FINDING
山田 憲 2022.09.30

デジタルマーケティング初学者が検証
Instagram/Facebook広告でどんな画像がクリックされるか

こんにちは。ロフトワーク マーケティングの山田です。

2021年9月に入社し、主にコーポレートサイトを中心とした自社サイトやSNSなどに使用するビジュアルのディレクション・制作を担当しています。各記事のキービジュアルや、記事に挿入する図版など、さまざまなビジュアル制作に携わっています。

私がロフトワークのマーケティング部門に配属され、ビジュアル制作の延長でデジタル広告を運用し始めたのがちょうど1年前。それまでデジタル広告はおろか、マーケティングとは無縁な人生を過ごしてきたため、ゼロからのスタートでした。「どんなビジュアルがいいの?」「どこで配信すればいい?」「誰に向けて配信するとクリックされる?」など、今でも悩みは尽きません。

幸いにも、Adobe IllustratorやPhotoshopなど、ビジュアルを制作するために必要なスキルは身につけていたため、試行錯誤しながらも、これまでFacebook広告やInstagram広告を中心に150本以上の広告画像を作成し、出稿してきました。

本記事では、「どんな画像がターゲットの目に止まるのか?」という視点から、私がこの1年間試行錯誤してきたA/Bテストの結果を3つ、画像とともに公開したいと思います。上手くいったものもあれば失敗したものもありますが、私と同じようにデジタル広告を作り始めて日が浅い方や、自分が作らないテイストの画像だとどういう効果が出るのか知りたい方へ、何かの役に立てば幸いです。

山田 憲

Author山田 憲(マーケティング)

京都工芸繊維大学造形工学課程卒業後、専門学校で本格的に服作りを学ぶ。山形のニットメーカーに勤めた後、独立。山形で勤めた会社が、企業ブランディングのためデザインに力を入れていた事もあり、地方企業とデザインの関係性に興味を持ちロフトワークに入社。現在は、ロフトワークで働く傍ら、アパレル業界での仕事も継続中。

Profile

限られた予算でしっかり効果を出すには?

(左から、メルマガ、Facebook、Instagram)

ロフトワークでは、これまで取り組んできたさまざまなプロジェクトの情報や社員の活動、毎月開催されるイベント情報などを、メールマガジンやデジタル広告、SNSを活用して日々発信しています。その中で、Instagram/Facebook広告はコストはかかるけれど、これまで接点がなかったたくさんの方にロフトワークを認知してもらえる点で、重要なコミュニケーション施策です。

一方で、デジタル広告は、お金をかけた分だけ必要な効果を得られるわけではありません。そのため、限られた予算の中でもしっかりと届けたい相手に情報を届けられるように、広告ごとのコンバージョン(※1)目標に応じて、広告効率を高めていくことが必要となります。では、より多くの人に情報コンテンツを届けるためには、どうすればいいのでしょうか?

大原則として、適切なターゲットに向けて、適切な画像とテキストを発信することが重要です。そのため、発信するコンテンツがしっかりとターゲットに届いているかを確認するために、広告運用担当者はさまざまな検証を行います。

ロフトワークの場合は、現状、デジタル広告の主な役割を「イベントや自社の取り組みに対する認知拡大」と、オウンドメディアでもある「自社Webサイト内の記事を読んでもらうための手段」として捉えているため、「クリック単価(※2)」を広告運用の重要指標に設定しています。なので、クリック単価を抑えられているかどうかが、コンテンツのクオリティの良し悪しの基準となります。

以上を踏まえて、私がこれまで広告運用の中で実践してきた3つの検証の結果を紹介していきます。検証の条件は、以下の通りです。

  • 広告の配信先は、InstagramとFacebook
  • 比較対象の広告の配信先オーディエンスと画像以外のコンテンツは同一に設定
  • 広告ごとに条件が異なるのは、画像の内容と一部の配信日時のみ

※1 コンバージョン:Webマーケティングにおいては「成果」という意味でよく使用されます。 これは、施策に費やした費用がどれくらい成果に結びついたかを表すものであり、 「費用対効果」を測定する重要な指標として用いられています。

※2 クリック単価:広告が1回クリックされた際に発生する費用のこと

検証 その1:静止画とGIF動画、どっちがクリックされる?

SNSを見ていると、動画を使った広告が日に日に増えている気がします。動画で広告を出したらどんな効果が出るのかな?と気になりつつも、広告用に新たに動画を撮影するには時間や労力、技術が必要で、なかなか手を出せずにいます。

そんな中、私が目をつけたのが、複数枚の静止画をコマ送りすることで動画になる「GIF動画」。簡単なGIF動画であれば、動画に比べて少ない工数で動きのある画像が作れます。今回、同じイラストを使用し、部分的に色を変えるだけでクリック数は増えるのか検証しました。

検証内容:同じイラストを使用し、中央部分だけ色が変化するGIF動画にしてみたらどうなるか?

  • 検証期間:2022/6/2~2022/6/30
  • 対象年齢層:25~55才
  • リーチした年齢層:
    1位 45~55才/2位 35~44才/3位 25~34才
  • より多くリーチしたプラットフォーム:Facebook
  • 検証期間:2022/6/2~2022/6/30
  • 対象年齢層:25~55才
  • リーチした年齢層:
    1位 25~34才/2位 35~44才/3位 45~55才
  • より多くリーチしたプラットフォーム:Facebook

結果:GIF動画のクリック単価が、静止画と比べて-58.6%に

結果は、GIF動画の方が、静止画よりも6割近くクリック単価が低くなりました。また、注目したい点として、静止画とGIF動画でリーチした年齢層が逆転する結果に。コンテンツによって、対象となるターゲットの年齢に応じて静止画とGIF動画の使い分けが有効になりそうです。

検証 その2:イベント広告に登壇者の写真は必要?

みなさんがSNSでよく目にするイベント広告画像は、登壇者の顔写真が入っているものが多いのではないでしょうか。イベントの集客を目的とした広告ではイベントのテーマはもちろん、どんなゲストが登場するかは、広告の効果を左右するとても重要な情報です。登壇者その人に興味関心がある人にとってイベントの訴求につながり、コンバージョンの可能性を高めることが期待されるためです。

私が作成するイベント広告画像でも、登壇者の写真を入れることは多いのですが、ときに登壇者の人数が多く、画像内にレイアウトしにくかったり、デザイン上入れない方が良さそうだなと思うことが何度かありました。

そんな中で、「そもそも登壇者の写真って、本当に必要?」という疑問が浮かび、社名や肩書きなどは変えず、写真のある場合とない場合で、結果に差が出るのか検証してみました。

検証内容:テキスト情報やイラストは同じものを使用し、登壇者の写真の有無で結果が変わるのか?

  • 検証期間:2022/06/30~2022/07/10
  • 対象年齢層:25~55才
  • リーチした年齢層:
    1位 45~55才/2位 25~34才/3位 35~44才
  • より多くリーチしたプラットフォーム:Facebook
  • 検証期間:2022/07/11~2022/07/21
  • 対象年齢層:25~55才
  • リーチした年齢層:
    1位 45~55才/2位 25~34才/3位 35~44才
  • より多くリーチしたプラットフォーム:Facebook

結果:小さくても登壇者の写真はあった方が、クリック単価を抑えられた

登壇者の顔写真を入れた方が10.8%クリック単価が低いという結果が出ました。テキストとイラストの構成だと大人しい印象に仕上がっているため、顔写真を入れることでアクセントになり、目に止まりやすくなっているのかもしれません。

検証 その3:写真とイラスト、どっちがクリックされる?

ロフトワークのサイト内の各ページのキービジュアルの多くは、プロジェクトで作成したアウトプットの写真や、プロジェクトの様子が伝わるような写真を使用しています。しかし、記事の雰囲気を伝えるには十分でも、広告画像としてクリックされるか?という判断基準で見た時に、必ずしも最適な写真とは言えない場合もあります。

そんな時、タイトルや記事の内容からキーワードを抜き取り、そこから想起されるイメージをイラストに置き換えてビジュアルを制作することがあります。これは、写真という具体的なイメージを、イラストに置き換えてイメージを抽象化することで、より多くの人のアテンションを引きつけるねらいがあります。

しかし一方で、広告はわずか数秒しかタッチポイントがないため、発信する側がイラストで意図したイメージと受け手の関心や趣味・趣向がマッチしなければ、クリックしてもらえないというリスクがあります。特に、ロフトワークでは「組織デザイン」や「人材育成」のようなtoB向けのコンテンツを扱うことが多く、イラストや写真によってひと目でテーマを伝えるのが難しい。そのため、写真の方が良いのか、イラストで抽象化した方が良いのか、ビジュアルのアイデアを出す際は大いに悩みます。

そこで、「組織デザイン」や「人材育成」に関する記事をピックアップし、写真とイラスト、どちらが多くクリックされるのか、2つの記事広告で、それぞれABテストを行いました。今回は、どちらの記事もゲストの先生が著書を出版していたので、書影写真とイラストで比較しています。

※書影が使用できない場合どんな写真が有効なのかは、今後さらなる検証が必要

検証内容:具体的なビジュアルをイメージしづらいテーマでは、写真とイラスト、どちらがクリックされるのか?

  • 検証期間:2021/09/23~2021/09/30
  • 対象年齢層:32~55才
  • リーチした年齢層:データ不足のため不明
  • より多くリーチしたプラットフォーム:Instagram
  • 検証期間:2021/09/30~2021/10/07
  • 対象年齢層:32~55才
  • リーチした年齢層:データ不足のため不明
  • より多くリーチしたプラットフォーム:Facebook
  • 検証期間:2021/11/11~2021/11/22
  • 対象年齢層:32~55才
  • リーチした年齢層:データ不足のため不明
  • より多くリーチしたプラットフォーム:Instagram
  • 検証期間:2021/11/11~2021/11/22
  • 対象年齢層:32~55才
  • リーチした年齢層:データ不足のため不明
  • より多くリーチしたプラットフォーム:Instagram

結果:両記事とも、書影写真の方がクリック単価が低かった

組織デザインでは-56%、人材育成では-33.8%と、いずれも書影写真の方がクリック単価が低い結果となりました。
また、組織デザインをテーマにした広告では、書影写真とイラストでプラットフォームに差が出ており、人材育成をテーマにした広告では、どちらもInstagramでよく配信されました。その両方で写真の方がよくクリックされていることから、写真(書影)の方がクリックされやすいと言えそうです。
ただ、一方で、イラストを使用した広告はターゲットの世代や趣味・趣向によって効果が変わることが予想されるので、もう少しいろいろな種類の広告で検証が必要かもしれません。

まだまだつづく、検証の日々

いかがだったでしょうか? さまざまな意見や、検証の余地はたくさんあると思いますが、ここで挙げた内容が何かの参考になれば嬉しいです。

デジタル広告の担当になって一年。これからも、ロフトワークが発信している情報を必要としている、一人でも多くの人に届けられるように、一つ一つ検証を繰り返していこうと思います。

最後に、広告用に作成した画像はロフトワークのInstagramにもアップしています。これからもイベント情報やプロジェクト情報など、いろいろな情報を発信していきますので、ぜひフォローしてください!

Next Contents

知財コミュニケーションをリデザイン!
忖度なしのギャル式ブレストで「契約書」を考える