Webリニューアル、何から手をつける?
担当者がまずやるべき、要件の整理と体制づくりのススメ方
事業戦略の見直しに伴い、Webリニューアルプロジェクトが発足。さあ、あなたはどうする?
企業戦略に欠かすことのできないWebサイト。「M&Aなどにより事業を拡大した」「Webサイトの内容と事業内容のズレが生じてきた」「トップの交代により経営方針が変更された」など、様々な理由でWebリニューアルのプロジェクトが発足します。直近では、新型コロナウイルスの影響によりオンラインでの顧客コミュニケーション戦略の強化を迫られ、Webサイトのリニューアルを検討している企業も多いのではないでしょうか?
しかし、いざ担当になりプロジェクトが動き出した途端、「何のためにリニューアルするのか」「どのように経営戦略と紐付けるのか」「何を基準に戦略を描くのか」「ターゲットは?」「ユーザーにどんな体験を提供するのか?」「運用方針は?」などなど、現場レベルから経営レベルまで、様々な課題がテーブルの上に載せられ、どこから着手すべきかお手上げ状態になることもしばしばです。
では、リニューアルプロジェクトの担当者に抜擢されたら、まずは何から手をつけるべきなのでしょうか?
プロデューサーとして、数多くのWebサイトリニューアルを支援してきた藤原が、要件を整理し、体制をつくるために欠かせない4つのステップを、実際のリニューアルの現場でも活用しているドキュメントに沿ってご紹介します。
プロジェクトの立ち上げフェーズ、要件とリソースの整理が不可欠
プロジェクトの立ち上げフェーズでは、要件を整理し、必要なリソースを洗い出すことで、社内外の体制作りを進めます。これは、社外にどんなパートナーを選定すべきかを整理する上でも重要です。
リニューアルプロジェクトの基本プロセス
Step.0)現状を整理しよう
プロジェクトの始動に向けて、まず現状を整理します。プロジェクトの背景やゴール、目的、予算やスケジュールの概要など現時点で把握していることをまず書き出してみましょう。
各項目を書き出すことで、これから挑むプロジェクトの概要を具体的に掴めるようになります。
最初の段階では全部の項目を埋めるのは難しいかもしれませが、全く問題はありません。ここで大切なのは、何が明確ではないのかを把握すること。各項目を埋めるために誰に何を聞けばいいのか、どんな情報を収集知ればいいのか、次のアクションが見えてきます。
書き出す項目
- 背景:Webリニューアルを実施することになった理由、経緯。ビジネスニーズも踏まえて記載
- プロジェクトの目的:何のためにWebリニューアルをするのか、Webリニューアルを行うことで誰にどんなアクションを起こして欲しいのか、どうなってもらえればよいのか
- プロジェクトの目標:目的を達成するために必要な測定可能な指標、成功の基準
- 前提条件:プロジェクトを実行するに当たって、これだけは成り立っていると仮定して進めようというもの、発生する確度が高い条件
- 制約要件:プロジェクトを実行する上で制約になる事項(スケジュール、予算、システム要件など)
- ハイレベルの要求事項:ハイレベル=おおまかな。目的達成のために、このプロジェクト内で必ず実現したいこと(実装したい機能や掲載したいコンテンツ等)
- コスト:概算金額、上限がある場合は制約にも記載
- 主要なステークホルダー:プロジェクト意思決定に何かしらの影響を与える人すべて。成果物ごとの承認フローなど
Step.1)目的を明確にしよう
リニューアルをなぜするのか?(背景)何のためにやるのか?(目的)を明確にしましょう。
Webサイトはあくまで「企業戦略を遂行するための手段」であり、ツールです。デザインを変更しWebリニューアルをしただけで問い合わせが倍増するようなことはありません。経営戦略の中で、Webサイトの役割をどう定義するかで、Webサイトに必要な要件は大きく変わります。目的にWebサイトのリニューアルとは書かないでくださいね。それは「手段」です。
最終的には、個人の見解だけでなく、部署内、組織内での認識合わせが必要です。そためにはプロジェクトの起案者や、経営層、関連部署などステークスホルダーから話を聞き認識をすり合わせておきましょう。
目的の整理は一番難しく、いざ設定してみても方向性があっているのか、自分だけでは判断ができないこともしばしばです。行き詰まったときは、早めに外部に相談するのも一つの手です。ロフトワークでもオンライン相談会を実施しております。何をどのように整理したらいいのか迷ったときは、お気軽にお声がけください。
Step.2)社内のリソースを整理しよう
あなた一人でリニューアルを進めることはできません。リニューアルを検討しはじめたら、協力を仰ぐ必要があるメンバーには早い段階で声をかけコネクションをつくることをおすすめします。プロジェクト開始後に、協力してもらうべきメンバーに「それ、聞いてない」と言われてしまう状況はプロジェクトの推進を阻害することにつながってしまいます。
プロジェクトの目的が定まると、必要な人材が浮かび上がってきます。目的を達成するために、巻き込まなければならない部署はどこで、協力関係をつくれる人は誰かをリストアップしてみましょう。企業によって、各部署が担っている役割が違います。「どんな仕事を担っている人が必要か」という視点で考えると書き出しやすくなります。
また、最終決裁者は誰か、決裁の際のレポートラインも押さえておきましょう。直接部署を超えた連携が難しい場合もあるでしょう。その際は、上司を巻き込み積極的に「根回し」しましょう。どのようなルートを辿れば協力関係が築けそうか、突破口となるメンバーを探して見ましょう。
担っている役割/担当部署
- 事業戦略を把握している:経営企画部門
- 広報戦略を担っている:広報部門
- 市場のニーズを把握している:マーケティング部門
- 自社の商材の売り方を把握している:事業部、営業部門
- Webサイト関連のネットワークやインフラを管理をしている:システム部門
- Webサイトを運用している:マーケティング、広報、システム部門
プロジェクトチーム体制
- コアメンバー:外部とのコミュニケーション窓口、リニューアルをメインで担当する部署
- 専門家:サイト構築、維持、運営の専門領域を担当する部署(例:システム部門、デザイン部門など)
- サイトの利用者:実際にWebサイトを使い業務を遂行している部署(例:営業部、カスタマーサポート部、広報部)
- サポーター:戦略を立てる際、決裁を通す際の協力者(例:経営戦略室、部門長など)
Step.3)パートナーをみつけよう
(図-1)のプロセスを参照しながら、各プロセスにおいて社内で担当できる役割については社内メンバーをアサインします。しかし、社内だけでできない領域については外部パートナーを探します。
パートナー企業の得意領域をリサーチする
例えば、大規模なシステム開発が得意な会社、戦略から一緒に考えてくれる会社、デザインが得意な会社など、会社によって得意領域は全く異なります。予算や提案領域が全く違うと比較検討ができず、何が最適かの判断ができません。大切なのは、目的を達成するために、社内で足りないものは何で、そこを補うためにどのようなパートナーが会社が必要かという視点で選ぶことです。
同業他社や全く違う業界でも「このサイトいいな」と思ったら、「社名 コーポレートサイト(Webサイト) リニューアル 事例」等で検索すると、制作した会社の事例記事にたどり着くことができます。どんな課題があり、どのようなプロジェクトを実施したのか参考になります。また、知っている企業さんに直接、どこの会社と、どんなプロセスで制作したのか聞いてみるもの良いですね。
今回は体制づくりのステップをご紹介しました。社内のステークホルダーとの対話をしながら、整理と共有を繰り返し、最初に作成したフォーマットをアップデートすることでプロジェクトの方向性が明らかにるはずです。ぜひ、お試しください。
でも、なかなか整理が進まなかったり、プロセスが見えなかったりすることも多いはず。RFP・提案依頼書を書く前に、これでいいのか不安に感じたら専門家に相談しましょう。
ロフトワークでは、ざっくばらんに話を聞きながらの気軽に相談できるミーティングの場を設けています。要件が固まる前のご相談から受け付けています。モヤモヤしたときは、ぜひ一度気軽にお声がけください。
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資料内容
・Webサイト制作プロジェクトの課題
・支援内容
・プロジェクト紹介
・モデルケースと価格
・会社紹介
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