コロナ時代のミートアップを考える
集えない時代…
とあるミートアップ企画をつくるにあたり、このご時世でも前向きに楽しんで実験されている、いくつかの「ミートアップらしきもの」の事例を分類し、どんなタイプがあるのか考えてみたくなった。みんな攻めてる。
ちなみにミートアップは、複数人が集い、知恵を共有/議論し、学びや憩いとなる場だと認識しているが、オンラインを前提にもう少し広義にとらえてみたい。コロナ前の考え方は意味を失いつつあるし。
30の事例を6つのタイプに分類してみた
2020年4月8日〜4月26日の間で事例を収集。その中からざっと30件に絞った。ソースは知人友人やWeb検索などから。網羅性はないのと、嗜好により偏りあるのでご了承ください。30の事例は文末にリストしてます。
30件を《参加-鑑賞》《同期-非同期》のマトリクスで配置してみた。《参加-鑑賞》の軸は、ユーザーの参加スタンスのことで、見たり聞いたりするだけなら鑑賞、投稿や応募が求められるものは参加。《同期-非同期》は、コンテンツの持続時間で、その場かぎりの瞬間的なものが同期で、アーカイブされいつでも眺められるものが非同期。てな感じで分けると、ざっくり6つくらいのタイプがありそう。
タイプ①「ゆっくり楽しめるマガジン、ムービー」
誰にでも、いつでも楽しめるもの。ユーザーの自由度が高く、効能時間が長いタイプ。隔離された世界中の都市から現況と考察が寄稿されるPost-Quarantine Urbanismや、飲食業界への寄与を目指したごはんマガジンツカノマノ読むフードコートなど。媒体はnoteやMedium、YoutubeやVimeo、Instagramなど。個人の思想に訴えるものが多く、投げ銭もしやすい。
タイプ②「臨場感もある、ながらラジオ、Podcast」
垂れ流しも可能、興味のあるところだけ聞いてみるもの。ユーザーの予定が自由に組めつつ、その場で楽しめる臨場感もある。#TRP2020の一貫で実施されたトークラジオパレラジや、Fabの役割と未来を考えるこれまでのFab、これからのFab座談会など。媒体としてはツイキャスやYoutube live、RadiotalkやAnchor、Spotifyなど。アーカイブしやすい。多くの人への認知とオープンな機会提供。
タイプ③「ふらりと入る、喫茶、SNSライブ動画」
いつでも誰でも出入り自由の、やさしい場所。日々の活動(営み)の延長を、むりなくコンスタントに配信できる。Discord上につくったオンライン喫茶・憩や、コミュニティメンバーのライブインタビューNions community online check-inなど。媒体としては、DiscordやSpatial Chat、Instagram、Twitchなど。仲間でワイワイやるのが楽しそう。
タイプ④「気合を入れる、ウェビナー、式典」
ビジネス寄りで、限定された人たちが楽しめるもの。参加者の意識や責任は高めだが、見返りも確実なものが多い。30組のトラック、7組の基調講演からなるオンラインカンファレンスUXR Conference Anywhere 2020や、展示会やサロン、ワークショップがミックスされたUroboros design-art festivalなど。媒体としては、ZoomやRemo、Cluster、Slack、Youtube liveなど。既存のミートアップ(カンファレンス)の形式に近いが、突っ込むリソースも大。
タイプ⑤「ユーザーとつくる、出たとこ勝負のUGC」
タイムテーブルの中で、ユーザーが自由にコンテンツを投稿していくもの。参加者数がイベントの熱量や楽しさと比例する(量が質を生む)。誰でも参加できるDIYの展示発表会Maker fair Kyoto 2020や、ティルマンスの窓の写真をヒントに作品を#タグで投稿するArt For Windowsなど。媒体としては、TwitterやInstagram、FacebookやYoutube、noteなど。SNSなしには成立しないし、事前告知期間も重要すぎる。
※ UGC:画像や動画などユーザーが生成したコンテンツのこと。User Generated Contents。
タイプ⑥「ユーザーが徐々につくる、蓄積系のwiki」
誰でも編集可能だけど、リテラシーが必要。デジタルファブリケーションにまつわる安全の情報を整理しているFab safe wikiなど。媒体としては、NotionやSlackなど。他のタイプのミートアップと組み合わせることも可。
臨場感とユルさ。そして小さな参加が欲しい
どれもなんのために行うかという目的と、誰に届けたいかというユーザーの話により選択は変わる。当たり前だけど中身が大事。
中身により《参加ー鑑賞》《同期ー非同期》のパラメータは移動するし、どのケースでも人数や金額を限定すれば、狭いが深いエンゲージメントをつくる企画へ振り切ることも可能。正解はなさそう。
あくまで個人的なスタンスから言えば、このセッションに参加したいと思える臨場感と、ずっと参加しなくてもいいよというユルさが同居した「集い」のかたちが魅力的。そこには#タグ投稿やハガキ、似顔絵といった小さな参加があればなおさら楽しい。モニタにじっと張り付きはツライ。
ちなみに非同期の仕組みは、どんなイベントでも大なり小なり必要そう。でも、せっかく後から楽しめるコンテンツを配置しても、例えば動画を延々と見続けるのには時間がかかってしまう(これは最近まわりでよく聞く話)。動画は短めに設計するか、タイムスタンプで飛べるように導線を置く、テキスト情報に置き換える、グラフィックでレコードする、などが大事そう。
すでにリモートでのイベントや飲み会は飽和状態。それでも、参加してみたいと思える集まりのかたちを企画してみたいものだ。
ちなみにとあるプロジェクトというのはこちらでした。6月頭に何らかの集いを実験的にやってみよう。
仮設マガジン『POP UP SOCIETY』
『POP UP SOCIETY』は、「仮設性で社会を軽くする」をテーマにした不定期発行のマガジンです。仮設という切り口で、
www.popupsociety.com
最後に:30件のリファレンスリスト
- UROBOROS FESTIVAL 2020
- 「After COVID-19の世界〜社会は、人々は、我々は、どう変わっていくのか?」
- Virtual UX Conference
- PRIMER 2020
- UXR Conference Anywhere 2020
- Remote Meetup Ideas Brainstorm
- Fab safe wiki
- Maker fair Kyoto 2020
- ツカノマノ読むフードコート
- オンラインキッチンやってみて分かったこと、課題、これから。
- Post-Quarantine Urbanism
- Slowdown Papers
- パレラジ
- Nions community online check-in
- これまでのFab、これからのFab座談会
- オンライン喫茶・憩
- 第5回 未来の山口の運動会
- バーチャルムサビ展
- Parsons Design & Technology Annual Thesis Show 2020
- 「親子でオンライン体験フェス~ #おうち時間 を楽しもう~」
- Ethical UX Workshop ~UXデザインと倫理、社会的な影響を考える~
- 「デザイン経営と社会の関わり方」を考えてみよう
- Online festival celebrates arts affected by Covid-19
- 14-days STAY HOME NOTICE
- オンライン映像祭「Films From Nowhere」
- 「無人モデルハウス」でウィズコロナ期間も受注キープ
- MCA: Art For Windows
- 東大生による卒業記念LT大会2020
- STARTUP STUDIO by Creww プログラム説明会 #2
- Good News for Cities〜都市に関する炉辺談話
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