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尾方 里優, 国広 信哉, 浦野 奈美, 伊藤 望 2020.08.30

こんな時代だからこそ読みたい
ロフトワークメンバーのオススメする
「不確実な世界を楽しむための本」4選

こんにちはロフトワークPR尾方です。

みなさん830日が何の日かご存知でしょうか。この日は、日本人冒険家たちが冒険を成功させた日で「冒険家の日」という記念日が制定されています。ちなみに1965年に同志社大学南米アンデス・アマゾン遠征隊がアマゾン川の源流から130kmを世界で初めてボートで川下りした日であり、1989年に堀江謙一が小型ヨットで太平洋の単独往復を達成した日です。

世界が予測不能なVUCA(ブーカ=不安定性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代に入ったとこれまでも言われてきましたが、新型コロナウイルス感染拡大によってこの動きはさらに加速しています。先行き不透明な世の中をどう乗り越えていくのか。冒険家の日にちなんで、冒険するプロジェクトマネジメントを実践するロフトワークのメンバーたちに不確実な世界を楽しむための1冊を聞きました。

わからないことを楽しむ勇気をくれる本

マツタケ――不確定な時代を生きる術/アナ・チン (著), 赤嶺 淳 (翻訳)

オレゴン州(米国)、ラップランド(フィンランド)、雲南省(中国)におけるマルチサイテッドな調査にもとづき、日本に輸入されるマツタケのサプライチェーンの発達史をマツタケのみならず、マツ類や菌など人間以外の存在から多角的に叙述するマルチスピーシーズ民族誌。

ホストツリーと共生関係を構築するマツタケは人工栽培ができず、その豊凶を自然にゆだねざるをえない不確定な存在である。そうしたマツタケを採取するのも、移民や難民など不安定な生活を余儀なくされてきた人びとである。

生態資源の保護か利用かといった単純な二項対立を排し、種々の不確定性が絡まりあう現代社会の分析にふさわしい社会科学のあり方を展望する。
「進歩という概念にかわって目を向けるべきは、マツタケ狩りではなかろうか」。
(みすず書房より)

この本を選んだロフトワーカー
クリエイティブディレクター 国広 信哉
おすすめの理由
わけのわからないものと出会った時(この本ではマツタケと、それを取り巻くグローバルサプライチェーン)、頭で理解せずに、まずは楽しもうぜ!っていう勇気をくれる本です。脱・人間中心主義の入門本。
詳しくはこちらをどうぞ!
マツタケを読むと、わからないものへの向き合い方が書いてあった

変化の激しい時代だからこそ必要な考え方を学べる本

実験思考 世の中、すべては実験/光本勇介(著) 

即現金化アプリ「CASH」を70億で売却!
次から次へと狂ったビジネスを立ち上げる天才起業家の頭の中

すべてのビジネスは「実験」だ。自分の考えたアイデアや仮説を「世の中」というビーカーにぶち込む。そこでどんな「火花」が散るのか?どんな「化学反応」が起きるのか?実験なら失敗しても、それはひとつの「検証結果」なので、むしろ「価値」になる。

この考え方「実験思考」を身につければ、いまの「先が見えない時代」も失敗を恐れずわくわくして生きていける。
さあ、実験を始めよう。
(幻冬社より)

この本を選んだロフトワーカー
クリエイティブディレクター 伊藤 望
おすすめの理由
New Normalだなんて言葉があるけれど、次のNormalは今まさしく生まれた/生まれようとしている。その意味で光本さんの実験思考は今の時代にあっている考え方だと思います。歴史を振り返ってみると慌ただしい時期にこそ革命的な企業や人物が生まれていたりする。仮説を立てて小さく実験してみるという思考が変化の激しい時代を楽しむために必要ではないでしょうか。

未知との出会いの魅力を教えてくれる本

『謎の独立国家ソマリランド』 そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア/高野 秀行 (著)

終わりなき内戦が続き、無数の武装勢力や海賊が跋扈する「崩壊国家」ソマリア。 その中に、独自に武装解除し十数年も平和に暮らしている独立国があるという。

果たしてそんな国が本当に存在しえるのか?

事実を確かめるため、著者は誰も試みたことのない方法で世界一危険なエリアに飛び込んだ──。

520ページの超ボリューム。
世界を揺るがす衝撃のルポルタージュ、ここに登場! 
(本の雑誌社より)

この本を選んだロフトワーカー
マーケティング 浦野 奈美
おすすめの理由
クレージージャーニーでもおなじみのぶっとび探検家、高野さんによるソマリランドへの自身の旅のノンフォクション。高野さんのユーモアと壁のない人柄、事実を見つめようとする視線、なにより、正義心やジャーナリズムではない、ピュアな好奇心と偏見のない言動に心動かされました。旅ってこういうことだよな、人と会い、新しい慣習を知ったり意見を交わすってこういうことだよなと改めて気付かせてくれる一冊です。

野外活動の実践からサバイバルスキルを学べる本

scouting for boys/ロード ベーデン‐パウエル オブ ギルウエル (著)

1907 年B – Pが出版し、世界中の少年にスカウト活動の楽しさを教えてくれたスカウティングの原典。
(一般財団法人ボーイスカウトエンタープライズより)

この本を選んだロフトワーカー
クリエイティブディレクター 川原田 昌徳
おすすめの理由
scouting for boysはボーイスカウトのバイブルとして、世界中のボーイスカウトが一度は読んでいる本。私もボーイスカウトをやっていたので、かなり読み込みました。小中学生の向けの本ですが、大人になって読み返しても学びが深いです。アウトドアテクニックも参考になるし、野外活動でのコミュニケーションに関する内容もリーダシップやチームビルディングなど現在社会に活かせるスキルが学べる一冊です。

他のおすすめ本もご紹介!

  • アルケミスト 夢を旅した少年/パウロ・コエーリョ (著)
  • バックパッカー・パラダイス―旅人楽園/さいとう夫婦 (著)
  • シグナル:未来学者が教える予測の技術/エイミー・ウェブ (著), 土方奈美 (翻訳)
  • MUJI BOOKS文庫 人と物5『茨木のり子』/茨木のり子 (著)
  • 『スナップショットは日記か?森山大道の写真と日本の日記文学の伝統』大竹昭子 随想録/大竹 昭子 (著)
  • クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法/デイヴィッド・ケリー (著), トム・ケリー (著), 千葉 敏生 (翻訳)

いかがでしたでしょうか。今の時代を乗り越えていくためのヒントになる1冊をお届けできていたら嬉しいです。

不確実な世界を楽しみながら、自分たちの冒険を成功させていきましょう!

尾方 里優

Author尾方 里優(Public Relations)

福岡生まれ福岡育ち。九州大学芸術工学部卒業。人との出会いで人生が大きく変化した原体験から、人の可能性を広げる環境づくりに興味を持つ。大学卒業後、新卒採用支援の会社を立ち上げるも挫折。0からビジネスを学び直そうと、株式会社ゲイトに参画。事業立ち上げや、既存ビジネスの構造改革に取り組む。事業に携わる中、人の可能性をより引き出し、楽しく豊かな事業を作り出していくにはクリエイティブの力が必要だと感じ、ロフトワークに参加。未来教育デザインConfeitoのPRとしても活動中。趣味は読書と旅行とお酒。

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