エヌ・ティ・ティレゾナント株式会社 PROJECT

未来探索しながら価値を創出する組織へ。
中長期的な変革に向けたアイデア創発プログラム

NTTのグループ企業として、1997年から続くポータルサイト「goo」のほか、オンラインストア「NTT-X Store」やインターネット接続サービス「OCN」など、インターネット黎明期から様々なWebサービスを立ち上げ、運営してきたエヌ・ティ・ティレゾナント株式会社(以下、NTTレゾナント)。
同社内で組織横断的にブランドやUXデザインの向上に取り組む「ブランド戦略室」と「Xデザインチーム」は、主に若手社員を対象に、新事業・新サービスのアイデアを創出するための仕組みづくりと、創造的な組織文化醸成を目指す取り組みをスタート。ロフトワークは、そのパートナーとして伴走しています。

Outline

組織文化に、NTTレゾナント“らしい”チャレンジできる空気を取り戻す

NTTグループ会社の中でも創設当初からベンチャー気質が高く、新サービスの創出に前向きな社風があったNTTレゾナント。しかし、インターネットがコモディティ化し事業が安定化するにつれて、若い世代を中心に「新しいチャレンジ」をする機会が自然と少なくなっていました。

こうした背景から、2020年3月、NTTレゾナントとロフトワークは、NTTレゾナントがこれから取り組むべき機会領域をまとめたレポート「goo 未来ヒント(以下、未来ヒント)」を制作。社会の変化と課題を捉えた新サービスが社内から創出されるためのきっかけをつくりました。

しかし、未来ヒントが完成した時点で、社会は新型コロナウイルス拡大の影響下にありました。NTTレゾナント社内でも、在宅勤務の推奨など働き方の変化を余儀なくされたことから、はからずも新サービス検討への動きがとりづらくなってしまいました。同社は未来ヒントに込められた目的に立ち返りながら、次のアクションを促す仕掛けづくりを行うべく、新たなアイデア創出プログラムを立ち上げました。

執筆:佐々木 まゆ
編集:岩崎 諒子(loftwork.com編集部)

プロジェクト概要

  • クライアント:エヌ・ティ・ティ・レゾナント株式会社 ブランド戦略室・Xデザインチーム
  • プロジェクト期間:2021年6月〜9月
  • 体制
    • PD:井上 龍貴
    • PM:岩倉 慧
    • CD:近藤 理恵, 山田 麗音, 伊藤 望
    • ロゴデザイン:DODO DESIGN
    • Miro デザイン:松井 政憲(METER Inc.)

Process

初期フェーズで、プロジェクトを推進するためのプログラムとツールを設計

本プロジェクトの目的は、以下の3つです。

  • 社員一人ひとりが積極的に価値創出にコミットできる、またはコミットしたいと思える組織文化を醸成する
  • 社員個々人の創造性や想いを活かした新しいサービスが創出されるための仕組みと体制をつくる
  • 上記の結果として、社外からクリエイティブな組織として認知され、協業・共創の引き合いを増やす

これらを達成するために、プロジェクトの全体のプロセスを3つのフェーズに分け、「未来ヒント」を起点に社内から新サービスのアイデアを集めるための「仕組みと体制づくり」からスタートし、「アイデアを集め・育てる」「アイデアを形にする」まで推進します。

今回実施したフェーズ1「仕組みと体制づくり」では、未来ヒント編集チーム「PLAYPLAY」の立ち上げと活動方針を策定。さらに、チームの活動を推進するためのプログラム設計とそれに必要なツール制作を行いました。

プログラム実施に向けた基盤を整えると同時に、参加する社内のメンバーと運営に携わるメンバー双方が、楽しみながらプロジェクトに向き合うための体験を設計しました。

Output

未来ヒント編集チーム「PLAYPLAY」ビジュアル

ロゴ

プログラムの進行・情報共有のためのツール(Miroボード)

PLAYPLAYの取り組みは、参加するメンバーだけの閉じた活動にするのではなく、社内に対して広く公開していきます。そのためのプラットフォームとして、オンラインホワイトボード「Miro(ミロ)」を採用。

これから中長期的に続くPLAYPLAYの活動履歴や情報を一箇所にまとめ、メンバー間や社内に共有したり、ディスカッションの様子などアイデアが生まれた軌跡をいつでも振り返ったりできる場として活用します。

グラフィックは、ファミコンのRPGゲームの世界観を想起させるドット絵。また、「PLAYPLAY島」と名付けられたMiro内の各ワークスペースでは、アクティビティのプロセスをキャンプになぞらえています。冒険するようにアイデアを創出し、メンバー同士で協力しあいながら目的達成していけるような体験を設計しました。

例えば、食糧を調達する湖は「未来ヒントの種となる情報を集めるボード」、取れた食材を調理するグリルは「未来ヒントを創出するボード」というように、キャンプのコンテンツと各ワークの工程が関連づけられています。

参加意識を高めるのためのツール

PLAYPLAYのビジュアルをもとに、メンバーの参加意識を高めるためのツールを制作。活動への意欲を持続させると同時に、社内に向けて活動自体の認知を浸透させる効果をねらっています。

メンバー用ステッカー

メンバー用Zoom背景

社内告知用ステッカー

PLAYPLAYのステッカーを制作し、社内で配布

Story

社内編集チーム「PLAYPLAY」の立ち上げ

編集者的視点と実行力を持ってプログラムを推進していくための編集チーム「PLAYPLAY」を発足させました。この編集部は、社内の有志を巻き込みながら未来ヒント内の未来洞察を更新し、サービスアイデアの創出を促す役割を担います。

「PLAYPLAY」というチーム名には、「遊ぶ(PLAY)ようにプログラムに取り組んでほしい」というメッセージが込められています。創業期のNTTレゾナントが持っていた「新サービスを作ることは楽しい」という価値観を再び浸透させることで、プロジェクトが目指す「社員一人ひとりが、新サービス作りに意義やモチベーションを見出せる」「社員が想いをのせられる新事業が生まれる」組織文化を醸成していきます。

PLAYPLAYの活動は、まず社内外の動きを見ながら「未来洞察のための種」を収集します。そして、その見つけた種を編集し、社内に向けて発信。その発信された情報をもとに各社員が新事業アイデアを創出する循環をつくっていきたいと考えています。

活動方針とデザイン方針を決めるワークショップ

フェーズ1において肝となった活動方針策定は、NTTレゾナントとロフトワーク双方が組織の垣根を超えたワンチームで進行。関わるメンバー全員がプロジェクトに愛着を持てるように、ワークショップを行いながら編集チームのネーミング、活動方針、デザイン方針を決めました。

ヒーローズ・ジャーニーワークショップを実施し、PLAYPLAYの活動方針を策定

「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」とは、アメリカの神話学者であるジョゼフ・キャンベル氏が提唱している説で、世界中の神話には、人々の心を捉えるための共通する12ステップのストーリー構成があるというものです。

PLAYPLAYの活動方針を策定するにあたり、ヒーローズ・ジャーニーを参考にしたワークショップを実施。プログラムに参加するNTTレゾナントの社員が、今後どのように成長したり、目標達成していったりするのかを具体的にイメージするために、プロセスごとに理想とする行動を書き出し、出てきた内容をもとにPLAYPLAYの活動方針を考えていきました。その結果、3つの活動方針「PLAYFUL」「PLAYER」「PLAYGROUND」を策定しました。

ブランドの人格を視覚化し、デザイン方針を策定

PLAYPLAYの「らしさ」を引き出しデザイン方針を策定するため、UXデザインのバックグラウンドを持つPLAYPLAY編集チームメンバーと共に“ブランドの人格を視覚化するアーキタイプ”を用いてワークショップを実施。ムードボードをつくりながら、PLAYPLAYのありたい姿を「人格」になぞらえて言語化していきました。

Miroを活用した活動履歴のアーカイブと情報共有の場づくり

Miroボードをデザインする上で特に注力したのが、コミュニケーションと体験の設計です。ひらめきや思考の軌跡を楽しく残せて、遊び心を持ちながらアイデアが創出できるような場づくりを目指しました。

まずプロジェクトチームがMiro上の体験やコミュニケーションなどを考え、台割を制作。メンバーの思考を促進していく重要な場になるため、何度もPLAYPLAY編集チームとパイロットテストを実施し、アップデートをかけていきました。

フェーズ1=組織文化醸成に向けた足場づくり

PLAYPLAYはNTTレゾナント独自の取り組みとして、スタートを切りました。フェーズ1は、序盤はロフトワークがファシリテーションをリードしながらも、全ての工程でプログラムの運営を担うPLAYPLAY編集チームメンバーと常に対話しながら進行。発注者・受注者の垣根を越えて協働しました。

その結果、プロジェクトに関わった全員が、PLAYPLAYに対して「自分たち自身のプロジェクトである」という自覚や愛着を深めました。これからフェーズ2、3のアイデア創出と実証実験を通して、より一層、創造的な組織文化づくりの機運を高めていきます。

Member

岩倉 慧

株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター

Profile

井上 龍貴

株式会社ロフトワーク
プロデューサー

Profile

近藤 理恵

株式会社ロフトワーク
クリエイティブディレクター

Profile

伊藤 望

株式会社ロフトワーク
クリエイティブDiv. シニアディレクター 

Profile

山田 麗音

株式会社ロフトワーク
Creative Executive/クリエイティブディレクター

Profile

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