「3Dプリンターならイグアス」のポジションを目指した、新たな情報発信基盤の構築
Outline
業界の中でも一番に選ばれる会社へ。3Dプリンターの知識を広めるコンテンツの拡充
3Dプリンターの製品が増えていく中、利用者の認知がまだまだ十分でなく、知識がない人にも理解できるコンテンツをWebサイト内で発信していきたい。一方で、既存の仕組みと体制では思うような情報発信ができない課題を抱えていました。
このような状況を改善するため、CMS導入によりタイムリーな情報発信ができる運用基盤を実現し、「3Dプリンターならイグアス」というポジションの獲得を目指し、サイトリニューアルへと動き出しました。
プロジェクト概要
- 期間
2014年3月〜2014年8月 - 使用ツール
Concrete5 - 対象サイト
http://www.iguazu-3d.jp/ - 課題
3Dプリンターの認知がまだまだ十分でない
既存の仕組みと体制では思うような情報発信ができない
取り扱い製品が増えるにつれて、更新作業が煩雑になる - 目標
知識がない人にも理解できるコンテンツの充実
「3Dプリンターならイグアス」というポジションの獲得
CMS導入による効率的な運用基盤の確立 - 成果
CMS導入によりタイムリーな情報発信ができる運用基盤を実現
ショールームへの来客数はリニューアル前の2倍以上に増加
全ての情報が集約され、営業ツールとしてWebの活用も可能に
Outputs
Webサイト「iGUAZU 3D SITE」
Process
「3Dプリンターならイグアス」のポジションを目指して、新たな情報発信基盤の構築をスタート
※内容やお客様情報、担当ディレクター情報は本記事公開時点のものです。現在は異なる可能性があります。
太田(ロフトワーク) まずはサイトの立ち上げ経緯からお聞かせください。
上野(イグアス) もともとポータルサイトを持っていましたが、3Dプリンターが注目されてアクセスが増える一方で、思うように情報発信が行えていませんでした。企業サイトとして共通化されているデザインのために、ページの作成に制約が多いという問題もありました。もう少し洗練された使い勝手がよいWebサイトを作りたいという思いからスタートしたプロジェクトです。
木村(イグアス) 各ページが機器紹介リーフレットをそのままWebページにしたものからスタートして、そこに肉付けしていった形だったので、取扱製品が増えるにつれて更新が煩雑になってきたのも理由の一つです。
太田 新しいWebサイトについて具体的なイメージはありましたか?
上野 まだまだ3Dプリンターの認知は低いので、知識がない人にもわかりやすいサイトを作りたいと考えていました。3Dとは?3Dプリンターとは?から始まって、初めて来た人にも興味を持ってもらい、リピートにつながるようなサイトです。
長門(イグアス) 日本人が3Dプリンターの情報を得ようとしても、十分な情報を得られる場所がないのが現状でした。
また、初めて3Dプリンターを使って事業をしたい人は、何をどう選定したらよいかわかりません。「3Dプリンターならイグアス」というポジションを目標に、とにかく情報を豊富に提供し、サイト内で目的を達成してもらえることを目指しました。
太田 サイトのターゲットユーザーやコンセプトについて議論するために数回にわたるワークショップを実施しましたが、いかがでしたか?
吉澤(イグアス) 3Dビジネスをはじめて5〜6年が経過していましたが、実は、全体を俯瞰してどういうコンセプトでやっていくべきか。というのをきちんと考えたのは、今回のワークショップが初めてでした。このビジネスを始めて以来製品が増え続け、どんどん忙しくなっていくので、自身の仕事を見つめ直す意味でもよい機会となりました。
太田 そうだったんですね。ワークショップでゴールの共有ができたことに加え、みなさんのお考えを色々とお聞きして、私としても、さらに議論がしやすくなるのを感じました。
安心、信頼、品質を重視したデザインと情報のわかりやすさに配慮した設計
太田 「3Dプリンターならイグアス」をいうポジションを目指して、デザイン面では安心感、信頼感に加えて、品質感を重視しました。「イグアスに相談してみよう」「イグアスなら大丈夫」と感じてもらえるサイトにするのが狙いです。デザインをご提案した際には、背景から情報設計の考え方までをドキュメント化してご説明しました。
また、余白を広めに取る、画像を大きく扱うなど、最近のトレンドに則った海外サイトをリファレンスに、目的の情報に集中しやすい見せ方を工夫しました。フォントのジャンプ率を意識したのもその一つです。
上野 我々はWebサイトについては素人ですから、最終ゴールとなる「3Dプリンターならイグアス」というポジションまで、実際にどう持っていけばいいのかわかりません。だからこそ、プロジェクトマネメントができるロフトワークを選んだのです。デザインに限らず、一般の人にも伝わりやすく、しっかりと伝わる言葉の選び方なども相談できて助かりました。
太田 業界では標準的に利用されている言葉を、知識のない人でもわかる言葉に置き換える必要がありました。ワークショップでも、Webサイトの構成を考える以上に、どのような表現をするとわかりやすいかについて時間をかけて議論しました。
もうひとつ、今回のWebサイトでユニークだと感じているのが、カタログのダウンロードに個人情報が不要なことです。通常BtoBのWebサイトですと、リードを獲得するためにダウンロード系のコンテンツは個人情報をいただくことが多いのですが、どのような経緯で収集しないことに決められたのでしょうか。
吉澤 個人情報を取る取らないは内部でも確かに議論にもなりましたが、最終的にショールームに来てもらうことをゴールに設定しました。当社は販売店に売っていただくわけなので、カタログぐらいは自由にどんどん見ていただこうという考えです。
CMSにはConcrete5を採用し、担当者によるタイムリーな情報発信が可能に
太田 CMS導入も今回の目標の一つでした。御社の実現したいことと使い勝手のバランスから、Concrete5をお勧めしましたが、使用感はいかがですか?
木村 Concrete5でなかったら、ここまで短期間で我々のやりたいことを実現できていなかったでしょう。ブロック単位でコンテンツを登録でき、見たまま編集が行えるのでスピード感が違います。
長門 今までは木村さんのチームに素材を渡して、そこから複数回のやりとりを経て公開していたので、タイムラグもあるし煩雑でした。今は自分たちで更新でき、タイムリーに情報発信が行える体制が実現しています。
太田 3Dプリンターのことが9割わかって帰れるサイトにしたいというリクエストを受け、商品詳細ページは非常に情報量が多くなっています。これだけの情報を本当に準備できるのか半信半疑でしたが、登録方法をお伝えした数日後には見事に埋まっていて、こんなに使っていただけるなら設計して良かったと思いました。
プロジェクトの成果
太田 公開後の手応えはいかがですか?
長門 公開後それほど時間が経っていないので、まだ判断はできませんが、ショールームへの来客数が増えています。リニューアル前は、1日1件あるかないかという程度でしたが、リニューアル後は、1日必ず2〜3件入るようになりました。
特に、ここ10日間は、自席に座るヒマがないほどです。しかもサイト上である程度情報を得ているので話が進めやすく、興味本位よりは、明確な目的を持って来られる方が増えた印象です。以前のように3Dプリンターとは?からご説明する必要もありません。
上野 営業ツールとして活用できるサイトになったと営業現場からも好評です。パワーポイントを出力しなくても、お客様先でパソコンを使って説明できるし、動画も見せられます。
吉澤 カタログが手元にないときにも、「ここを見れば全部載っています」と言えるのはこころ強いですね。
太田 今後の展開・次の計画などはありますか?
木村 弊社で運営する別のWebサイトを今回のデザインに寄せる形でリニューアルしたいという話があります。
上野 パートナー連携を強化するための専用サイト構築も検討しています。今回のリニューアルがよい意味で、弊社のWebサイトの展開を加速させています。
太田 新しい動きが出てきたということは、今回のサイトが評価された証拠ですね。関係者の一人としてうれしいです。引き続きロフトワークでもご支援できればと思います。本日はありがとうございました。
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