MTRL KYOTOが京都のクリエイターとアートウォールを制作

ロフトワークが運営するオープンイノベーションサービス「MTRL KYOTO」がクリエイターとの共創で制作した、アートウォールを含む地下街のリニューアルエリアが、2つの賞を受賞しました。

受賞対象は、2018年3月にリニューアルされた京都駅地下街「ポルタ」の東エリア。京都デザイン賞で入選、SDAサインデザイン賞で地域賞を受賞しました。MTRL KYOTOは同エリアに常設されているアートウォールをアートウォールの制作・共創プロジェクトを、クリエイターやクライアントと共に、コンセプトづくりから行いました。関わったのは、ポルタを運営する京都ステーションセンター株式会社、空間全体のデザインを行った株式会社スペース、そして京都にゆかりのある3名のクリエイターです。

「おくどさん」をモチーフに伝統と今を繋げる3名のクリエイターが参加

MTRL KYOTOで実施したワークショップから生み出されたエリアのコンセプトは、「京都暮らし」。これを表現するモチーフには「おくどさん」が選ばれました。「おくどさん」とは、竃(かまど)を意味する京言葉で、家族の命を支える「火」の印象から電気のない時代‪から家の守り神とされてきました。参加クリエイターは、自然素材と手仕事を用いて、歴史や文化と現代のクリエイションをつなげている3名。それぞれの「おくどさん」の解釈やインスピレーションが融合し、京都で暮らす人の息遣いを感じさせる作品となりました。

「水屋(みずや)」と呼ばれる、日本古来の食器棚を着想の原点としながら、古いガラス、廃材と植物を用いて「おくどさん」を取り巻く様々な心象風景を切り取ったクリエイターの周防 苑子さん(ハコミドリ)。
「身近にある見知らぬ世界、境界線、結界」をコンセプトに、「漆の器」に着目。日常生活で当たり前に使われている「器」が生まれる過程や、漆が塗られることで変化していくその表情を「境界」として表現した柴田 明さん(柴田漆工房 / erakko)。
「気配を染める」をコンセプトに、「おくどさん」と家庭の暮らしを守ってくれているものを革と染の組み合わせで表現した村上 耕太さん(零 -REI-)。

伝統/テクノロジー/アートの融合で価値創出を行う「MTRL KYOTO」

MTRL KYOTOは、京都を拠点に、素材の新たな価値創出を行なうサービスです。伝統文化や京都独自の技術や産業に、テクノロジーやデザイン、アートが融合することで、素材の新たな活用法や魅力を引き出すべく、日々さまざまな企業やクリエイターと共創活動を広げています。

本プロジェクトで関わったメンバーは、みなさんMTRL KYOTOと繋がりのある才能溢れるクリエイターたち。MTRL KYOTOのコミュニティは私たちにとってすべてのクリエイティブな活動の基盤です。多様なコミュニティをベースに、オープンコラボレーションによるプロダクトや空間づくりを、コンセプトメイクから制作ディレクションまで行なっています。ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

ポルタアートウォール プロジェクトメンバー

ディレクション
上ノ薗 正人(ロフトワーク)

クリエイティブコーディネート
木下 浩佑(ロフトワーク)

プロデュース
篠田 栞(ロフトワーク)

制作
周防 苑子(ハコミドリ)
村上 耕太(零 -REI-)
柴田 明(柴田漆工房 / erakko)

什器設計・施工
株式会社スペース

株式会社ロフトワークについて

ロフトワークは、オープンコラボレーションを通じてWeb、コンテンツ、コミュニケーション、空間などをデザインするクリエイティブ・エージェンシーです。 グローバルに展開するデジタルものづくりカフェ「FabCafe」、素材と向き合うクリエイティブ・ラウンジ「MTRL(マテリアル)」、2.5万人のクリエイターが登録するオンラインコミュニティ「ロフトワークドットコム」、クリエイティブな学びを加速するプラットフォーム「OpenCU」を運営。世界中のクリエイターコミュニティと共創することで、幅広いクリエイティブサービスを提供します。(会社概要)  

株式会社ロフトワーク 広報:pr@loftwork.com

上ノ薗 正人

Author上ノ薗 正人(京都ブランチ共同事業責任者)

大阪生まれ。九州大学芸術工学部環境設計学科卒業。大阪のデザイン事務所graf、福岡の古ビル再生プロジェクト「紺屋2023」の設計、運営を行うno.d+a / TRAVEL FRONTでの仕事を通してデザイン、建築設計からイベント運営、アートプロジェクト等幅広い業務に携わる。2014年に関西に戻り、グランフロント大阪ナレッジキャピタルの総合プロデュース室を経て、2017年にロフトワークに入社。2021年米国PMI®認定PMP®取得、2022年10月に京都ブランチ共同事業責任者に就任。自社事業のみならず、大規模プロジェクトのプランニングや、事業コンサルティングも手掛けている。社外活動として、知人が創業した会社にジョインしワークショップ事業を担当。また、2022年度に九州大学大学院芸術工学府非常勤講師の経験から、プロジェクトマネジャーのナレッジを様々な場所・形で活かし伝える取り組みを行っている。

Profile
木下 浩佑

Author木下 浩佑(FabCafe Kyoto ブランドマネージャー)

京都府立大学福祉社会学部福祉社会学科卒業後、カフェ「neutron」およびアートギャラリー「neutron tokyo」のマネージャー職、廃校活用施設「IID 世田谷ものづくり学校」の企画職を経て、2015年ロフトワーク入社。素材を起点にものづくり企業の共創とイノベーションを支援する「MTRL(マテリアル)」と、テクノロジーとクリエイションをキーワードにクリエイター・研究者・企業など多様な人々が集うコミュニティハブ「FabCafe Kyoto」に立ち上げから参画。ワークショップ運営やトークのモデレーション、展示企画のプロデュースなどを通じて「化学反応が起きる場づくり」「異分野の物事を接続させるコンテクスト設計」を実践中。社会福祉士。2023年、京都精華大学メディア表現学部 非常勤講師に就任。

Profile
篠田 栞

Author篠田 栞(プロデューサー)

京都大学美学美術史学卒業後、広告代理店でデジタルマーケティング及び広告施策のプランニングを経験し、ロフトワークに入社。プロデューサーとして、大規模なWebサイト構築プロジェクト、ビジネスアイデア創出アイディエーションのプログラム設計、メーカの新規事業アイデアや商品開発のためのプランニング、伝統文化を絡めたワークショップ、ミュージアムなどの展示体験プロデュース、商業施設のフロアづくりのコンサルティングなど、幅広い領域で提案を手がける。

プライベートでは幼少期から演劇をしており、大学から能楽を学ぶ。現在も仮面劇、舞台のプロデュースなどを行い、うたい手として舞台に立つ。

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「ETHICAL DESIGN WEEK TOKYO 2024」内関連イベントに
Layout シニアディレクター宮本明里とバイスMTRLマネージャー長島絵未が登壇