京都ステーションセンター株式会社/株式会社スペース PROJECT

京都ゆかりのチームで共創したアートウォール

Outline

華やかな文化の中心地として国内外から沢山の旅人が訪れる街、京都。

そんな京都の玄関口であるJR京都駅の地下街にある「Porta(以下、ポルタ)」は、旅行客だけでなく、通勤や仕事で京都に来た人、そして京都で暮らす人で賑わう空間です。

この京都駅の地下街「ポルタ」のエリアリニューアルに際し、京都ゆかりのクリエイターとのコラボレーションによる「アートウォール」が常設されることになりました。

プロジェクトには、施設(京都ステーションセンター)、空間全体のデザイン(スペース)とMTRL KYOTO、さらに複数のクリエイターが参加し、ビジョンやコンセプトを共有しながら新しいポルタの世界観を体現したアートウォール作りに挑戦しました。

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Outputs

エリアコンセプトは「京都暮らし」。このコンセプトを表現するモチーフとして、スペース社は「おくどさん」というキーワードを設定しました。おくどさんとは、竃(かまど)を指します。また、煮炊きする場所、つまり台所という意味で使われることもあります。

家族の命を支える「火」であるおくどさんは、電気のない時代‪から家の守り神とされてきました。おくどさんにまつわる様々なインスピレーションと若い作家たちそれぞれの解釈が今回の作品には潜んでいます。

プロジェクトには、3名のクリエイターが参加しました。それぞれに個人クリエイターとして活動している3名の共通点は「自然素材と手仕事を用いて、歴史や文化と現代のクリエイションをつなげている」ところ。グラフィカルな表現のみならず「もの」としての存在感や「京都で暮らす人の息遣い」を感じさせる作品づくりを重視しました。

「水屋」と呼ばれる、日本古来の食器棚を着想の原点としながら展開。古いガラス、廃材と植物を用いて造形の美を表現する独自の手法と織り交ぜつつ、他の作家の制作過程をも作品に取り込むことで、「おくどさん」を取り巻く様々な心象風景を切り取っている。[マテリアル::ガラス、植物、食材] クリエイター:周防 苑子(ハコミドリ)

「気配を染める」をコンセプトに、「おくどさん」と家庭の暮らしを守ってくれているものを革と染の組み合わせで表現。京都の多くの台所に置かれている愛宕神社「火迺要慎」の札の意匠*を革に写し取り、その周囲の気配ごと、大胆かつ繊細に染め上げることで、革と染による「一期一会」の質感と模様が生まれている。[マテリアル:革、染(藍染)] クリエイター:村上 耕太(零 -REI-)
*本作品制作にあたっては、愛宕神社より制作の認可を頂いています。

「身近にある見知らぬ世界、境界線、結界」をコンセプトに、「おくどさん」の要素として普段制作している「漆の器」に着目。日常生活で当たり前に使われている「器」が生まれる過程や、漆が塗られることで変化していくその表情を「境界」として、身近でありながらも知られていないその様相を伝えている。[マテリアル:木、漆] クリエイター:柴田 明(柴田漆工房 / erakko)

2018年3月20日、ポルタのリニューアルエリアはグランドオープンします。この「アートウォール」には、作品だけでなく、今回のプロジェクトの思いやプロセスを伝えるためのキャプションボードもあわせて設置されています。京都駅に訪れる際は、ぜひポルタを “路地を散策するように” 歩いて、楽しみながら探してみてください。

Process

京都らしさとは何か。関わる皆でアイデアやビジョンを共有し「自分ごと」化するワークショップを実施

2017年12月に、アートウォール制作にあたり、プロジェクトに関わるメンバー皆(ポルタの役員のみなさん、スペース社のプロジェクト担当者さん、クリエイター、MTRL KYOTO / ロフトワークスタッフ)でワークショップを開催。参加者それぞれが持つ、京都にまつわる記憶やインスピレーション(たとえば、「時間の移ろい」「光度」「質感」「匂い」「目に見えないものへの畏れ」…などなど)を辿りながら、ともに「京都らしさとはなにか」について語り合いコンセプトを練り上げていきました。

京都ステーションセンター、スペース、クリエイター、MTRL KYOTO&ロフトワークスタッフ混合のグループを3組つくり、アイディエーションとコンセプトメイキング。皆にとってプロジェクトが「自分ごと」化して、「アートウォール設置エリアがどんな空間になってほしいか」を共有しあう時間となりました。

プロトタイピングを繰り返しながらディスカッション

年末からは、ワークショップを経て見えてきたコンセプトを、各クリエイターがそれぞれ作品に落とし込む制作のフェーズに入りました。オンライングループ上で常時、ときにはMTRL KYOTOに実物を持って来たり、クリエイターのアトリエに訪れたり、進捗状況やアイデアの共有を行いながら、フィードバックを繰り返す。実質2ヶ月の制作期間のなかで、コンセプトがどんどん具現化されていきました。

MTRL KYOTOにクリエイターが訪れ、ディスカッションや実験を繰り返しました。

各クリエイターのアトリエに訪問。作品が生まれてくる様子を目の当たりにして、そこでもアイデアの交換が行われます。

コラボレーション大歓迎!

MTRL / ロフトワークでは、さまざまな素材やテクノロジーとクリエイターとのオープンコラボレーションによるプロダクトや空間づくりを、コンセプトメイクから制作ディレクションまで行なっています。ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

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Member

周防 苑子

周防 苑子

ハコミドリ

村上 耕太

村上 耕太

零 -REI-

柴田 明

柴田 明

柴田漆工房 / erakko

上ノ薗 正人

株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター

Profile

松岡 大輔

株式会社ロフトワーク
プロデューサー

Profile

篠田 栞

株式会社ロフトワーク
プロデューサー

Profile

木下 浩佑

株式会社ロフトワーク
MTRL KYOTO マネージャー

Profile

メンバーズボイス

“人とコラボレーションして作品をつくることがはじめてで、とても良い経験になりました。実物を見たという大阪の方から制作依頼の問い合わせがあったりと、すごい反響です!”

ハコミドリ 周防 苑子

“普段の制作とは全く違うアプローチだったので、個人的にも新しい視点が拓けたように思います。”

柴田漆工房 / erakko 柴田 明

“同じ世代のクリエイターの世界に触れることができて、たくさん刺激を受けました。”

零 -REI- 村上 耕太

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