京都NEW MONOZUKURI創出協議会 PROJECT

地場産業の活性化を目指すビジネスモデル開発
プレイヤーを育むオンラインワーク

プロジェクト概要

事業化を目指して自走するチームを組成し、3つのビジネスモデルを創出

DESIGN WEEK KYOTO(以下DWK)は京都のものづくりの現場をオープンにし、職人の技術を生かした新しい事業やプロダクトを生み出すための取り組みを行っています。新しい発想やアイデアをもった人と地場産業とのつながりをつくっていくため、2017年より工芸(クラフト)とハッカソンを組み合わせた「クラフトソン」を実施してきました。過去3回のクラフトソンでは新商品を企画し、試作とテストマーケティングを行うという一定の目的は達成してきたものの、実際の事業にはいたらないことが課題でした。

4回目となる今回、ロフトワークはクラフトソンの企画・設計・PR集客・運営を担当。プロダクトの開発を目指すのではなく、ビジネスモデルを作りだすことをゴールとしました工芸が持つ要素のひとつである「バグ」に注目しコンセプトとして掲げることで、工芸の可能性を広げる新たな層への訴求を促し、関係人口を増やすことを狙いました。

全国からテーマに共感する熱量が高い多彩なメンバー総勢30名を集客。時世も鑑みて、完全オンラインのワークショップを実施しました。ワークを通じて立ち上げた7チームそれぞれが工芸を取り入れた新規事業のビジネスモデルを創出し、審査を勝ち抜いた3チームは、2021年2月に実施する投資家へのプレゼンテーションに向けてアイデアをブラッシュアップしながら活動を継続しています。

アイデアを出して終わりではなく、ワーク後も自走するチームを複数組成することで、地場産業を活性化しうる事業創出に向けた基盤をつくりました。

概要

  • 支援内容:
    オンラインクラフトソン企画、設計、集客、運営
  • プロジェクト期間:2020年6月〜2020年8月
  • プロジェクト体制:
    • クライアント 京都NEW MONOZUKURI創出協議会
      (京都市、京都リサーチパーク株式会社、 一般社団法人Design Week Kyoto実行委員会で構成)
    • プロジェクトマネージャー 堤 大樹
    • クリエイティブディレクション 南 歩実、飯田 隼矢
    • プロデューサー 木下 浩佑

アウトプット

オンラインワークショップ

全国からの参加者30名をオンラインでつなぎ、二日間、フルオンラインでハッカソンを実施。7チームそれぞれがビジネスモデルのアイデアを創出。勝ち抜いた3チームは2021年2月に予定されている投資家へのプレゼンテーションに向け、事業開発を継続しています。

ポイント

1)プロダクト開発からビジネスモデル構築へ。サスティナブルな仕組みに転換

過去のクラフトソンではプロダクトを開発し、クラウドファンディングでのテストマーケティングを試みてきました。しかし、期間内に「商品化」することにフォーカスぜざるを得ないことから継続が難しく、その後の事業化につながらないという課題がありました。

そこで、商品開発を行うのではなく、工芸をベースとしたビジネスモデルを立ち上げるというスキームに大きく変更。ワークショップにてチーム形成とビジネスモデルのアイデア創出を行い、その後プロトタイプの実証実験を行った上で投資家へのプレゼンテーションをするという半年間のプログラムに転換しました。

プログラム

2)業界外から新たなクリエイティビティを呼び込むコンセプト設計

「工芸」のファンコミュニティへの参加は一部の人に限られ、少し敷居が高く感じられるテーマです。その先入観を壊し、工芸をより身近なものとして面白がる仕掛けとして、ワークショップのコンセプトに掲げたのは「バグ!」(=欠陥、不具合)。広く業界内外の興味関心を誘うコンセプトを設けることで、多様なバックグランドを持つ参加者を集めると共に、業界に新たなプレイヤーを入れ込むことを狙いました。

工芸を外の世界に開いていくためには、業種の壁を超えた共創が不可欠です。多彩なメンバーを集めるため、DWKが育むコミュニティに加え、FabCafeMTRLをはじめとする京都周辺の様々なコミュニティにアプローチしました。テーマに共感し、集まったメンバーは職人から企業の新規事業担当者、デザイナー、クリエーター、学生など年齢や職業もバラバラの約30名。熱量の高いメンバーの集客を実現しました。

テーマ「バグ!」について

2020年のクラフトソンのテーマは「バグ!」。
技術や文化を発展させてきた「バグ」をどのように生活に取り戻すのか?
そんな視点から、地域に根づいたモノづくりの可能性をアップデートするサービスやプロダクトを考える。
近代以降の産業では、「工程を完璧にコントロールし、バグを最小化する」ことが推し進められてきた。しかし、そういった効率化の結果として「予想を超える大きな変化は起きづらくなっている。一つ一つが異なる自然素材と向き合い、「勘」や「感性」を伴った手仕事を行うクラフトは「バグ」そのものを包括してる存在。そこにクリエイティブのヒントを求めます。
京都の歴史の中で長い時間をかけて研ぎ澄まされた美意識と技術の粋「クラフト」とこの進化をもたらす「バグ」の視点を掛け合わせたとき、はたしてどんな画期的なアイデアが生まれすのか。伝統からこそ。新しい時代に求められる未来の価値を見出したい!

世界12拠点に広がるFabCafeのネットワーク

世界12拠点に広がるFabCafeのクリエイティブコミュニティにはクリエーターや研究者、企業、学生、主婦の方々など属性も人種も様々な方が集っています。人が集うカフェに、3Dプリンターやレーザーカッター等のデジタルものづくりマシンを設置。“デジタル”と“リアル”の壁を自由に横断し、未来のイノベーションを生み出します。地域のクリエイターやアーティスト、企業とともに、食、アート、バイオ、AIから教育まで、ものづくりの枠を超えたラボ活動も行っています。

FabCafe Kyoto
FabCafe Tokyo
FabCafe 台北

3)当事者意識と議論を生み出すコミュニケーション設計

ワークに参加するメンバーは年齢もバックグラウンドも様々です。かつ、一度も会ったことのないメンバーでワークを実施するため、社名や肩書だけではなく、個人のキャラクターをチームメンバーがお互いに理解することが重要と考えました。
そこで、エントリー時には16personalities性格診断テストを活用し、事前に参加者のキャラクターを掴むことや、実施前のオリエンテーション時にキャラクターを引き出す自己紹介を行うなど、自然と個性が引き出されるプログラムを随所に散りばめ、メンバーの人となりをお互いに理解することで、スムーズな役割分担とチーム形成が行われる工夫をしました。

ワークに使用したmiroボード(一部抜粋)。二日間に渡り7チームがオンラインボード上で議論を交わしました。
2日間、オンラインでのワークとなるため、体を動かしリフレッシュできるプログラムも組み込みました。

メンバー

北林 功

北林 功

一般社団法人Design Week Kyoto
実行委員会 代表理事COS KYOTO株式会社 代表/コーディネーター

堤 大樹

株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター

Profile

木下 浩佑

株式会社ロフトワーク
MTRL / FabCafe Kyoto マーケティング & プロデュース

Profile

南 歩実

南 歩実

株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター

飯田 隼矢

ロフトワーク
クリエイティブディレクター

Profile

メンバーズボイス

“DESIGN WEEK KYOTOでは、Fabcafe Kyotoさんと一緒に選抜されたチームと共に事業化へ向けてのサポートを継続的に実施しています。「フルオンラインで新しい事業を創出できるようにする!」という我々のチャレンジをロフトワークの皆さんは素晴らしいワークショップの企画・運営によって実現してくださいました。おかげでチームの方々もサポートしている私たちも熱量を維持しながら、現在、3つの事業の具現化に向けて取り組んでいます。この取組を通じて得た知見は、オンラインが当たり前となっていく現状においてかけがえのないものとなっています。”

一般社団法人Design Week Kyoto 実行委員会 代表理事 北林 功

“FabCafe Kyotoでは、ワークショップ以降も継続して各チームのメンタリングとサービステストを支援しています。この記事を書いている2021年1月時点は、最終プレゼンを控えてそれぞれのプロジェクトが「産みの苦しみ」に向き合っているいちばんの辛抱どころ。この段階まで空中分解せず議論と試行錯誤を続けアウトプットを目指せているのは、最初に「チーム」が形成できたからこそだとあらためて実感しています。新たなサービスやビジネス創出の仕組みがどんな姿になるか、楽しみです。”

ロフトワーク MTRLプロデューサー 木下 浩佑

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[ 動画視聴 ] 部署横断・社外との共創を加速させる、オンラインワークの秘訣をご紹介!(約30分)

これまで実施されてきた、ハッカソンを始めとする不特定多数が集まってのオープンコラボレーション。イベント開催時は盛り上がるものの、熱量が一時的なものになってしまい、具体的な成果につながらないケースも多い中、オンラインになることでより難易度が高くなっています。
社内外のメンバーとの共創から新たな価値を生み出し、自走するチームに育てていくには当事者意識を高めながら、予定調和ではないコミュニケーション設計が必要です。

本プロジェクトのプロジェクトマネージャー堤が、本プロジェクトのポイントを3つをご紹介します!

  1. 多様なメンバーを生かす「集まり方」のデザイン
  2. 当事者を生みだす「役割」のデザイン
  3. 自走するチームをつくる「持続性」のデザイン

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