アイデアとは他者との関わりの中から生まれるもの
京都産学公連携機構の講習会に寺井翔茉が登壇
京都における産・学・公のあらゆる機関が相互に情報を共有しながら、連携と協働を進めるためのプラットフォームとして活動する、京都産学公連携機構。2019年9月20日、機構が主催する「コーディネート人材のためのスキルアップセミナー ーデザイン視点のコーディネーションー」に、京都ブランチ事業責任者の寺井翔茉が登壇しました。
寺井は、「アイデアとは他者との関わりの中から生まれるものであり、コーディネート人材とはその化学反応のプロセスを作り出すことではないか?」というメッセージを、ワークショップを交えながら伝えました。
「不確実性」や「複雑性」に向き合う思考法を学ぶ
従来の価値観に捉われず、価値創造や市場創造、顧客創造を実現できる起業家人材をサポートするコーディネート人材(コーディネータ)のスキルアップが重要であるという想いのもと企画された「コーディネート人材育成事業」。この講座は、コーディネーターとしての姿勢や考え方を学ぶため、3回にわたって専門家を登壇者に招いて開催される連続講座です。
セミナーでは、不確実で複雑な社会課題に向き合うための思考法や姿勢が、寺井を含む3名の専門家から紹介されました。
まず京都工芸繊維大学デザイン・建築学系教授の櫛勝彦さんから、複雑な課題に取り組み、エコシステムを作る思想体系としての『デザイン思考』を、思考法が生まれてきた歴史を通して解説。立命館大学経営学部准教授の吉田満梨さんからは、『エフェクチュエーション(=優れた起業家の意思決定理論)』をとおして、イノベーションを起こす思考法を解説。
寺井は2名のセッションを踏まえて、「コーディネーター人材に必要な姿勢とは?」についてワークショップを交えながら語りかけました。
課題解決における、観察→問題発見→発想のプロセス
寺井は、ビジネスにおける思考法を整理したうえで、デザイン思考のプロセスの中で重要だと考える「観察」、「問題発見」、「発想」に向き合うための姿勢を、ロフトワークの具体的な取り組みを通して伝えました。
観察→問題発見→発想のプロセスに焦点を当てたプロジェクト例:
気づきのプロセスをコーディネートする
複雑性/不安定さ/不確実性/曖昧さが進んでいる中で、複雑に絡み合った問題に向き合うためには、既存の常識やルールをの中で答えを探すのではなく、自ら常識を作り出すこと。そのためには、新しい「気づき」を生み出すプロセスが重要になってくるのではないか?という寺井。 プロジェクトメンバー全員が主体的に気づきを得ていくために、気づきのプロセスをコーディネートする立場の人間が必要だと訴えました。
トークのあとは、発散思考と収束思考を体験するワークショップを開催。他社の視点を入れることで、強制的に思考を発散させ、「気づき」が生まれる感覚を体験しました。参加者同士のコミュニケーションも活発になっていました。
ワークショップのお題は、水族館の新しい企画展を考えるというもの。「最近気になるテクノロジー」「最近感動した体験」「水族館といえば」の3つの質問に対する回答を参加者それぞれが付箋に書き、それらをランダムに組み合わせることで、アクロバティックなアイデアを作り出しました。
イベント概要
「コーディネート人材のためのスキルアップセミナー ーデザイン視点のコーディネーションー」
会期:2019年9月27日(金)13:00-17:0
会場:京都経済センター4F 4-B会議
主催:京都産学公連携機構 事務局 (一般社団法人 京都知恵産業創造の森)
詳細:http://www.enokojima-art.jp/zoku_school_2019
ロフトワークについて
ロフトワークは「すべての人のうちにある創造性を信じる」を合言葉に、クリエイターや企業、地域やアカデミアの人々との共創を通じて、未来の価値を作り出すクリエイティブ・カンパニーです。ものづくりを起点に、その土地ならではの資源やテクノロジーを更新する「FabCafe(ファブカフェ)」、素材と技術開発領域でのイノベーションを目指す「MTRL(マテリアル)」、クリエイターと企業の共創プラットフォーム「AWRD(アワード)」などを運営。目先の利益だけにとらわれず、長い視点で人と企業と社会に向きあい、社会的価値を生み出し続けるビジネスエコシステムを構築します。
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