コンテンツの特性に合わせた柔軟なプロモーションサイト構築
スマートフォンアプリのリリースを機に、本格的なプロモーションを開始
IP電話など電話サービスやインターネット接続サービスを行うフュージョン・コミュニケーションズ株式会社は、IP電話サービス『IP-Phone SMART』のスマートフォンアプリリリースを機に、サービス紹介サイトのリニューアルおよびスマートフォンサイト構築を決めました。
本プロジェクトを担った営業統括部 ネットビジネスグループ鈴木暁氏と、ロフトワークのクリエイティブディレクター高井勇輝、テクニカルディレクター関井遼平がプロジェクトを振り返ります。
高井(ロフトワーク):まず今回のプロジェクトの背景についてお聞かせください。
鈴木(フュージョン・コミュニケーションズ):「IP-Phone SMART」はPCサイトのみを社内で制作し2012年5月15日にβ版をスタートしました。2013年6月に公式アプリ『SMARTALK』を出すタイミングで正式サービス化が決まったのですが、アプリの新規ユーザ獲得を目指すためにもスマートフォンサイトを含めたリニューアルをすることになりました。
高井:最終的にロフトワークに決めた理由をお聞かせください。
鈴木:実は、別の案件でBtoBのWebサイト構築を依頼しており、本プロジェクトもお願いしようと思っていました。もともとのきっかけは、ロフトワーク主催のセミナーに何度か参加していて「しっかりしたいい会社だな」と思い、制作会社を探すときに問い合わせをしました。
高井:ありがとうございます。今回のリニューアルでは「新規ユーザの獲得」「既存ユーザの利用率アップ」「FAQの充実と更新しやすさ」の3点をご要望いただきました。
鈴木:はい。私たちのサービスは月額料金制ではなく従量課金制なので、新規ユーザを獲得すると同時に利用率を上げなければなりません。ですので、サイトでは新規・既存それぞれのユーザを意識する必要がありました。
高井:新規と既存ユーザでは訴求の方向性が異なるため2パターンご提案し、最終的に既存ユーザへの訴求に重きをおきつつ、新規ユーザも獲得できるよう調整しました。具体的には、新規ユーザに向けてトップページ・各ページのヘッダー、フッターそれぞれにお申込みやアプリインストールの導線を設置。既存ユーザに向けては、コラムやFAQページを充実させ、利用率が上がるよう工夫しました。
鈴木:高井さんが粘り強くデザイナーさんとやりとりをしてくれ、細部のテイストまで要望を叶えてくださったので満足しています。
運用コスト削減とレスポンシブ対応をconcret5×Foundationで実現
鈴木:我々は少人数のチームなので、運用コストの削減は必須条件でした。ウェブサイトの訴求力を落とさないでそれを実現できるなら、CMS導入及びレスポンシブ対応を依頼しました。
関井:運用コスト削減と訴求力を両立させるためにCMS『concrete5』を提案しました。concrete5は運用するコンテンツに合わせ自由にテンプレートを組みやすいのが特徴で、更新頻度の高いコンテンツでは簡単にページを作成できるよう設計しました。またデザインの自由度も高く、サイトの訴求力も担保できます。
また、CSSのフレームワーク『Foundation』を採用し、必要最低限の工数でレスポンシブに対応。ワイヤーフレームを制作しながらCMSに実装し、完成した部分からコンテンツ制作ができるので、制作スケジュール短縮にも役立ちました。
鈴木:提案の柔軟性は期待通りでした。多くの制作会社では、過去に実績があったり得意なCMSやツールを提案されます。また、社内にデザイナーがいる場合「最も合うデザイナーかどうか」よりも「リソースが空いているかどうか」が優先されてしまう傾向があると思います。
その点、ロフトワークは、ツールの組み合わせもデザイナー選びも「この案件に合うかどうか」を軸にして考えて頂き、柔軟な提案をしていただけるので良かったです。
アジャイル手法で二人三脚!スピーディーなプロジェクト進行
高井:通常Webサイトの構築は、ワイヤーフレームを作り、デザイン制作、コーディングという流れで進めます。しかし今回は、ワイヤーフレーム制作と並行してconcrete5で実装し、サイトのプロトタイプを作りました。
鈴木:サイトの情報構造がしっかりできていればデザインは後から制作しても大丈夫だという判断で、このフローを採用しました。concrete5とFoundationで作られたプロトタイプを実際に操作しながら、サイトの構造を明確にイメージできとても良かったです。
高井:打合せでプロトタイプを操作しながら、その場ですぐにワイヤーフレームやサイト構造についてフィードバックをもらいすぐに反映するアジャイル手法で進めたので、制作スケジュールを短縮することが出来ました。
プロトタイプを作った後は、仕様が確定していない部分や、まだ反映されていない要望をリストアップし、優先順位と工数をすり合わせながら制作スケジュールを決めていきました。さらに、デザイン確認、バグフィックス、コーディング、原稿管理をすべてオンラインツールで管理し、スピーディーなプロジェクト進行ができました。
関井:リニューアルの成果はいかがでしょうか?
鈴木:制作・運用が非常に楽になりました。運用メンバーは「週30分あれば簡単に更新ができる」と話しています。新規ユーザも増えていますし、ソーシャルボタンの設置によって「どのページがどのくらい拡散されているか」が見えるようになったのも良かったです。また、頻繁に更新するので「CMSに一か所だけ登録すれば、他ページでも自動で引用表示する」「自由度高く制作できる」など、コンテンツ特性に合わせて設計していただいたことも、更新しやすさにつながっています。
高井:今後の展開はどう考えていますか?
鈴木:まずはサイト運用のPDCAをしっかり回し、分析することが課題です。今回のCMS導入で良い事例が作れたので、他のサービスに展開するときにも安心してお願いできる関係をロフトワークさんと築くことができたと思っています。
高井・関井:今後とも信頼に応えられるようにご支援させていただければと思います。本日はありがとうございました。
※内容やお客様情報、担当ディレクター情報は本記事公開時点のものです。現在は異なる可能性があります。
お客様の声
フュージョン・コミュニケーションズ株式会社事業推進部 SMARTチーム リーダー 兼 編成チーム リーダー
鈴木 暁氏
提案の柔軟性は期待通りでした。多くの制作会社では、過去に実績があったり得意なCMSやツールを提案されます。また、社内にデザイナーがいる場合「最も合うデザイナーかどうか」よりも「リソースが空いているかどうか」が優先されてしまう傾向があると思います。その点、ロフトワークは、ツールの組み合わせもデザイナー選びも「この案件に合うかどうか」を軸にして考えて頂き、柔軟な提案をしていただけるので良かったです。
プロジェクトメンバー
高井 勇輝
株式会社ロフトワーク
クリエイティブDiv. シニアディレクター