株式会社三菱総合研究所 PROJECT

シンクタンクの社会的役割をアップデートする
未来共創コミュニティ『ThinkLink』

Outline

1970年の創業以来、企業経営、社会インフラ整備、教育、医療・福祉、環境、資源・エネルギー、安全防災、先端科学技術、ITなど、さまざまな領域で総合的なコンサルティング・ICTソリューションを提供してきた、株式会社三菱総合研究所(MRI)。2020年に創業50周年を迎えた同社は、スローガンとして“Think & Act”を掲げ、様々なプレーヤーと共創しながら能動的・主体的に「あるべき社会像」を提示し、その実現に向けてアクションできる組織へと自らを変革しようとしています。

2020年8月、MRIはこれらの取り組みの第一歩として『未来社会共創コミュニティ ThinkLink』を立ち上げました。本プロジェクトにおいて、ロフトワークはパートナーとしてMRIの「ありたい姿」を言語化するプロセスから参画し、コミュニティ像の具体化とロードマップづくり、コンセプト立案、コミュニティのプラットフォームとしてのWebサイト構築を支援しました。

プロジェクト概要

  • 期間:2020年2月〜2020年8月
  • 体制
    • クライアント:株式会社三菱総合研究所
    • プロジェクトデザイン:高井 勇輝
    • クリエイティブディレクション:高井 勇輝、山田 麗音
    • プロデュース:浅見 和彦
    • テクニカルディレクション:川竹 敏晴
    • Webデザイン/ロゴデザイン:株式会社パノラマ
    • Webコーディング、CMS実装:株式会社ネクストページ

Challenge

「未来への変革者」としての自社のありたい姿を描き、プラットフォームに落とし込む

本プロジェクトのミッションは、大きく3つありました。

  • シンクタンクとして社会に向けて具体的なアクションを起こすために、従来のステークホルダーである大企業や官公庁、大学・研究機関に加え、ベンチャー企業やスタートアップといった新しいパートナーも連携可能な共創コミュニティを構築すること。
  • 同社が50周年事業の一環として進めている「50周年記念研究」の取り組みの中から、未来を見据えて特に注力するべき5つのテーマを起点に、30〜40代の次世代リーダーや未来を担う10〜20代のプレーヤーといった新しいステークホルダーを巻き込むこと。
  • 自社の若手研究員たちがコミュニティドリブンで能動的に行動し、価値共創を実践するような人材へと成長できる場を作ること。

これらの実現に向けて、プロジェクトチームは未来共創コミュニティ立ち上げを実施。未来に向けてシンクタンクとしての自社の社会的役割をアップデートするべく、企業文化刷新に向けた素地を作りました。

MRI「50周年記念研究」5つのテーマ

  • 心とカラダにいい技術、誰もが理想を満たせる社会に
  • 多彩なコミュニティ、望まない孤立がゼロの社会へ
  • 働く意味を新しく、役割と可能性を広げていく
  • レジリエントな社会、ウェルビーイングな暮らし
  • 100億人が豊かに暮らせる地球を考える

Outputs

ThinkLink Webサイト

Webサイトを読み進めるごとに「気持ちよさ」を感じるUI。サイト内でスクロールやマウスオン、画面遷移といったアクションを起こすことでさまざまなモーションが生まれ、動的なイメージを演出します。
シンクタンクとして発信する「情報」が最も価値の高いコンテンツ。そのため、Topページは記事タイトルをより際立たせるデザインに。
記事を読み進めると適切なタイミングで画像イメージが切り替わるスプリット・レイアウトを採用。画像がテキストの邪魔にならず、密度の濃い読後感を得られます。

ThinkLink ロゴ

ロゴ自体にアニメーションを取り入れることによって、ThinkLinkの動的なイメージを体現しています。

Story

シンクタンクとして実践すべき「共創」のロードマップを描く

共創コミュニティとは何か、その具体像を明らかに

多くの企業にとって、自社でコミュニティを立ち上げるのは未知の領域の仕事です。コミュニティを作るには何が必要なのか、どのぐらいのリソースやコストが必要なのかといった「正しいレシピ」は存在しません。

そこで、これまでロフトワークが実際に参画してきた共創コミュニティ立ち上げプロジェクトのショーケースを参考に、コミュニティの方針と運用体制を具体的にイメージしながら、MRIが目指す共創コミュニティの方向性を模索しました。

バックキャストしながら長期展望を描く

共創コミュニティの具体像を描くにあたり、バックキャスト思考法を採用。10年後に「次世代オピニオンリーダーの梁山泊」が生まれることを想定しながら、5年後、1〜2年後、それぞれのタイミングでコミュニティで起こって欲しいことやステークホルダー、コミュニティを通じて得られるスケールメリットを整理し、ロードマップに落とし込みました。

まだ見ぬコミュニティに形を与える

活動の方向性とコミュニケーション施策を検討

プロジェクトチームは、ロードマップをもとにコミュニティの活動の方向性と設定した後、コミュニティの名称とコンセプトの策定に着手。コミュニティの名称とコンセプトは、MRI社内で複数案をアイディエーションした後、プロジェクトチーム全員でディスカッションしながらコミュニティのビジョンを体現するのにふさわしいものを選定しました。

MRI作成

MRI作成

コミュニティの成長的発展と、知の深化を促すWebサイト設計

Webサイトは、コミュニティ活動の「発信」と「アーカイブ」の役割を担っています。ThinkLinkは決して大きなメディアサイトではありませんが、ここで生まれた対話からさらに議論や考察を深化させたり、新たな仲間の「知」と繋がったりするための「起点」として機能するよう、Webサイトの設計には細部まで工夫を凝らしました。

デザインコンセプト:「重なる、繋がる、変化する」

ThinkLinkのコンセプトをクリエイティブによって体験化するために、デザインコンセプトを策定し「らしさ」を言語化。多様な知見を重ね新しいものが生まれていくイメージや、 確かな「静」から豊かな「動」へと心地よく変化・リンクしていくイメージを、UI/UXで体現することを目指しました。

運用しやすさへの配慮

今回のプロジェクトでは、CMSのプラットフォームにWebRelease2を採用。従来、MRIが採用しているプラットフォームであることと、セキュリティの堅牢性と開発の柔軟さ、管理画面の使いやすさといった点が決め手となりました。

また、組織の中で共創コミュニティの開発を行うケースでは、先行開発的という位置付けになるケースが多いため、必然的にその運営を担うのは少数精鋭のスモールチームとなります。そのため、共創コミュニティのWebサイトの開発には、効率的に運用するための設計視点が欠かせません。

ThinkLinkのWebサイト開発では、記事への掲載画像が少なくても単調に見えないようテンプレートを設計したり、グローバルナビゲーションとフッターメニューを一つの入力箇所で管理したりといった、Webサイト運営の負担を軽減するような配慮をしながらCMSを設計しました。

リサーチ〜CMSの選定までロフトワークのWebプロジェクトの特徴・進め方

プロジェクトの全体感をつかみ、戦略と戦術に落とし込むことで、Webプロジェクトの「成功のすがた」を描きます。

ロフトワークのWebプロジェクトの特徴・進め方

Member

高井 勇輝

高井 勇輝

株式会社ロフトワーク
クリエイティブDiv. シニアディレクター

山田 麗音

株式会社ロフトワーク
Creative Executive/シニアディレクター

Profile

川竹 敏晴

株式会社ロフトワーク
テクニカルグループ テクニカルディレクター

Profile

Keywords

Next Contents

「技術系」+「人文系」の可能性に切り込む
京大 産学連携情報プラットフォーム「Philo-」(フィロ)構築