FINDING
鈴木 真理子 2021.08.03

ロフトワークのリモートワーク実況中継 Vol.3
コミュニケーション不足の問題、どうしてますか。

コミュニケーションを活性化する、いろいろな実験

こんにちは! PRの鈴木です。
人と物理的距離をとらざるをえなくなった世界で、急速に普及したリモートワーク。ロフトワークではコロナ禍になって以来、基本的に、緊急事態宣言下ではフルリモートワーク、それ以外のときは週2日出社を行なっています。

これまで#PRブログでは、「ロフトワークのリモートワーク実況中継」として、オンラインでのミーティングのコツ、リアルイベントよりも盛り上がるオンラインイベントのレポートなどをお伝えしてきました。

しかし、1年半のリモートワークを経験してきて、なかなか手強い問題が横たわってるな…… と感じているのも、事実。

同じオフィスに毎日通っていた頃には、メンバーと仕事と関係ない話をして、仕事では見えない側面を知ったり、気軽に「ランチにいく? 飲みにいく?」と声をかけることが可能でした。目の前にいる相手がどういう人で、何を大切にしているのかを、同じ時間と空間をともにすることで、自然と知り、共感する空気ができていました。

しかし、今、オフィスで仲間たちと顔を合わせなくなって感じるのは、リモートワークは空間的・時間的に私たちを自由にしてくれたけれど、反面、その自由さがこれまでの濃密なコミュニケーションを減らし、メンバー間の親密さに変化がおきていること。雨粒が石を穿つように少しずつ、ゆっくり、と。

そこで今回は、リモートワークが主体のロフトワークで行われている「コミュニケーション活性化の方法」についてまとめてみます。

「これさえやれば、OKです!」というものではなく、私たちも試行錯誤真っ只中という、まさに“実況中継”の内容です。

Slack上で、雑談チャンネルを開設する

おそらく多くの職場で行われている試みから。オンライン上に雑談専用の場所を作る、です。

ロフトワークでは、オンラインコミュニケーションツールとして、Slackを使っています。Slackスペースには必ずチームやプロジェクトで「雑談スペース」が設けられています。

私が個人的に知っているなかで、一番盛り上がっているのは京都オフィスの「#kudaranai」チャンネル。チャンネル名そのまま、くだらないネタが毎日投下されています。でも、くだらない会話に、愛と友情がすけてみえるんです。

例えば、外でみつけた珍風景を報告したり… …

自身がはまっていることを報告したり… … 。

いくつかのSlackチャンネルを観察していて気づいたのは、チーム内の雰囲気づくりがうまくいってるグループには「それ、いつ使うのですか」と聞きたくなる面白いスタンプや、メンバーの変顔スタンプが、Slackにたくさんあること。

京都チームでは、スタンプで川柳を読むのが流行っていました。メンバー内輪ネタで恐縮ですが、ここで3句どうぞ。

実はロフトワーク全体でも、全オフィスのメンバーがはいっている#all-randamというチャネルがあり、軽い話題を提供したり、雑談する場もあります。しかし、150人超のチャンネルで、雑談をするのは勇気がいるゆえ、どちらかというと仕事よりの雑談が多くなっています。実際に雑談場として機能するには、少人数のチャネルのほうがやりやすいようです。

個人的には、関西人が2人いると、勝手にボケとツッコミにまわるので会話が回りやすいように感じます。

チームの朝会で、少人数のブレイクアウトルームを作る

リモートワークが続くなか、ロフトワークでは各チームで、毎朝オンラインで顔を合わせるStandup Meetingを行っています。ロフトワークのなかでも空間や場のプロデュースを行なっているLAYOUTチームは、チームの人数が17人と大チーム。しかも「SHIBUYA QWS」 や「100BANCH」、クリエイティブ・ミュージアム「AkeruE」などの拠点の運営を担当しているメンバーも多く、オフライン出社のときもなかなか一箇所に集まることができません。

そこでLayoutチームでは、ミーティングを行う時に、Zoomのブレイクアウトルーム機能を使い、小さなグループを作り、雑談をする場を設けているそう。

ブレイクアウトルームの様子。SHIBUYA QWS、AkeruE、自宅、と3人ともいる場所はバラバラ。
場の運営も行なっているLAYOUTチーム。背景だけで、どこにいるのかがわかるあなたは、ロフトワーク通です。

チーム全員で面白い本を紹介しあう、ビブリオトーク

クリエイティブ部門の原チームでは、チームビルディングとして、「ビブリオトーーク!」を開催。一人一人が、面白いと思う本を持って集まり紹介し、どの本が一番面白そうだったか、みんなでワイワイ言いながら決める会を月一でスタートしました。

オーガナイズしたディレクターの名川によると、本の紹介を通じて、メンバーそれぞれの「面白い」「興味」「わくわく」にダイレクトに触れることができたり、その人の原点となる本から、その人の人生が透けてみえたりしたそうです。会う機会(飲む機会?)がめっきり減った状況で、本を通じての会話は単なる雑談より、相手の深いところを知ることができそうです。

月に1回開催される、リアル社食

毎月、外部のシェフの方を招き、ヘルシーで美味しいランチをいただく「社食」は、今も感染対策をしながら少人数で続いています (緊急事態宣言下は除く)。先月は、中目黒「のひのひ」さんに野菜たっぷりのできたてランチをオフィスで作っていただきました。 

左からのひのひさん、コーポレートの林、北村。
毎回30食を目安に調理してもらっていますが、2時間で30食作るとなると、なかなか大変。のひのひさんの調理をロフトワークメンバーもサポートします。
 2	 画像  alt 画像リンク なし元画像URL キャプション

以前のように、大人数で食事をしながら話すのにはもう少し時間がかかりそうですが、相手の顔をみながら食べ物をつつくだけでも、心の距離がぐっと近くなりますね。

そのほかにも、こんな試みを行なっています

ほかにも社内から、実際に行なっているトライを聞いてみました。

  • チーム出社日には同じフロアで仕事をする(フリーアドレス制だが、あえて同じフロアで働くようにする)
  • 朝のStandup Meetingで、今日1日のスケジュールを共有しながら、悩みごとがあれば相談したり、求めている情報があれば誰か知っていないか聞いたり、ゆるっとなんでも話してもOKな、安心感のある時間をつくる。Netflixのおすすめを話したり。
  • 顔を合わせる機会が減ったので、少人数視察や、メンバーの家族が営んでいる農園へ行ってアクティビティをする。
  • チームのメンバーが読みたい雑誌を聞いて、出社時に自由に読めるようにオフィスにおく。コミュニケーションを行うなかで、なぜぞの雑誌を読みたいのか、今、何に興味を持っているのか、チームメイトの思考がみえて面白い。

パンデミックがもたらした働き方のシフトは、アフターコロナでも続いていくでしょう。

リモートワークと出社、両方の良いところをうまく生かしながら、一人一人が楽しく最大限に力を発揮できる環境を作っていくため、みなさんの会社の取り組みもぜひ教えてほしいです。

鈴木 真理子

Author鈴木 真理子(Public Relations/広報)

大学卒業後、音楽誌や女性誌など5年間の雑誌編集を経て渡英。英国イーストアングリア大学で翻訳学修士を取得後、翻訳業界を経て、2012年よりロフトワークに所属。FabCafe主催のグローバルアワード「YouFab Global Creative Awards」の立ち上げメンバーであり、2012-2018の6年間メインディレクターを務める。他にもFabCafeを中心に、多様な文化とクリエイティブが混ざり合うグローバルプロジェクトやイベントを担当。現在は、ロフトワークのコーポレートPRのほか、FabCafe TokyoのPRを担当している。最近の日課は、「スタートレック」シリーズを必ず1話見ること。

Keywords

Next Contents

街の緑、食品ざんさ……都市の「分解」を可視化する。
「分解可能性都市」展示レポート