「食べること」の周辺を考える
Butterfly Effect ー 小さな変化への問いかけが、あたりまえを更新する Vol.1
新型コロナウィルスの影響で、今まで考えたこともない問題や、ずっと解決を後回しにしていた課題や違和感に直面することが増えています。これらを、新たな「気づき」として捉え直してみると、新しい日常をつくる出発点となりそうです。必要は発明の母、窮すれば通ず。本連載では、毎回お題ごとにロフトワークメンバーがそれぞれ個人の視点で、小さな気付きを発信します。
今回のテーマは “「食べること」の周辺を考える”
いつ、誰と、どこで食べるのか。食べるものをどう選んで、手に入れるか。「食べること」の周辺に改めて着目して問い直すことで、食べる体験がもっと豊かになるヒントが見つかりそうです。
ご飯は強烈なリフレッシュ
在宅勤務中、今までは休みの日だけだったが、平日であっても昼ごはんと夜ご飯の時間になると、妻と子どもとテーブルにつき、一緒にご飯を食べた。
食事の時間になった瞬間、半ば強制的に会社員の僕から、夫であり父親の僕に切り替わっていることに気づいた。 これは、今までの職場での昼食体験とは全く異なる感覚であり、在宅勤務ならではの発見だった。
この強制的なスイッチはリフレッシュという意味でメンタル的に良い影響を及ぼした。
料理に使う食材は、自分で栽培管理する暮らしへ
一時、近所のスーパーのお米が品切れになっていた。
自粛による生活スタイルの変化からか、「主食となるお米は切らさぬよう手元にストックしておきたい」というみんなのちょっとした不安が重なっていったのだろうか。
その光景を見ても焦りや不安を感じていなかった私は、「スーパーに無くても、産地があれば大丈夫」と田畑に実る新鮮な野菜やお米を自ら収穫する原体験を思い出していた。自分で食べる分の野菜やお米の育成状況を自分で管理することができれば、もしかしたら、食材が手に入らないという不安な気持ちを少しは軽くすることができるのではないか?
AIやIoTの技術と生産者として一線で活躍するエキスパートのサポートのもと、遠隔で自分の畑を管理する。そんなゲーム感覚でリアルに食べる野菜を管理していく暮らしもありかもしれない。
毎日の食事が楽しくなる献立
在宅勤務のあいだ、自宅で料理をすることが増えた。
でも、毎回のように「今日何食べよう?」と悩んでしまう。「今日はアレが食べたい!」とすぐに思いつけば良いのだけれど、考えても思い浮かばないときは、冷蔵庫にあるもので適当に済ませたり、仕事で疲れてしまったときは、献立を考える気力もなく、宅配を頼んでしまうこともあった。
それはそれでお腹は満たされるけど、何だか物足りない気持ちになるときもある。
今日食べたいものがパッと思い浮かんで、すぐ作れたら、家族の食事の時間はもっと充実した時間になるのかもしれない。
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