共立ホールティングス株式会社 PROJECT

動物・人・社会に寄り添う。伴走で見出した企業姿勢を表現
共立製薬コーポレートサイトリニューアル

Outline

共立製薬株式会社は、1955年の創業以来、ペットや畜水産動物用の医薬品やワクチンの製造・販売を通じて、動物医療におけるさまざまな問題に取り組んでいます。2019年、共立ホールディングス株式会社のもとに新たにグループ広報部が発足。デジタルマーケティングに対する期待の高まりを受け、コーポレートサイトのリニューアルも決定しました。新たな取り組みであったため、Webサイトで何を目指すのか、目的や課題の策定からプロジェクトをスタートさせました。

ロフトワークは、目的や課題、企業の特色の洗い出し、ペルソナやカスタマージャーニーの作成、掲載情報の精査などを支援。共立製薬におけるWebサイトの役割の策定から伴走し、サイト構成・デザイン・コンテンツへ反映することで、新たなコーポレートサイトを実装しました。

プロジェクト概要

  • 支援内容
    コーポレートサイトリニューアル(プロジェクトマネジメント計画書、プレ要件定義、要件定義、リニューアル・デザイン方針策定、サイト構成、システム要件設計、画面設計・デザイン、コーディング、テンプレート開発、コンテンツ制作、コンテンツ移行・登録)
  • プロジェクト期間:2020年10月〜2021年6月
  • クライアント:共立ホールディングス株式会社
  • プロジェクト体制
    • 要件定義フェーズ プロジェクトマネージャー:村岡 麻子 
    • 実装フェーズ プロジェクトマネージャー: 多田 麻央
    • プロデューサー:藤原 舞子
    • テクニカルディレクター:伊藤友美
    • ディレクター:菅沼 遥 金子 由 飯島 拓郎 (以上、株式会社ロフトワーク)
    • デザイン制作:株式会社エヴォワークス
    • コーディング・CMS開発:株式会社ネクストページ
    • メインビジュアル制作:松田 奈津留

執筆:野本 纏花
編集:後閑 裕太朗・山口 謙之介(loftwork.com編集部)

Outputs

共立製薬株式会社コーポレートサイト

共立製薬株式会社コーポレートサイト

https://www.kyoritsuseiyaku.co.jp/

Process

社内を巻き込み、見えなかった課題をプレ要件定義で発見する

現場でのコミュニケーションに力を入れてきた同社は、オンラインの情報発信の場であるWebサイトについて、明確な課題が現れていませんでした。また、リニューアルの方針を定める過程で、コアメンバーである広報部だけでなく、社内のステークホルダーを巻き込みながら、「なぜWebサイトをリニューアルするのか」を共に考える機運づくりや合意形成が必要でした。

プロジェクト全体のフロー

そこで、新サイトの要件定義に入る前に、同社が今後のありたい姿を目指すにあたり、現状検討すべき課題の洗い出しと、Webサイトの役割の策定に向けた「プレ要件定義」を実施。コアメンバーが持つ情報を整理する事前ヒアリング、社員が感じている現状課題と未来像を把握するための社内アンケートに加え、それらを整理・相対化するワークショップを行いました。

ワークショップでは、まずプロジェクトのコアメンバーとともに、同社の「5年後にありたい姿」を描き、バックキャストで現状を整理しながら、Webサイトで貢献できる要素を抽出しました。その後、各部門長を交えた社内メンバーとも課題を検討することで社内の合意形成を満たしながら、「企業像の確立」「各ターゲットに向けた情報の充実」「信頼獲得・知名度の向上」という、Webサイトで解決すべき3つの優先課題を発見したうえで、Webサイトの役割を策定しました。

「プレ要件定義」フェーズの実施プロセス

事前ヒアリングから抽出された検討すべきテーマ

現状課題(AS-IS)の整理

これから目指す未来像(TO-BE)の整理

課題の優先度をつけ、3つに分類

それぞれの課題を体系化し、Webサイトリニューアルの目的を策定

​​また、Webサイトの課題発見と同時に、運用するサーバーやセキュリティポリシーなどのインフラ面について、テクニカルディレクターによるヒアリングを実施。将来の安定的なWebサイト運用に向けた基盤整備も行いました。

コーポレイトサイトのあり方を検討し、コンセプトを決定する

「要件定義」では、事前に行った競合・トレンド分析やヒアリングからペルソナとカスタマージャーニーマップを作成。これを用いて部門担当者と認識をすり合わせ、主な対象とするべきユーザー層の分析や伝えるべき情報の洗い出しを実施しました。さらに、外部サービスサイト(畜産ナビVRAINERS®等)との役割分担も確認し、コーポレートサイトに必要な情報の優先度を精査していきました。

要件定義フェーズのプロセス

各課題に対して、Webサイトで貢献できる施策をそれぞれのワークを通して検討

ワークの結果から、対象とするユーザーと掲載する情報を振り分け

検討の結果、コーポレートサイトのメインユーザーを「共立製薬をよく知らない層」と定め、掲載する情報を、企業理念や事業の説明、社会との関わりといった内容に絞りこんでいます。一方で、獣医師や生産者に向けた専門性の高い情報は、サービスサイトにまとめることとしました。

さらに、ワークショップでの社員の回答を通じて、「お客様との絆を大切にしていること」や「ヘルスケア全般を考えている誠実な姿勢」という、共立製薬の特色を発見。リニューアルのコンセプトを「動物に関わる全ての人に寄り添い、動物・人・社会の絆を深める。」と定義しています。

リニューアルコンセプトと必要な要件の整理

Point

コンセプトを一貫させ「動物にも、ユーザーにも寄り添う」企業像を表現

リニューアル時のデザインについて、リニューアルコンセプトをベースにしながら、ユーザーにどのような印象を抱いてもらうか、より具体的なイメージに落としこむため、以下の3つを「クリエイティブコンセプト」として策定。この方針に従って、サイトのデザインを設計しました。

  • リーディングカンパニーとしての先進的かつチャレンジする姿勢
  • 動物に関わる全ての人に寄り添ってくれる安心感や頼もしさ
  • 動物・人・社会、全ての絆をより深いものにしてくれる包容力

例えば、サイト全体でかわいらしく親しみやすいアイコンを随所に配置し、丸みを帯びたデザインや柔らかなテクスチャを採用することで、人と動物との絆や、共生につながる「寄り添い」のニュアンスをイメージしています。

そして、色構成は明るい青や緑を基調とすることで、製薬会社として信頼を感じさせ、ユーザーに対する誠実・清潔な印象を表現。さらに全体にグラデーションを取り入れることで、業界のリーディングカンパニーとしての先進性を可視化しました。

またサイト内の画像においても、過度な加工を施さず、自然かつ爽やかな印象を目指しています。

メインビジュアルでは、ペット・畜水産動物・人間が共生するシーンを描き、「動物と人の進む道を創る」メッセージとともに、共立製薬の事業領域を表現しています。

言葉や画像から社会やステークホルダーへの企業姿勢を示唆

サイト内で使用する画像の選定や言葉の表現においては、「消費者主体の視点に偏らない」ことをポイントとしています。あらゆるステークホルダーや社会との関係を大切にする、共立製薬の企業姿勢やリニューアルコンセプトが自然と滲み出るための工夫です。

例えば、ナビゲーションラベルには「ペットの健康を支える」「畜水産業の発展を支える」といった、動詞的な表現を用いています。これは「ペットが健康でいることが、オーナーの幸福にもつながること」や「畜水産動物の疾病を予防することで、食の安全・安心が守られること」などを考慮した表現となっています。

また画像についても、ペットや畜水産動物の写真を中心に、「動物が人の暮らしや営みと関わっている様子」を想起させるものを採用しています。

ライティングや画像コンテンツの一例

ライティングや画像コンテンツの一例

対象ユーザーごとにセグメントを分けた情報発信

要件定義で明確にしたコーポレートサイトの「対象ユーザー」が、それぞれ求める情報に迷いなく辿り着けるよう、カテゴリーの整理と十分な導線設計を実装しています。

ナビゲーションラベルをクリックすると表示されるメガドロップダウンメニューからは、「共立製薬の事業説明」や「対象ユーザーが知識として役に立つ情報」へアクセスできるようになっています。また、それ以外の情報は各サービスサイトに集約されています。

運用・保守のしやすさを最優先したCMSの選定と設計

今後のクライアント自身の運用・保守のしやすさに配慮した適切なCMSの選定を行い、「WebRelease2」を導入しています。

既存サイトのページ数が今後も追加されても10年単位で使い続けられることを目標に、拡張性に優れ、大規模なサイトの構築に豊富な実績をもつ製品を選定しました。
記事の作成から公開までを管理する承認フローを設置し、今までWebの運用業務に携わってこなかった社内のメンバーでも安心してWebの運用に参加可能となりました。自ら運用に参加することで、社内のデジタルマーケティングへの意識も高まることが期待できます。

また、製品一覧ページではCMSへの登録情報をデータファイルとして書き出し、製品の絞り込み機能を実装しました。「50音順」「対象動物」「カテゴリ」という検索しやすい3軸を用意し、検索結果を即時表示することで、探している製品が見つけやすいUXを体感できます。

Member

村岡 麻子

株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター

Profile

多田 麻央

株式会社ロフトワーク
クリエイティブDiv. シニアディレクター

Profile

藤原 舞子

株式会社ロフトワーク
プロデューサー

Profile

伊藤 友美

株式会社ロフトワーク
テクニカルディレクター

Profile

菅沼 遥

株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター

Profile

金子 由

株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター

Profile

飯島 拓郎

株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター

Profile

メンバーズボイス

“今回のサイトリニューアルでは、最初の要件定義が正念場でした。
広報担当者はいずれも社歴の浅いメンバーで、社内をどう巻き込みながら進めていくか悩んでいたところ、ロフトワークの方に「プレ要件定義」から取り組むことをご提案いただき、目指す方向性について1つずつ社内の共通認識を形作っていけたことが結果としてプロジェクトの完走に繋がったと感じています。
サイトの仕上がりにおいても、共立製薬の新たな経営理念「動物と人の進む道を創る」にマッチした誠実で温かなデザインにしていただき、またWebRelease2の使い勝手なども大変満足しています。
長期間のプロジェクトとなりましたが、ご尽力いただき誠にありがとうございました。”

共立ホールディングス株式会社 経営企画本部 グループ広報部
山崎さま・玉田さま

“Webサイトのリニューアルを行う過程で、今までの共立製薬を振り返り、これからの共立製薬がどうありたいか、どうあるべきかを共に議論させていただきました。
動物の健康、命に関わる方に、リーディングカンパニーとして「動物と人の進む道を創る」という理念に対する強い使命感や思いがあること、それをメインビジュアル、言葉、デザインによって表現し、伝えることができるWebサイトになったと思います。”

多田 麻央
株式会社ロフトワーク
クリエイティブDiv. シニアディレクター

“プロジェクト開始当初、テクニカルディレクターとしてコーディングの監修やCMSの設計などの製作工程をメインに携わらせて頂く予定でした。しかし、プレ要件定義でシステム面での課題や不安点も洗い出されたため、CMSのご提案から始まり、サーバ周りのインフラ面の相談、フォームサービスの導入まで様々なシステム周りのご提案をさせていただきました。
Webの技術を最大限に活かし、課題解決に向けてお客様と伴走した結果、数年先の未来の企業像をサイトで表現できたと思っています。”

伊藤 友美
株式会社ロフトワーク
テクニカルディレクター

“本プロジェクトは、コーポレートサイトのリニューアルをなぜ行なうのかを共立製薬のみなさんと見つめ直すところからスタートしました。
課題を考えるプレ要件定義から一緒に行わせていただいたことで、ご相談段階では見えていなかった社員の方々それぞれの思いや意見を発見しWEBサイトに反映できたことは今回の成果の一つです。新しいコーポレートサイトは社外の方だけでなく社内の方々にとっても、大切なコミュニケーション接点になったのではないかと思っています。”

藤原 舞子
株式会社ロフトワーク
プロデューサー

Keywords

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