国立研究医療機関の「分かりにくさ」を、易しく身近にするデザイン
Outline
国立精神・神経医療研究センター病院について
国立精神・神経医療研究センター病院は、精神・神経系の病院で国内でも最高峰のプロフェッショナルが集まる病院です。国立高度専門医療研究センターの病院でありながら、地域医療とも連携、紹介状がなくとも診療予約が可能であるなど、間口を広くしつつも、質の高い医療を受けられる施設です。
今回のリニューアルに際しリサーチを経て、大きく3つの課題を設定しました。
・旧来型の情報過多なコミュニケーションを整理し、必要な情報を伝えるユーザー視点のわかりやすさを追求。
・敷居が高いイメージを、明るく親しみやすい、開かれた場所としてのイメージに刷新。
・Webアクセシビリティの向上ー高齢者や障害のある方、誰もが閲覧・検索しやすい設計や見え方を熟慮。
支援内容・体制
- 支援内容
・Web戦略策定
・情報整理/アクセシビリティ対応
・デザイン方針策定
・MovableTypeテンプレート開発
・写真撮影 - 体制
・クライアント:国立精神・神経医療研究センター病院
・プロデュース:濱田 真一
・プロジェクトマネジメント:菊地 充
・撮影/クリエイティブディレクション:上村 直人
・テクニカルディレクション:村田 真澄
・運用支援:松本 遼
・Webデザイン:依田 樹彦
・HTMLコーディング/MovableType開発:株式会社テンペスト
・写真撮影:吉田 周平
Outputs
Webサイト
写真
ともすれば近寄りがたいと思われがちな病院を、明るく開かれた場所として見せる、透明感と明るさ溢れる写真を採用しています。
Process
リサーチによる課題の抽出
クライアントがもともと把握していた大きな課題は、当時のホームページが、患者さまや医師、学生など各ステークホルダーにわかりやすい形で、十分な情報を発信できていないということでした。今回のリニューアルに際し、まずユーザー理解のため、精神・神経系疾患を取り巻く状況をリサーチするのはもちろん、病院職員、医師、看護師など、各ステークホルダーのインタビューを通し、具体的な改善すべき点を練り上げていきました。
また、ビジネス課題のヒアリングやアクセス解析を行い、運用更新やカスタマージャーニーなど、具体的にどのような形とするかを設定しました。誰が、どこをみれば、その人にとって必要な情報が得られるのか、わかりやすい設計になっています。
アクセシビリティへの対応
国立機関として、アクセシビリティは重要なポイントであるためJIS規格の適合レベルと対応度を事前に明確化し、規格に従った試験も行いました。色のコントラストを強めたわかりやすいカレント表示(マウスカーソル現在位置の表示)を採用し、大きめの矢印アイコンを設置。また、一貫性のある情報設計により、使いやすさを可能にしています。
「国立精神・神経医療研究センター病院が提供する医療」とその想いが伝わるデザインに
国立精神・神経医療研究センター病院は、「最後の砦」として期待値が高く、患者さまやそのご家族に頼りにされる病院ですが、それだけに敷居の高いところと思われがちです。できるだけ間口を広げ、紹介状のない小さな相談も受け入れていきたい。すべての人々にとって安心できる場所でありたい。そんな想いから、病院の魅力が伝わる、穏やかな光が射込む写真を選定。Webサイトは、患者さまと病院を繋ぐ大切な窓口であり、最初のタッチポイントになり得ます。初診患者さまの心理的なハードルを下げるための丁寧な設計をはじめ、ビジュアル・コピーライティング・テキスト全体を最適な形としました。
今回、Webサイトリニューアルのコアメンバー以外にも、各科の医師を含むワークグループなど、各領域のプロフェッショナルの方々にリニューアルへの参画をお願いしました。日々患者さまの心と命に向き合う当事者ならではの、専門性の高いコンテンツが生まれ、病院の誠実なトーンがそっと立ち上るようなWebサイトに仕上がりました。
あらゆるアウトプットの背景には、それを可能とするためのプロセスがあります。ロフトワークは、クライアントの課題、個性、発信すべき情報を整理し、そのプロセスを設計することを得意としています。
Member
Next Contents