自社実績を資産に。
採用力・営業力を高める プロジェクトギャラリーサイト
Outline
多数の実績を公開し、採用・営業に寄与するWebサイト
中央復建コンサルタンツ(以下、CFK)は1946年創業、総合建設コンサルタントのパイオニアです。鉄道・道路・橋梁などの社会インフラの計画や設計、社会インフラマネジメント、まちづくりコーディネートなど数多くのプロジェクトを手掛けています。
同社は数多くの実績を有していますが、運用負荷の高さからコーポレートサイトには一部の事例しか掲載できておらず、採用ターゲットである学生や営業先にプロジェクトの幅広さ、エリアの広さを訴求できていないという課題がありました。
本プロジェクトではノーコードツールを活用し、社内で活用するプロジェクト管理用データベースと、一部データを活用したプロジェクト事例Webサイトを構築。ビジュアルと事例数でCFKの事業領域の広さと社会的重要性を訴求できるギャラリーサイトを目指しました。
今回、あえて、WebサイトのCMSとは別にデータベースを構築するアプローチを採用することで、保有するデータを展示会でのサイネージや、企画書の実績資料の作成など、別の営業ツールへの転用と多メディア展開を可能にしました。
また、運営面での改善においては、複数部署をまたいでの情報収集や公開をスムーズに行うための業務フローの設計と事例制作用のマニュアルを作成。管理総務部門の運用負荷を大幅に軽減しながら、公開事例数を増やすことを可能にしました。
プロジェクト概要
プロジェクト期間:2023年8月〜11月
プロジェクト体制:
- クライアント:中央復建コンサルタンツ株式会社
- ロフトワーク
- プロジェクトマネージャー:ロフトワーク クリエイティブディレクター大石 果林
- テクニカルディレクション:ロフトワーク テクニカルディレクター 川竹 敏晴
- クリエイティブディレクション:ロフトワーク クリエイティブディレクター 圓城 史也
- プロデュース:ロフトワーク藤原 里美
- クリエーター:
- デザイナー:四方 宏樹(アップリフト)
- テキストガイドフォーマット監修:野村 英之
企画・編集・執筆: 横山 暁子(loftwork.com編集部)
Output
Webサイト
総合建設コンサルタントが手掛けるプロジェクトの幅広さを伝えるためのWebサイトです。CFKの技術力をアピールする場所として多数のプロジェクトをギャラリー形式で掲示しています。本サイトは営業ツールとして、また採用ターゲットへの訴求にも活用されます。
Process
Challenges
データベースを活用し、複数のツール制作を可能に
今回、2種のノーコードツールを活用し、社内用のデータベースを構築するとともに、登録されたデータの一部を活用し、プロジェクト事例のギャラリーサイトを構築するアプローチを採用しました。
データベースにはクラウド型のノーコードツールAirtableを用い、各グループから必要な情報をフォームで収集し蓄積、データベースは社内の実績管理に活用しながら、Webサイトへ表示用のデータ管理にも活用します。Webアプリ/サイト制作には豊富なデザインテンプレートと、様々なAPIとの連携を可能にするsoftrを採用し、ユーザーテスト後の短期間での機能追加やWebでの即時公開を実現可能にしました。
Webサイトを管理するCMSとは別でデータベースを構築することで、保有データを用いて、展示会でのサイネージや、企画書の実績資料の作成など、別のツールへの転用が可能になります。本プロジェクトでは、採用イベントや営業現場での活用を想定し、各プロジェクト事例をA4サイズ1枚に印刷できる「実績シート」を設計、実装しました。
データベースとサイト・その他出力先の相関マップ
実績シート
ノーコードツールを活用しプロトタイプを制作、ユーザーインタビューで仮説を検証
事前情報をもとに、一日のワークショップでスピーディにギャラリーサイトのプロトタイプを制作。想定ユーザーである学生(インターン生)と利用する可能性のある複数部署の社員を対象にユーザーテストを実施し、仮説を検証しました。
テスト結果を踏まえメインターゲットは就活生、セカンダリーユーザーは営業社員にフォーカスすることに決定し、ターゲットを絞りました。また機能面においては、地図に検索機能を追加したり、複数ジャンルのタグでの絞り込みがわかりやすいように修正するなど、検証結果をもとにサイト設計とデザインをアップデートしました。
ユーザーテストを通じての気づき
- 学生
- 入社後、自分がどんな仕事に関われるのか具体的にイメージしたい。
- CFKがプロジェクトのどのフェーズに関わったのか表示されているといい。
- 社員
- 類似事例を横展開するため、エリアごとで紹介できるといい。
- 複数ジャンルのタグで絞り込むと自分の目的のものを探せそう。
- 技術のメンバーがクライアントに見せる用途としては不十分。ノウハウ蓄積は別で考える方が良い。
- 全体
- プロジェクト分布図として用意した地図から検索するアクションが多く見られた。
(一部抜粋)
業務フローの整備により、公開事例数を大幅増
これまで、プロジェクト数が多く領域も多岐にわたるため、管理総務部門のみでの情報収集と事例公開が困難でした。そこで、各プロジェクトの担当者が登録フォームからプロジェクト情報を入力することで情報を収集、管理総務部門の業務を内容の確認と公開に絞ることで、業務フローを大幅に改善。運用負荷を軽減し、公開事例数を増やすことを可能にしました。
また、各部門からの情報収集が円滑に進むよう、一連の業務手順だけでなく、ユーザーテストから見えた「事例を見たくなるポイント」を整理し、事例制作マニュアルを作成。プロジェクト担当者が自身の手掛けたプロジェクトの外部発信を考える機会にもなるよう設計しています。
Member
メンバーズボイス
“ギャラリーサイト公開後の運用ガイドラインを作ろう、との議論になったのが、ロフトワークにお願いするときの決め手でした。社内に定着しないと意味がないという我々の思いと、いいものを作ろうとのロフトワークの思いが一つになったのだと思います。その意味で、パートナーとして一緒に作ってきた感が強いですね。ワークショップでのやり取りがテンポよく進んだときは気持ちのよいもので、充実感を得ることができました。
ギャラリーサイトは、我が社のエンジニアの自慢のサイトに育てていきたいと思います。そのきっかけを作っていただいたロフトワークに感謝しています。
”
中央復建コンサルタンツ株式会社 常務取締役 管理総務本部長 上田 隆
“実際に皆さまと手を動かし、プロトタイプを作成してユーザーテストを行うなど、共に作り上げたプロジェクトでした。共有していただいたプロジェクト事例から、建設コンサルタントの幅広さを感じ、様々なプロジェクトに取り組むCFKさんに刺激を受けました。建築系の学生さんでも、「建設コンサルタント」の仕事内容を理解している方が少ないということで、手がけるプロジェクトの多様性を伝えるWebサイトを目指しました。また、ユーザーテストの中で、社員さんから「このプロジェクトはCFKで行われていたんだ!」という声も聞かれました。部署間のコミュニケーションがなかなか取りにくく、会社の取り組みが見えにくいという点も、ギャラリーサイトを通じて社員の存在感や関与度を高めることに繋がったらいいなと思います。多くの学生が、CFKさんの魅力と熱意に共感し、新たなCFKメンバーになることを願っています。
”
ロフトワーク クリエイティブディレクター 大石果林
“「実物を見てみないとわからないなあ」
過去、ウェブサイトの更新機能の仕様を説明するたびにクライアントに よく言われた言葉です。
実際に動くものを見せることができたらとは思っていましたが、実現する時代になってきました。
プロトタイプを作成し、実際に触ってもらい、更にフィードバックをその場で反映するワークショップを実施したところ、新しいアイディアがクライアントから溢れてきたので、実際に動くものを見せることは やはり重要だったと実感しています。”
ロフトワーク テクニカルディレクター 川竹 敏晴
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