FINDING 松本 亮平 2020.07.20

これからを生き抜く自分らしい働き方とは
自分のワークスタイルのDos Don'tsを考える

本記事は、企業で働くクリエイター向けのウェブマガジンCreatorZineにLayout Unit ディレクターの松本亮平が寄稿した記事を一部編集して掲載しています。

[CreatorZine]これからを生き抜く自分らしい働き方とは 自分のワークスタイルのDos Don’tsを考える
https://creatorzine.jp/article/detail/1143

世の中全体が大きく変わろうとしているいま、オフィスの役割はどう変わるのか、これからの働き方とは――。

前回、プロジェクトを成功に導くために必要な3つの脳についてお伝えしましたが、今回は自分のワークスタイルを見直すヒントについてです。

空間プロデュースチームであるLayout Unitで実践している空間デザインのフレームワークと、このフレームワークを応用して自分のワークスタイルをリデザインするための問いをご紹介します。

COVID-19の感染防止の観点からリモートワークが急速に進むなど、働き方の見直しが求められるなか、どんな働き方をしていくべきか、していきたいかを組織としてだけでなく個人としても問われる時代になってきています。

今回の記事が少しでも自分らしいワークスタイルを模索するヒントとなれば嬉しいです。

空間デザインは、4つの間のデザイン。

Layout Unitには、新しいワークプレイスや企業の共創空間をプロデュース(企画・設計・施工)していく際に大切にしている4つのアプローチがあります。それが下の図です。

時間(Time)・空間(Space)・仲間(Team)・世間(Public)という4つの間について、簡単に説明していきます。

時間(Time)

その空間のハード面(内装や家具)からではなく、そこで活発に行われるべき、また推進されるべき過ごし方(=体験設計)を最初に策定しようということを指しています。

空間(Space)

字のごとく、空間企画、空間設計を指します。プロジェクトの性質に合わせて相性の良い建築チームをプロジェクトメンバーに迎え、一緒に推し進めていきます。

仲間(Team)

プロデュースする空間の運営方針や方法の設計、さらにはその空間の価値をもっとも理解し、場を機能させていく運営メンバーやエバンジェリストなどの教育を指しています。

世間(Public)

空間はいつも点で存在しているのではなく、必ず接している周辺環境や、地域があります。新しい空間を中心に生まれるコミュニティとその価値循環(エコシステム)もプロジェクト進行中の段階からデザインしていくことを指しています。

これら4つは単独で別々にデザインされるものではなく、空間プロジェクトの中でそれぞれを行き来しながら、そして整合性を図りながら、一気通貫で行うことが大切です。これが、Layout Unitの空間デザインにおけるアプローチです。

自分のワークスタイルのDos Don'tsを考える

このデザインアプローチが、自分のワークスタイルを見つめ直すヒントに、どんな関係があるのだろう? と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はこの4つのデザインアプローチすべてが「自分のワークスタイルを見つめ直すための問い」に早変わりするんです。

一体どういうことなのか。具体的な問いに置き換えて紹介していきます。

この記事のタイトルにも使っている「Dos Don’ts」 という言葉は、日本語に訳すと「やりたいこと、やりたくないこと」です。自分だったらどのようなワークスタイルにしていきたいのか、どういうワークスタイルにはしていきたくないのか。そんな視点を頭に入れながら、このあとの問いについて考えてみてください。

問1 【時間(Time)】どんな時間の使い方がしたいのか

自分自身の1日、1週間、1ヵ月、1年の使い方はどんな流れが理想でしょうか。たとえば1日で考えるなら、フルタイムで働きたいのか、それとも家事と仕事とバランスよく時間を使いたいのか。1年で考えるならば、海外で数ヵ月働いて、残りの数ヵ月では国内で過ごしたいのか。こんな具合で自分の「Dos(やりたいこと)」を深掘っていくのです。

すでに1つ目の問いが、自分のワークスタイルを見つめ直すきっかけになっていることを感じていただけるかと思います。

問2 【空間(Space)】どんな場で過ごしていたいのか

会社勤めの人にとっては見落としがちな問いではないでしょうか。COVID-19の影響で価値観が変わった方も多いと思いますが、それでもなお日本のオフィスワーカーは、オフィス = 一生懸命働いている姿を上司に見せる場、というあまり良いとはいえない思い込みを持った人がまだ多い印象があります。

職住近接で家に近い空間で働くことが心地いいと思う人、大勢のワーカーとコミュニケーションを取りながら過ごせる本社のデスクがフィットする人、趣味と仕事が緩やかに接続できるサードプレイスでこそ創造性を高めることができる人。ワーカーやクリエイターの数だけ答えがあるはずです。

問3 【仲間(Team)】どんな人たちと過ごしたいのか

こちらも先ほどと同じくらい、じっくりと考える機会が意外と少ない問いではないでしょうか。良くも悪くも会社に所属すれば部署やチームに配属され、一緒に働く人が自動的に決まることが多いです。誰と働くかを選べる機会は多くはありません。今一度「自分が本当にイキイキとし、創造性と生産性を高く保てるのはどんな人たちと一緒に過ごしているときだろう」と能動的に分析することが、自分のワークスタイルをアップデートする近道です。

ただここで注意しなければいけないのが、あくまで「イキイキできる(=成長を支えてくれる)仲間」を考えるという点です。ぬるま湯に浸かるような、成長のための刺激がない関係だけでは、この時代をサバイブすることは難しいと思います。

問4 【世間(Public)】必要な価値循環とはどんなものか

自分に必要だと思っている、もしくは手に入れたい価値とその循環がどんなものなのかを図式化してみると、自分のワークスタイルをアップデートするアイテムになるかもしれない、ということです。僕が今のワークスタイルをもとにつくってみたので、参考にご覧ください。

たとえるなら、ビジネスモデルを図式化する時に近いかもしれません。それを収益に関するものではなく、自分が得たい価値の循環を図式化していくイメージです。

作り方としては、今のワークスタイルを振り返ってつくってみてもいいですし、自分のワークスタイルの理想像を形にしてみる意味で、前述の問1から問3までを絵に落としていく、という手順で進めていくのもありです。

お時間がある時にぜひ試していただけたらと思います。
自分自身が大切にしたい価値やワークスタイルにおける軸に気づく機会になれば嬉しいです。
それでは次回もお楽しみに!

松本 亮平

Author松本 亮平(Layout Unit ディレクター)

関西学院大学卒。学生時代には途上国開発や国際問題を学びながら、アメリカのNGOの海外住居建設プログラムに参加し東南アジアを歴訪。卒業後は大手オフィス家具メーカーに就職し、オフィスワーカーの働く環境改善や提案に奮闘。クリエイティブが生まれる環境を自ら創造していきたいと、2014年ロフトワークに入社。Webディレクションで培ったプロジェクトマネージメントの力を基盤に、共創空間、クリエイティブ空間のプロデュースに従事。国内外問わず、あだ名は「へいへい」。

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