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2021.01.18

これからの組織のあり方を共に考える。共に創る。
vol2. 対話から作る将来のかたち

「これからの組織のあり方を共に考える。共に創る。」をテーマに、全6回に渡りお届けするシリーズ「めぐるめぐる」
小川が担当したVol.1「めぐりの回復」では、社内で心の価値観ーマインドアイデンティティを共有することが、これからの組織づくりには欠かせないということをお伝えしました。
2回目となる今回は、ではどうすれば“めぐり”が回復し、それでどのような効果を得られていくのか。小島の思うところを綴ります。

Illustration:サン

めぐる めぐる

“もし、私たちが、人間性にあふれた世界に存在することができれば、一体何を実現できるだろう。”

(『ティール組織』フレデリック・ラルー著, マーガレット・ウィートリー&マイロン・ケルナー=ロジャーズ「もっとシンプルな方法」より著者抜粋, 鈴木立哉訳, 栄治出版社, 2018年)

連載企画「めぐるめぐる」について

この連載は、「これからの組織のあり方を共に考える。共に創る。」をテーマに、全6回に渡りお届けいたします。連載を担当するのは、ロフトワーク京都のプロデューサー小島和人とアートディレクター小川敦子です。それぞれが中小企業を中心に、ブランディング、新規事業立案、イノベーション改革という命題に応え、クライアント企業と共に並走してきた2人です。

変化はチャンスと捉え、ぜひ、私たちロフトワークと共に、これからの新しい組織ブランディングーインナーブランディングについて考えてみませんか。

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小島 和人(ハモ)

Author小島 和人(ハモ)(プロデューサー / FabCafe Osaka(仮)準備室 )

アート作品を作らないアーティスト「ハモニズム(作家名)」。通称「ハモさん」 建築施工管理、デザイナー、プランナー、アーティストという経歴をたどり、多様なものから着想を得て繋げることで先入観を取り除き、変化するためのプロジェクト設計を得意とする。 デザイン経営、サーキュラーデザイン、新規事業支援など幅広くプロデュースを手掛けるが、共通して「なにか新しいことをしたい」時に駆り出されるプロデューサー。口癖は「人の欲望と向き合う」。都市で暮らす事にこだわり、夏場は大阪市内の河川で40cmを超える黒鯛を数十匹釣り上げる。

Profile

“対話”ができていますか?

ずっと一緒に過ごしている人からの言葉は、聞き取る時の感覚が“日常化”あるいは”聞く耳を持てない”状態になりやすく、“対話”をするのが難しい。ピンと来ない方は自分の家族を思い返してみるとどうだろうか?

日常的な会話はできていても、相手との価値観の違いを理解し、共感し、自身の価値観に変化を促すような“対話”は少なく、ささいなことで価値観の違いから衝突が起きてしまいます。むしろ、初めて出会った人との方が”対話”が成立します。

「“会話”はあっても”対話”ができていない状態(できない状態)」

そのような状態になっていることにすら気づけていないのではないでしょうか?

場所を変える、外部メンバーを混ぜることで「立場の仮面」を外す

どうやって距離が近い人と対話ができる状態を作ればいいのでしょうか。

これは、「組織の人間である。」「〇〇という役職である」という「立場の仮面」を外して一人の個人としてそれぞれが話せる状態を作れるかどうか。だと思います。

仮面をつけている限り、本心は出ません。

仮面を外すために、会議室から場所を変えてみる。例えば喫煙所は簡単に仮面を外せる場所だと思います。吸わない人はダメですが。靴を脱いで地べたに座れる和室なんかも発想が変わります。

Loftworkには、目的に応じた色々な空間があります

Loftwork Kyotoの和室:靴を脱ぐことで、開放されます。
FabCafe Kyoto:カフェで雰囲気をかえることも効果的です。
COOOP3:緩急も大事。渋谷オフィスには短期集中でプロジェクトを大きく前進させるウォールームを併設。

あるいは、社外メンバーを入れて、対話を促すとより効果的です。

ロフトワークでもこれまで、外部メンバーを対話(例えば、ワークショップなど)の場に加え、多様な部署を交えたチームでのサービス創出や企業のビジョンを導き出すプロジェクトを手がけてきました。

プロジェクトでは「普段、そんなことを考えていたんですね。良いですね。」という会話が生まれます。日常業務の中では見えない個人のひととなりや、考えを相互に共有・共感し、尊重しあうやシーンを作れるよう設計しています。

相互の価値観の共有ができていれば、プロジェクトが終わって通常業務に戻っても引き続き“対話”ができる状態になります。こうなれば一緒に会社の将来を考えられるのです

広く柔軟な視点と対話力は、新規事業やサービス開発といった「改革」だけではなく、業務効率化や品質計画の見直しなど、日々の「改善」にまで、メリットをもたらしてくれるのではないでしょうか。

いかに、組織内の立場の仮面を外すことができるか。
いかに、多様な思考が張り巡らされている状態を作れるか。

対話し、価値観を共有試合ながら、僕たちは組織の“めぐり”の流れを良くしていきたい。

新しさを作る時に生じるギャップを埋めるのは“対話”

「何か、新しい事をしないといけない」
「今までと、やりかたを変えないといけない」
「モノ売りから、コト売りにしないといけない」

こういった相談をたくさん聞いてきました。

それに応じる形でこれまで、私はデザイナーとして、プランナーとして、プロデューサーとして、新しいプロジェクトを手がけてきました。プロジェクトを進める中で、共通し浮かび上がる課題は、社内で担当者外の理解が得られず「他人事」かのように扱われ、サポートがあまり得られないという現象です。

新しいチャレンジをするチームと、そうでないチームのギャップは、プロジェクトが進むほどに大きくなります。

「自分は関係がない立場だから、なにもしない。」という「立場の仮面」が発生します。

このような経験を通じて、組織が一体となって新しいチャレンジができる状態にしておくべきだと、考えるようになりました。新しいことにチャレンジするときには、何のために、誰のために、新しいチャレンジをするのか?じっくりと、対話を通じて理解し合うことが大切です。
また対話をしているつもりでも、一方的に話し続ける人は他人の価値観に気づけません。

じっくり、誠実に、対話をしていきたい。
同じような課題でお悩みの方、まずは私と対話してみませんか?

オンライン相談はこちら>>

さて、次回は、対話を通じたブランディングについて、お届けしたいと思います。

Member

小島 和人(ハモ)

株式会社ロフトワーク
プロデューサー / FabCafe Osaka(仮)準備室

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小川 敦子

株式会社ロフトワーク
アートディレクター

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The KYOTO Shinbun’s Reportage
京都新聞論説委員が見る京都ルポ「課題の価値」