渋谷スクランブルスクエア株式会社 PROJECT

ビジネスから芸術、社会活動まで。
力強く創造するコミュニティ SHIBUYA QWS 運営プロジェクト

Outline

2019年11月、渋谷駅直結・直上の大規模複合施設「渋谷スクランブルスクエア」の15階に開業した、会員制の共創施設『SHIUBYA QWS(以下、QWS)』。ビジネスからサイエンス、芸術、カルチャー、社会課題などの多様な分野が化学反応しながら「0→1」の価値を生み出す新拠点として、注目を集めています。

同施設を立ち上げた渋谷スクランブルスクエア株式会社とロフトワークは、QWSから持続的に新たな価値の発信を続けるために共同の運営プロジェクトチームを発足し、開業準備フェーズから活動を開始。QWSの共創コミュニティを活性化させるべく、会員向けプログラムの設計から施設スタッフ採用・育成を行ったほか、アカデミア(大学)やベンチャーキャピタル、NPOといった多彩なパートナーとのプログラム連携を進めました。

2019年11月の開業後は、施設サービスや会員向けプログラムの運営業務を実施。2020年4月~5月はコロナ禍の影響で休館を余儀なくされたものの、オンラインツールを駆使しながらコミュニティの活動活性を促進し、会員による価値創造をサポートしました。

プロジェクト概要

  • プロジェクト名:SHIBUYA QWS 運用プロジェクト
  • プロジェクト期間:2019年10月〜継続中
  • 体制
    • 全体統括:野村 幸雄(渋谷スクランブルスクエア株式会社)
    • プロデュース:松井 創
    • コミュニティマネージメント:宮本 明里、小菅 奈穂子、杜多 美咲、仁平 貴子、米山 孝生(SCSQ)、野崎 麻衣(SCSQ)、森川 敏(SCSQ)、星川 和也(SCSQ)
    • プログラムマネージメント:加藤 翼、永谷 聡基、平田 絵美(SCSQ)、出川久美子(SCSQ)、廣部 敦子(SCSQ)、渡邉 博之(SCSQ)
    • 広報:越本 春香

※SCSQ・・・渋谷スクランブルスクエア株式会社

Story

多様なプロジェクトの成長と価値共創を促進する、14のプログラムを運営

QWS内部で持続的に価値創造を生み出すために、コミュニティ内部で会員同士が積極的に交流し、各々のプロジェクトが持つ「問い」の精度を高めるというサイクルを加速させる「仕掛け」が必要です。そのため、QWSではプロジェクトチームはピッチイベントやワークショップ、サロンイベント、公募といった独自のプログラムを14種類開発し、運営しています。 

これらのプログラムを開発するにあたり、QWSと連携する都内の6大学(東京大学、東京工業大学、慶應義塾大学、早稲田大学、東京都市大学、東京藝術大学)や研究機関、芸術文化を推進するNPO、ベンチャーキャピタルなどとコラボレーション。コミュニティ運営経験が豊富なロフトワークのメンバーがプログラムマネージャーを務めることで、これら多彩なコラボレーターと共に計画的かつ効果的なプログラム運営を実現しています。 

QWSと連携する東京6大学
ロフトワークを含む16の企業や団体が、プログラムやコミュニティ活動で連携

これらのプログラムの中でQWSの多様性を担保しているのが、3ヶ月に1度「未知の価値に挑戦するプロジェクト」を募集する「QWSチャレンジ」。ビジネスからアカデミア、アート、ソーシャルプロジェクトに携わる有識者が審査し、採択されたプロジェクトのメンバーはQWSの施設とサービスを無償利用しながら、社会実装に向けた取り組みを行うことができます。 

2019年10月から2020年10月までの1年間で、QWSチャレンジを通じて51プロジェクトが採択されました。その中には、「母親の概念をアップデートするコミュニティ」や「高齢者のデジタルテクノロジー活用を推進するプロジェクト」などが含まれ、年齢層・国籍も多様なプロジェクトがQWSで活動しました。 

「クエスチョンカンファレンス」は、多様なバックグラウンドの登壇者が集い、多様な問いを混ぜ合ぜわせながら未来の可能性を探るトークカンファレンス。
「QWSチャレンジ」は、未知の価値に挑戦するプロジェクトを推進するための公募プログラム。

コミュニティ活性の鍵を握る「コミュニケーター」という仕事

QWS内に成熟したコミュニティをつくる上で重要なのが、「コミュニケーター」と呼ばれる施設スタッフの存在です。コミュニケーターはコミュニティの活性化を促しながら、会員に「またQWSに来よう」「もっとQWSを活用しよう」と感じてもらえる環境を提供する役割を担っています。

QWSコミュニケーターの素養として、会員の「問い」を探求する姿勢に寄り添うことができること、そして、会員のさまざまなニーズや困りごとに対して主体的かつ適切に対処できることが求められていました。 

プロジェクトチームは、マニュアルによってコミュニケーターの活動や判断を制限するのではなく、彼らが自ら考え適切に対応できることを目指してその行動指針(クレド)と業務内容を設計。さらに、コミュニケーターが業務を通じて、主体的にコミュニティの課題解決にコミットできる人材としてステップアップするためのキャリアパスを用意しました。 

プロジェクトチームは、開業前の4ヶ月間でQWSコミュニケーターの要件を満たす人材の募集から採用、教育を実施。学生から社会人のパート・アルバイトなどさまざまな年齢層のメンバー20名をコミュニケーターとして育成しました。 

コミュニケーターひとりひとりが、QWSで活動するプロジェクトを支援するためのより良いアイデアを自ら提案し、実践している。
コロナ禍の中でも、リアルとオンラインの両方を生かしながら、コミュニケーターが会員の「問い」を磨く活動をサポートした。

12日間で3,500人を集客した、オープニングイベント「OPEN QWS」

2019年11月に開業したQWSは、開業後の12日間で31のイベントを行う「OPEN QWS」を開催。連携する東京5大学と、ビジネスやカルチャーを牽引しているキーパーソンらを巻き込みながら、約3,500人を集客しました。 

「OPEN QWS」以降、QWSの認知は拡大し、国内外より多くの行政関係者や政治家、ビジネスパーソンが視察に訪れるようになりました。 

2019年11月に開催された、オープニングイベント「QWS OPENING DAY」の様子(写真:コムラマイ)

コロナ禍においても価値発信を続ける、強いコミュニティ運営

好スタートを切ったのも束の間、開業翌年の2020年は新型コロナウィルス感染拡大に伴う緊急事態宣言により、QWSは4月から5月末まで施設閉鎖を余儀なくされました。 

コミュニティ運営チームは、閉鎖の翌日から会員向けたオンラインイベントを週4回のペースで開催。会員たちが問い続けることができる場と機会を絶やすことなく提供し続けました。結果として、QWS開業後の1年間で437件のイベントを開催、79のプロジェクトが活動を展開しました。 

さらに、QWSから早くも社会実装に向けてスタートを切った事業や新しいムーブメントが生まれています。2020年6月には、アイドルが接触を回避しながらファンミーティングを実現するための握手会・サイン会の代替販促用システム『Re:Meet Live』が、サービスをローンチしました。 

プロジェクトチーム・Creator’s HubはQWSの運営メンバーとともに、「コロナ禍において、鉄道従事者と乗客の安心と安全のためにできることはないか」という”問い”に対し、QWSのFab設備を活用しながら目からの飛沫感染を防止する「制帽装着型アイシールド​」をスピーディに開発。​東急渋谷駅、JR渋谷駅、東京メトロ渋谷駅に配備しました。

アイシールドの着用イメージ
アイシールドの着用イメージ
制帽装着型アイシールド​
制帽装着型アイシールド​

三密を避けながら渋谷のハロウィンを楽しむ新しいカルチャーを推進する『HELLO! NEW HALLOWEEN! SHIBUYA』は、QWSでデザイナーとプランナー、渋谷区議会議員が出会い、スピーディに連携したことでプロジェクトが実現。「今年は集まらないハロウィンを」のスローガンの元で、モンスターの口元を模したオリジナルマスクを制作しオンライン販売したほか、渋谷駅周辺の街頭とWebサイト、SNSを通じてキャンペーンを展開しました。結果として、渋谷区内を中心に、24の企業・団体の協力・協賛を得たほか、テレビや新聞、ネットニュースなど数多くのメディアに紹介されました。

『HELLO! NEW HALLOWEEN! SHIBUYA』キャンペーン期間中、「#集まらないハロウィン」のハッシュタグでSNSで、多くの人々が写真やメッセージを投稿した。

Impact

79

プロジェクト

1年間でQWSで活動した
プロジェクトの数

1000

個の問い

1年間で生まれた
問いの数

437

1年間で開催した
イベントの数

Member

野村 幸雄

野村 幸雄

渋谷スクランブルスクエア株式会社
渋谷キューズ エグゼクティブディレクター

出川 久美子

出川 久美子

渋谷スクランブルスクエア株式会社
渋谷キューズ ディレクター

米山 孝生

米山 孝生

渋谷スクランブルスクエア株式会社
SHIBUYA QWS 副館長

平田 絵美

平田 絵美

渋谷スクランブルスクエア株式会社
渋谷キューズ ディレクター

野崎 麻衣

野崎 麻衣

渋谷スクランブルスクエア株式会社
渋谷キューズ コミュニティマネージャー

星川 和也

星川 和也

渋谷スクランブルスクエア株式会社
渋谷キューズ コミュニティマネージャー

森川 敏

森川 敏

渋谷スクランブルスクエア株式会社
渋谷キューズ コミュニティマネージャー

廣部 敦子

廣部 敦子

渋谷スクランブルスクエア株式会社
渋谷キューズ プログラムマネージャー

渡邉 博之

渡邉 博之

渋谷スクランブルスクエア株式会社
渋谷キューズ プログラムマネージャー

松井 創

株式会社ロフトワーク
Layout CLO(Chief Layout Officer)

Profile

宮本 明里

株式会社ロフトワーク
Layout シニアディレクター

Profile

加藤 翼

株式会社ロフトワーク
Layout シニアディレクター

Profile

小菅 奈穂子

小菅 奈穂子

株式会社ロフトワーク
Layout Unit ディレクター / SHIBUYA QWS コミュニティマネージャー

仁平 貴子

株式会社ロフトワーク
Layout ディレクター / コミュニティマネージャー

Profile

杜多 美咲

杜多 美咲

株式会社ロフトワーク
Layout Unitディレクター / SHIBUYA QWS コミュニティマネジャー

越本 春香

株式会社ロフトワーク
Layout シニアディレクター

Profile

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