loftwork.com

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Layout シニアディレクター宮本明里とバイスMTRLマネージャー長島絵未が登壇