株式会社マイナビ PROJECT

マイナビ hin+(ヒンタス)
転職を決める心の動きに着目した新サービス

Outline

投稿を通じてスキルや強みを発見できるコミュニティサービス『hin+(ヒンタス)』の企画〜要件定義を支援

株式会社マイナビは2020年6月、ビジネスパーソンが自身の強みやスキルを可視化し発見できる投稿型コミュニティサービス『hin+(ヒンタス)』(https://hintus.jp)をリリースしました。
hin+は、すべての人が強みを活かしてキャリアデザインできる世界を目指し、これまで気付けなかった「スキル」を発見できる無料のコミュニティサービス。「強み」を活かしながら自分らしいキャリアを歩む時代において、スキルのプラットフォームとなり、20代のビジネスパーソンの「学び」や「キャリアデザイン」の促進を目指しています。
ロフトワークは、アイデア仮説検証からサービスの機会領域策定・コンセプトの立案、プロトタイプ検証を支援しました。

Service

『hin+(ヒンタス)』 各機能のイメージ

① スキル診断
設問に『自信がある』or『身につけたい』で答えていくと、自分のスキル傾向が分かったり、質問ごとに回答割合が見え、比較することができます。

② スキル検索
他のユーザーが各スキルについて「役に立ったエピソード」や「工夫したこと」の投稿から、自分が今までスキルだと認識してこなかったことをスキルと認めたり、これから自分が身につけたいスキルを保存し「マイスキル」として登録することが可能です。

③ スキル投稿
ユーザー登録をすると、誰でもスキルを投稿することができます。スキルを投稿すると、他のユーザーがマイスキルに登録できるようになります。普段自分が何気なく行っている行動が、他人から見ると「実はすごいことだった」「希少価値の高いものだった」などが分かります。

④ インタビュー
スキルを活かして、人生を豊かに生きている一般の方のインタビューを連載します。記事の最後には、各エピソードの裏側で活かされているスキルを表示しており、マイスキルに登録できます。

Process

1. 仮説検証、機会領域の発見

転職サイトでは転職顕在層のマッチングができている一方、自分がやりたいことや就ける仕事がわからず漠然とした不安を抱えている転職潜在層に十分なアプローチができていないという課題が出発点となっています。しかし、潜在層に関して十分な理解を持てていなかったため、彼らをリサーチし、共感を醸成するプロセスを経たうえで、サービスのコンセプト仮説を検討しました。

インタビュー〜メンタルモデルの作成

20〜30代の男女約10名を対象にしたインタビューを実施。彼らから得られた大量の言葉や視点をロフトワーク10Fのワークスペースの壁に張り出し、マイナビ・ロフトワークの両方からコアメンバー7名が参加するワークショップ形式で統合作業を行いました。
分類・統合により得られたインサイトから3つのメンタルモデルを作成、インタビュー以前に立てたユーザー仮説に対し、新たな気付きを得ることができました。

機会領域の発見

新たに得られた気付きから、ユーザーのカスタマージャーニーのどのフェーズで、どのようなコミュニケーションを行うべきかを見出し、機会領域として設定しました。

2. MVPによるコンセプト検証

トレンドスクレイピング〜ベースアイデア企画

外部環境も把握するため、業界動向や先端トピックをリサーチします。得られた知見、PoVをサービスの基本アイデアに反映しました。この時点で、スマホ / バッジやスキルツリーによる可視化 / ユーザー間での共有と切磋琢磨、というhin+のコアコンセプトがすでに盛り込まれていました。
コアコンセプトも踏まえ、サービスが提供するコンテンツのアイデアをワークショップ形式で発散。いくつか重要なサービスアイデアと共に、スキルアップにおけるボトルネックの存在やスキマ時間の使い方などサービスが成功するための仮説を設定することができました。

MVPによるサービス成功仮説の検証

MVPは、Minimum Viable Product(最低限実用に足る製品)の略。ここでいう「実用に足る」というのは、仮説検証から学びを得るために過不足がないという意味ですが、MVPによる検証には下記のメリットがあります。

  1. 顧客の実際のニーズを知ることができる
  2. 学びからピボットしやすくなる
  3. 無駄なコストを割かなくて済む

今回は上記の仮説を検証し、さらに機能要件の優先順位付けを行うために、ターゲット層を集めたワークショップを実施。何のサービスかは伏せたまま必要な検証事項を反映したWSを設計・実施し、そこで得られたデータから新サービスに必要な機能を優先順位づけしました。

3. モックアップ開発〜要件定義

モックアップを用いたユーザーテスト

優先順位付けした機能要件を実装したサービスの具体設計を進めていきます。ユーザーのサービスの利用の流れを「ストーリーボード」として整理し、これをもとに簡易的なサービスプロトタイプを作成、ユーザーに操作してもらいました。
AdobeXDを用いて作成したプロトタイプは、コンテンツ内容や遷移をスマホの実機で試してもらえるため有用なフィードバックを得られやすいです。
得られたフィードバックを統合し、ロフトワークからは最終的に「開発要望書」としてマイナビ様に納品しました。

その後、1年弱をかけてグラフィックデザインや開発が並行して行われ、2020年6月にお披露目されました。

マイナビ・ロフトワーク プロジェクト座談会

マイナビは、転職情報=コンテンツと、働き方や人生を見つめ直すコミュニケーションの場=コミュニティとをどのように捉えているのでしょうか? プロジェクトをスタート時から担当するマイナビ 寺下さんに伺いました。
プロジェクトプロセスを振り返りながら、サービスデザイン成功のポイントも改めて整理しています。

> 鼎談記事はこちら

Member

寺下 知哉

寺下 知哉

株式会社マイナビ

浅見 和彦

浅見 和彦

株式会社ロフトワーク
シニアプロデューサー

高井 勇輝

高井 勇輝

株式会社ロフトワーク
クリエイティブDiv. シニアディレクター

桑原 季

桑原 季

株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター

Keywords

Next Contents

クリエイターとの共創で、読書体験をリデザインする
新サービスプロトタイプ開発プロジェクト「文喫の実験室」