個人の創造性の開花が、組織の可能性をひらいていく
──社内表彰『UNLOCK AWARD』を終えて
みなさんこんにちは。ロフトワークのCulture Executiveとして、未来探索と多様性を創造力に変えるためのカルチャー醸成に取り組む岩沢エリです。先日、ロフトワークの社内表彰制度である「UNLOCK AWARD(アンロック アワード)」の発表会を終えました。本記事では、ロフトワークの社内アワードを取り上げ、私たちの挑戦や、大切にしている組織のあり方について紹介します。
私たちの存在意義を体現する社内アワード
UNLOCK AWARDは毎年開催する恒例行事。かつては「社長賞」として実施され、2022年から「UNLOCK AWARD」に名称を変えて運用されている。この名称は私たちが掲げているメッセージ「Unlock Potential(常識にとらわれず未来の可能性をひらく)」に由来する。
「Unlock Potential」という言葉は、人・組織・地域・社会に眠る可能性をひらいていくということ。それは、ロフトワークが社会で担う役割そのものだ。
いわば、創造性をひらくデザインを生業にする私たちにとって、自分たち自身のことを日々“Unlockしていく(可能性をひらく)”こともまた重要だ。私たちの可能性の広がりが、すなわちプロジェクトの可能性を、関わる人の創造性をより大きく深くひらく力となるから。
「UNLOCK AWARD」について
ロフトワークが掲げるメッセージのひとつに、「Unlock Potential」があります。人・組織・地域・社会に眠る可能性をひらくこと。そして、「Creativity within all」 すべての人のうちにある創造性を信じること。
私たちは、プロジェクトを通して関わる人々のクリエイティビティをひらいていくことを生業にしています。だからこそ、自分たち自身もまた、日々Unlockされ続ける存在でありたい。UNLOCK AWARDは、その姿勢を内側から育てるための取り組みでもあります。
あえて、評価軸を変える理由
まさに私たちの存在意義を体現するための装置である「UNLOCK AWARD」を、私たちはとても大切な行事の一つとして考えている。今年は各事業部リーダーから、計15名のメンバーが推薦を受けて、最終的に6名が選ばれた。ちなみに、選出される評価軸は、毎年違っていて、その年の選出ポイントをテーマとして併せて提示している。
今年のテーマは「The Unlocker」。頼まれたことの範囲や、部署や組織の枠組みを超えて、もっと良いもの、もっと挑戦的な取り組み、もっと社会にとってやるべきことをと、“見えない境界”を乗り越え、率先して活動してきた人たちが「The Unlocker」と称して評された。
テーマが毎年少しずつ変わるのもまた、私たちらしいなと思っている。得てしてこういうものは、毎年“同じ軸”を持って評価したくなるものである。その方が、何が評価軸なのかがはっきりして、「次回はそれを越えよう」と目指す目標にしやすそうだ。しかし、こうやって毎年ちょっとずつ評価軸が変わると、目標線が曖昧だから、ここを越えようという線を置きにくい。曖昧な線を目指すことは難しい。そうすると、必然的に主観的な解釈の中で物事を進めていくしかない。
すると、結果的に自分が大切にしていることに立脚して「Unlock」されることが多いように感じている。たとえば、2年前のテーマは「Positive Reciever」だった。誰かの投げかけや相談や困りごとに対して、「やりますよ!」と言って、やったことのないことに楽しくチャレンジする人たちを、そう称した。彼らは、今年の「The Unlocker」たちと、モチベーションや、動機をはじめ、特性も性質も得意なことも違う。
どっちの方が優れているということは、全くない。どっちも「最高!!」なのだ。そして、毎年表彰されるタイミングは、あらためて、私たちが大切にしなきゃいけないことに気付かされた時、とも言えるかもしれない。人の活躍を通じて、組織として「こういうのも大事だよね!」という我々が大事にする美意識をみんなで共有する。
「脱同質性」への挑戦。 日々変化し続ける組織であるために
会社や組織の歴史が長くなるほど、これぞ私たちの成功の秘訣、強みだと、知らず知らずのうちに変えてはならないルールや慣習が積み重なっていく。組織は、社会からみればほんの一部でしかなく、私たちは社会の影響をダイレクトに受け続ける。海外情勢の波。AIの波。気候変動の波。国内政治の波。そうした波が生み出す世間の空気の波。色々な大波・小波が四方八方から寄せては引いていく。そうした中で、自分たちがその外側にたいしてもっといい影響を出せるように、そして私たち自身にとっても良い影響を循環させていくためには、私たち自身も日々変わっていかなくてはならない。
チームで、組織で大きなインパクトを残すような仕事を成そうとしたとき。そのメンバーのできることや得意なことが違い、それぞれが別の方向に突き抜けていた方が全体としてできることが広がることは、想像に難しくない。しかし、実際にそうしたチームをつくることは、実は難しい。組織は、組織というシステムが持つ力の働きによって、放っておくと同質性が高まるからだ。なので、実は特に経営層、あるいは人事に関わる人たちが注力しなくてはいけないことの一つに、「脱同質性」への挑戦があると思っている。そしてそれこそが、本来別の得意や才能を秘めるひとりひとりの、そして組織の中に眠るクリエイティビティをもっともっとひらく鍵だと信じている。私たちのUNLOCK AWARDはそうした“脱同質性”の担保かつ“個の可能性の発見”のための装置とも言えるのかもしれない。
自分たちがまだ気づいていない、仲間たちのクリエイティビティに気づくことは、幸福である。
今年の受賞者の中に、在籍15年目のメンバーがいた。「彼のつくるものはかっこいい!」と、ロフトワークの誰もが憧れる存在の一人でもあるのだが、実は今回が初受賞だったらしい。そんな彼を引き合いに出した、最後の代表の諏訪からのコメントが印象的だった。
彼はね、いまはシニアとしてみんなを率いる素晴らしいリーダーではあるけれど、入社4−5年は関わるプロジェクトというプロジェクト、全部炎上させていたんだよね。でも、なんで炎上するかというと、やっぱりチャレンジしていくから。ちょっとここまでやってみようという挑戦があって、でもまだ未熟だから燃えちゃう。僕も何回謝りに行ったことか。(笑)でも、そのチャレンジがあったからいまの彼があるんだよね。
ロフトワークは今年26歳。人間の歳で考えても、社会にでて数年で、ちょっと大人になった気がしてしまう。でも、だからといってわかった気になって挑戦を止めるような組織にはなりたくない。だから、みんなも臆せずチャレンジしてみてほしい。なにか困ったら、僕たちも全力で応援するし、助けに行くから。(ロフトワーク 代表取締役社長 諏訪 光洋)
ある、有名な老舗和菓子屋の4代目から、「いつも変わらぬ味を提供していると思われているが、じつは時代に併せて味を変えている」という話を聞いたことがある。
変わらないこととは、現状の方法ややり方を維持することではない。挑戦を続けることだ。
来年、仲間のどんなクリエイティビティがひらくのだろうか。いまのところ想像できない。それこそが可能性。もう、いまからワクワクする!








