家業イノベーションラボ実行委員会 PROJECT

家業後継者と共助コミュニティの「出会い」をデザイン
「家業イノベーションラボ」Webリニューアル

Outline

NPO法人ETIC.、NPO法人農家のこせがれネットワーク、エヌエヌ生命保険株式会社の三社は、全国の家業後継者が集まるコミュニティ『家業イノベーション・ラボ』を運営。家業の伝統を守りながら、イノベーションによって次代に向けて事業を成長・継続させることを目指し、経営のノウハウやナレッジを共有したり、メンバー同士が交流したりするためのワークショップやイベントを開催しています。

三社は家業後継者のコミュニティ参加をさらに促進し、共助の輪を広げていくために、家業イノベーション・ラボのWebサイトリニューアルを決定。パートナーとして、クリエイティブ・プロジェクトによって中小企業のデザイン経営導入を推進しているロフトワークを選定しました。

今回のWebサイトリニューアルでは、限られたリソースとコストで最大の効果を得るために「MVP(Minimum Viable Product)」の考え方を取り入れたプロジェクトデザインを実践。約3ヶ月間で、タグラインの刷新からWebサイト構築までを実現しました。

プロジェクト概要

  • プロジェクト期間:2021年1月〜2021年3月
  • クライアント:家業イノベーション・ラボ実行委員会
  • 体制
    • プロジェクトマネジメント, テクニカルディレクション: 川竹 敏晴
    • クリエイティブディレクション:金子 由
    • コピーライティング:萩野 格
    • Webデザイン, テーマカスタマイズ:西岡 由美

Outputs

タグライン/ステートメント

コピーライティング/萩野 格

「情緒」と「戦略」で訴えるタグライン設計

本プロジェクトでは、要件定義フェーズからコピーライターが参画。ワークショップを通じて、運営メンバーが考えるコミュニティの「あるべき姿」「ありたい姿」に関連する言葉を拾いあげながら、タグラインを構築しました。「めぐり会い」という情緒的表現と、「再発明」というイノベーションを想起させる戦略的キーワードを結びつけることで、読み手に程よい違和感を生み出しています。

「めぐり会い」・・・提供価値
テクノロジー、異業種の知見、先人の知恵、仲間…それらとの出会いが、家業の事業、そして社長自身に、新たなインスピレーションを与えてくれる。そんな運命的な出会い(=「めぐり会い」)が未来の家業革新の始まりに。

「再発明」・・・コミュニティの意思(ビジョン)
「家業のコア(本質)を守りながら、イノベーションを起こす」という意思から「再発明する」という動詞を選定。また、「再発明する」には「後継の社長自身が、家業を再発明する」「家業イノベーション・ラボが、日本の家業のあり方を再発明する」などの複数の主語がかかっている。

Webサイト

「どんな人がコミュニティに所属しているのか」がひと目でわかるよう、主催者やメンバーの顔や人柄がわかるトップページ。象徴的な六角形モチーフは、既存のロゴマークから展開。ブランドイメージを統一し、ビジュアルを印象的なものにしています。
Aboutページではメンバーの活動内容を紹介。初めて訪れる人に向けてどんなコミュニティなのか、イメージを具体的に伝えています。

WordPressテーマのカスタマイズで、工数削減しながら更新性を担保

Web構築の工数を抑えながらデザイン性とWebの更新性の両方を担保するために、CMSにWordPressを採用し、さらにWordPressテーマの中から家業イノベーション・ラボの情報構造に適した国産テーマ「Snow Monkey」を選定。Snow Monkeyのカスタマイズに精通したWebデザイナーを起用しました。

最も訴求力を高めたいTopページとAboutページは、カスタマイズによって写真や映像を活かしたビジュアルリッチな表現に。一方で、イベント詳細ページや一覧ページは、Snow Monkeyのテーマに備わっている機能をそのまま利用することで開発工数を大幅に削減しました。

さらに、WordPressのブロックエディタを採用したことで、サイト運用担当者にコーディングなどの専門知識がなくても幅広いレイアウトができる環境を実現しました。

バラバラだった導線を整理、わかりやすさと信頼感を向上

情報設計の改善点として、Topページにユーザーの主なアクションを集約するとともに、長年のサイト運用で増えすぎていたグローバルナビゲーションのメニューを整理。Aboutページへの導線を強化したことで、初めて訪れた人にも「何のコミュニティなのか」が伝わりやすくなりました。

さらにAboutページでは、コミュニティ参加へのコンバージョンを高めるための工夫として、コミュニティメンバーの顔と活動内容が伝わるコンテンツを配置。ユーザーに信頼感・期待感を与えながらメンバー登録フォームへと誘導しています。

Challenge

開発工数を抑え、コミュニケーションデザインに注力。限られたコストとリソースで最大の効果を得るWebサイトリニューアル

家業イノベーション・ラボは、家業後継者に向けたイノベーション支援活動を最大化することを目的に、Webリニューアルを実施。一方で、プロジェクトにかけられるリソースとコストには強い制約がありました。そこで、プロジェクトチームはWebサイトを分析。リニューアルで解決するべき課題を以下の2点に絞りました。

Webサイトリニューアルの課題

  • ユーザーがWebにアクセスしても、何をやっているコミュニティなのかが伝わりづらく、信頼感を得にくい。
  • イベント参加後にWebサイトに訪問したユーザーが、どうやってコミュニティに参加登録すればいいのかが分かりづらい。

目指したのは、ターゲットとなる家業後継者にとってわかりやすく、かつコミュニティの魅力が伝わるWebサイトです

コミュニティの魅力を伝えるためには、情報の鮮度も重要です。イベント開催やニュース更新といった活発な活動をともなうWebサイト運用には、CMSの導入は必須でした。

さらに、CMSの開発工数を抑えるために国産WordPressテーマ「Snow Monkey」をカスタマイズ。開発を省力化した分、タグラインの制作とデザイン・UXの品質向上に注力し、コミュニティの「らしさ」と「信頼感」を実感できるWebサイトが完成しました。

Outcome

2021年4月に実施したリニューアルの効果は、早くもコンバージョン数という形で現れています。公開後3ヶ月間のメンバー数の増加ペースはこれまでと比べて3倍以上となり、新たな家業を担い手同士の出会いをサポートしています。 また、その影響は、新規メンバーのみならず、既存のメンバーに対するエンゲージメントをも高めているようです。

以下は、リニューアルした家業イノベーション・ラボのWebサイトに対する、既存メンバーからの声です。

すごくおしゃれで綺麗なホームページになって、載せていただいたことをとても嬉しく思っています。 今後、イノベーターやラボメンバーの対談記事のようなコンテンツがあると、さらに多くの人に興味を持ってもらえると思います。

—一鱗共同水産株式会社 本間 雅広 様

新しいウェブサイトは動きもあり、コピーも含めて「ワクワク」を感じさせるサイトになったと感じました。「家業を再発明」というコピーは、まさにこの家業イノベーション・ラボで起こっている現象を表していると思います。

—MiYO ORGANIC 山本 美代 様

Voice

「自分たちは何を目指すのか」改めて共通認識を持てた

エヌエヌ生命保険株式会社 保谷 友美子さま

ウェブサイトのリニューアルを進める中で浮き彫りになったのが、当活動の存在意義でした。2017年に立ち上げた当活動が少しずつ変化して行く最中、ロフトワークさんにファシリテーションに入っていただきながら「自分たちはどういった団体なのか」「何を目指すのか」を言語化するための議論をしたことで、改めて共通認識を持てました。

家紋のロゴをうまく活用した斬新なデザイン、「イノベーション」と「ラボ」という団体らしさを汲みこんだタグライン、ステートメント。機能面もユーザーフレンドリーな仕上がりで、非常に満足してます。プロジェクトに携わっていただいたロフトワークの皆さま、本当にありがとうございました!

関係者の負荷は最小限に、パーパスを汲んだデザインを実現

NPO法人農家のこせがれネットワーク 代表理事 宮治 勇輔さま

これまでWEBサイトのリニューアルには何度か携わった経験がありましたが、「本当にやっかい」というイメージを持っていたために、始まる前は不安感の方が大きかったです。

プロジェクトのスタートはワークショップ形式で、重要なポイントや変更したい点などをお互いにしっかりと認識するところからでした。活動のパーパスをしっかりと汲み取って、デザインとタグラインに反映して頂けたことが大変ありがたく、格段にサイトがわかりやすくなりました。こちらの負担も最小限で助かりました。

数々の実績を持つロフトワークさんにお願いできて良かったと思いました。ありがとうございました。

Member

川竹 敏晴

株式会社ロフトワーク
テクニカルディレクター

Profile

金子 由

株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター

Profile

メンバーズボイス

“今回のプロジェクトデザインの最も重要なポイントは、受注する前に「今回はフルオーダーメイドではなくセミオーダーメイド」という共通認識を持てたことでした。この前提を踏まえて、私自身のCMS勉強会の企画・開催のノウハウやコミュニティのネットワークも駆使しながら「顧客が本当に必要だったもの」を目指しました。”

川竹 敏晴 株式会社ロフトワーク テクニカルディレクター

“普段からコミュニティー作りを実践されている家業イノベーション・ラボの皆様とは、とても早い段階で良いチームの雰囲気作りができました。短い期間のなかでざっくばらんに話し合い、全員が細かい粒度で課題感や将来像を共有し合えたことが、このプロジェクトの肝だったと思います。
Webサイトを通して、団体のみなさんの思いや熱量が1人でも多くの経営者へ届き、コミュニティーへの参加を検討している方々の背中を押すことができれば嬉しいです。”

金子 由 株式会社ロフトワーク クリエイティブディレクター

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