株式会社日建設計総合研究所 PROJECT

「全員参加型広報」で組織の価値に相乗効果を生む
日建設計総合研究所 コーポレートサイトリニューアル

Outline

建築と都市のライフスタイル全般にわたり、調査・企画・コンサルティングサービスを提供する、株式会社日建設計総合研究所(以下、NSRI)。日建設計を中核とする日建グループのシンクタンクとして、「持続可能な社会の構築」を目指し「都市デザインと建築環境に関するエンジニアリングの融合」を軸に、多領域へと活動を広げています。

事業領域のさらなる拡大に向け、組織改変に取り組んでいたNSRIは、所員一人ひとりが情報発信に取り組むことができる仕組みをつくり、組織の専門性や事業価値を伝えるべく、コーポレートサイトのリニューアルを実施しました。ロフトワークは、本リニューアルのパートナーとして戦略策定からサイト実装まで伴走。多様なコンテンツを繋ぎシナジーを生み出すことで、人・研究・プロジェクトの価値を効果的に発信するWebサイトを実装しました。

Challenge

人材・研究・プロジェクトの相互作用で「全員参加型広報」の推進基盤を築く

図版画像:NSRIによる「全員参加型広報」の全体像。研究員による、ナレッジ、自主研究、プロジェクトなどの情報発信がWebサイトに掲載されることで、多様なステークホルダーへの認知拡大を目指している。

多様な社会課題の解決に取り組むNSRIでは、所員一人ひとりが専門家として活躍し、分野を超えた協働を通じてソリューションを提供しています。しかしサービスの特性上、外部に公開できる実績が限定的であることから、組織の強みを効果的に伝える方法が必要でした。

そこでNSRIが掲げる方針が、所員全員が主体的に発信活動に関わる「全員参加型広報」です。この取り組みは、個々の専門性や魅力を組織全体の価値として多様なステークホルダーに伝え、より強固なネットワークを構築することを目指しています。

今回のリニューアルでは、これを実現する基盤としてのWebサイトを構築。所員の知見や活動を起点に、研究・プロジェクトと連携させることで、NSRIの独自性や事業価値を効果的に伝えることを目指しました。
新たなWebサイトでは、「Works」「Ideas」と、所員全員を紹介する「People」という3つのカテゴリを中心に据え、それぞれのコンテンツが相互に接続。これにより、所員、研究、プロジェクトが連動し、NSRIの多面的な魅力を直感的に伝えられるようになっています。また、各ステークホルダーが自分の興味や関心に基づいて関連情報を探索できる仕組みを取り入れ、利用者体験の向上も実現しました。

Outputs

TOPページ

画像:NSRIコーポレートサイトのTopページのキャプチャ

TOPページでは、固定のメインビジュアルやコピーではなく、事例記事やコラムなどの注目コンテンツを配置。カテゴリごとの色分けと併せて、NSRIの幅広い事業領域や組織の多様性を視覚的に表現しています。

所員の魅力や専門性を組織全体の強みとして伝える「People」ページ

画像:NSRIコーポレートサイトのpeopleページのキャプチャ

「People」ページでは、所員一人ひとりのプロフィールを紹介。経歴や専門領域に加え、関わったプロジェクト事例やコラムを紐付けて表示しています。リニューアルに合わせて新たに撮影したプロフィール写真は、親しみやすさと信頼性を印象づけています。

人・研究・プロジェクトをつなぎ、コンテンツ間のシナジーを生み出す

サイト全体は「People」「Works」「Ideas」という3つの主要コンテンツを柱に構成。それぞれが「NSRIのサービス・事業領域」と「キーワード」で連携し、事業の魅力や社会的意義を効果的に伝えます。また、顧客や研究パートナー、採用希望者など、多様なユーザーのサイト内回遊を促し、知りたい情報を提供することができます。

なお今回のリニューアルでは、CMS(コンテンツマネジメントシステム)に、WebRelease2を採用。高いセキュリティ環境を担保しつつ、社内でのコンテンツ作成を可能としました。

Ideas

画像:NSRIコーポレートサイトIdeaページのキャプチャ。所員によるコラム記事が掲載されている。

「Ideas」には、所員が制作したコラムや自主研究のレポート記事を掲載。組織内のナレッジや研究成果を通じて、専門性や社会トレンドとの関連性を示しています。

画像:NSRIコーポレートサイトIdeaページのキャプチャ。所員によるコラム記事が掲載されている。

「Ideas」には、所員が制作したコラムや自主研究のレポート記事を掲載。組織内のナレッジや研究成果を通じて、専門性や社会トレンドとの関連性を示しています。

Works

画像:NSRIコーポレートサイトWorks一覧ページのキャプチャ。行政や研究機関とのプロジェクトを紹介する事例コンテンツが紹介されている。

「Works」ページでは、実績事例を一覧表示。事業領域やキーワードによるカテゴライズに加え、プロジェクト参加メンバーとの紐付けを強調し、所員と支援実績とのつながりを明確にしています。

画像:NSRIコーポレートサイトWorks詳細ページのキャプチャ。クライアント企業との座談会インタビュー記事の一部を紹介している。

新規コンテンツとして、クライアントインタビュー記事を制作。生の声を通じて、プロジェクトの価値や、課題やビジョンに伴走するNSRIのパートナーシップを発信しています。

コンセプトを一貫させた英語版サイトも制作

画像:NSRIコーポレートサイトの英語版。Topページのキャプチャ。
日本語サイトに続き、英語版サイトのリニューアルも実施。コンセプトは一貫させつつ、英語話者向けのコンテンツを厳選しサイト全体を構成しました。なかでもTOPページは、メッセージを中心に据えたデザインに変更し、NSRIの姿勢やサービスの魅力を効果的に伝えています。

Approach

組織横断で取り組んだ、届けたいユーザー像を見出すワークショップ

写真:NSRIの所員全員が参加したワークショップの様子を捉えた写真。複数の所員とロフトワークメンバーが、付箋を使ったワークを行っている。
写真:NSRIの所員全員が参加したワークショップの様子を捉えた写真。複数の所員とロフトワークメンバーが、付箋を使ったワークを行っている。

Webサイトリニューアルの方針策定にあたり、所員全員が参加するワークショップを実施しました。このワークショップでは、NSRIが情報を届けたいユーザー層を明確にし、彼らに対して「どのように見られたいか」「どのように見せたいか」を議論。さらに、所員一人ひとりが持つ知見やスキルを活用した情報発信の方法について検討しました。

このプロセスを通じて所員一人ひとりの広報参加意識を高め、リニューアル後のWebサイトが「全員参加型広報」を実現するための基盤となる足がかりを築きました。

Outcome

リニューアルの成果

図版画像:NSRIのWebサイトリニューアル以降の、数値変化と社外から寄せられたコメントの情報を掲載。アクセス数は3倍、平均表示時間は1.5倍に増加。社外からは、「顔が見える」ことでの親しみやすさ、個人を全面に出すシンクタンクらしさが好評。プロフィール情報のユニークさや、スマートフォンでもみやすい表示面も評価点だった。

リニューアルを受け、アクセス数や表示時間が数年前と比較して大幅に向上したほか、社外のステークホルダーからは、所員一人ひとりに着目した情報発信の方針についてポジティブな反響が生まれています。(上記情報は、NSRIコーポレート部門より共有)

プロジェクト概要

  • クライアント:株式会社日建設計総合研究所
  • プロジェクト実施期間:2023年10月〜2024年9月

体制

  • <株式会社ロフトワーク>
    • プロジェクトマネジメント:望月 定徳, 渡邉 多惠子
    • クリエティブディレクション:北島 識子, 佐野 まり沙
    • テクニカルディレクション: 伊藤 友美
    • プロデューサー:柏木 鉄也
  • <制作パートナー>

Member

望月 定徳

株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター

Profile

渡邉 多恵子

株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター/PMO

Profile

北島 識子

株式会社ロフトワーク
シニアディレクター / デザインエヴァンジェリスト

Profile

佐野 まり沙

株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター

Profile

伊藤 友美

株式会社ロフトワーク
テクニカルグループ テクニカルディレクター

Profile

柏木 鉄也

株式会社ロフトワーク
チーフプロデューサー

Profile

メンバーズボイス

“全員参加型広報を推進しており、所員全員を対象としたWSや様々な視点の意見を収集するためのヒアリングを実施しながら、リニューアル方針の策定から一緒に検討頂きました。プロジェクト期間中は、プロジェクト体制をしっかりと整えてくださり、タイトなスケジュールの中柔軟に対応頂き、意見交換しながらサイト公開に向け着実に安心して歩むことができました。

リニューアル後、「親しみやすく、ワクワク感のあるサイトになった」と社内外からの声を聞き、NSRIが目指す姿を表現できていると実感しています。このWebサイトをベースに、所員一人ひとりが専門家として、また多様な社会課題の解決に取り組む研究所として、今後も様々なコラムや活動報告を発信していきたいと思います。”

株式会社日建設計総合研究所 広報デザイン室長 山本 ちはる様

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