イノベーションのための未来創造プロジェクト「TORCH」
Outline
100年後の未来に、大阪ガスは社会へどんな価値を提供できるのか?
エネルギー事業を中心に生活に欠かせない幅広い事業を展開する大阪ガスは、2016年6月からロフトワークと共に未来創造プロジェクト「TORCH(トーチ)」を始動。
もしこの世界からガスがなくなったら、大阪ガスは社会にどんな価値を提供できる?大阪ガスの人々はそのとき会社で何をしている?そんな問いかけからプロジェクトがスタート。大阪ガスとロフトワークは、若手社員を中心に社内外を横断して、新規事業創出に取り組むことのできる新しいプラットフォームを企画開発しました。
プロジェクト概要
- クライアント
大阪ガス株式会社 - 支援内容
新規事業開発プログラムのコンセプト策定
プログラム企画設計 - プロジェクト期間
2017年7月〜10月 - 体制
プロデューサー 柳川雄飛
プログラム設計・メンター 林千晶
クリエイティブディレクター 多田麻央, 二本栁友彦
Outputs
プロジェクトコンセプト・ミッションステートメント
プロジェクトのコンセプト、ビジョン、目指すべきゴールをまとめたブックレットを制作しました。プロジェクトネームや3つのミッションステートメントなど、「TORCH」プロジェクトに携わるメンバーの目線を合わせるためのツールとして活躍しました。
7つの事業アイデア
全5日間の工程で実施したプログラムの最終日に事業アイデアコンテストを開催。プログラムに参加した部署横断で集まった25名の若手メンバーがチームに分かれ、最終的に7つの事業アイデアの種が生み出されました。
現場の声がきっかけ、ボトムアップでスタートしたプロジェクト。
プロジェクト「TORCH」は大阪ガスのどのような想いではじまり、ロフトワークと作っていったのでしょうか。大阪ガス 情報通信部 ビジネスアナリシスセンター所長 河本薫さんにインタビューしました。
Process
大阪ガスのアセット・外部視点を織り交ぜながら進めたプロジェクト設計
ビジョン・ミッションステートメント策定
── 社内外のコラボレーションで社会に新たな価値を生み出すための土壌づくり
プロジェクトのビジョンは次の100年を見据え大阪ガスが新しい価値を生み出すこと。そのためのミッションとして3つのステートメントを定めました。
1. 社内・社外での積極的なコラボレーションによって、新たな価値を生み出す
2. アイデアを育て、社会に新たなインパクトを与えるビジネスへと成長させる
3. ICTやデータサイエンスを使ったアイデアで、大阪ガスの未来をつくる
社員同士の横のつながりや外部との柔軟な連携に課題を感じていた大阪ガスは、今回の4ヶ月のプロジェクトをオープンイノベーションのための土壌づくりと位置づけ、全社的に若手社員の参加を募り、オープンなサービスデザインプログラムを作っていきました。11組織から25名の若手社員が参加しました。
プログラム設計
── 事業化までを視野にいれ2つのフェーズに分けたロードマップ/「実験」で終わらないプロジェクト設計
プロジェクトを2つのフェーズに分けて、最終的なゴールを事業部と連携したビジネス化に定めました。フェーズ1では、ビジネスアイデアのシーズをリサーチから探索して、事業アイデアのプランニングまでを実施する全5日間のワークショッププログラムを開発。大阪ガスのアセットとテクノロジーを組み合わせたアイデア創出とビジネスプラン制作をゴールに座学と実践を組み合わせたプログラムを実施しました。
ワークショップ・事業アイデアコンテスト実施
── 新規事業のシーズを生み出すために社内・外部の知見を有効活用
全5日間のプログラムで重視したのは、大阪ガスのビジネスにおいて常識とされていた解釈や既存の枠組み、個々人の思考の制約をいかに解きほぐして、今までにない新しいアイデアの種をみつけるかということです。
大阪ガス行動観察研究所とのコラボレーション
そこで、大阪ガス行動観察研究所 所長の松波晴人氏を講師に招聘し、第1回〜3回のプログラムでは日常に目を向け小さな「気づき」からアイデアの種を見つけビジネスプランにつなげるためのリサーチとリフレームの発想法を学びました。
外部講師陣によるビジネス視点でのメンタリング
アイデアのをより具体的な事業プランにするために第4回・5回目プログラムではそれぞれ、プラネット・テーブル菊池紳氏、GOB Incubation Partners 山口高弘氏を招聘、ロフトワーク林千晶と共にビジネス視点でのアイデアブラッシュアップとメンタリングを実施しました。
100名を超える観客が集まった事業アイデアコンテスト
最終日には事業アイデアコンテストを開催。大阪ガス社内の誰もが聴講できるオープンイベントとして、7チームが作り上げた事業アイデアのプレゼンテーションを実施しました。コンテストはグループ会社も含めて、大阪ガス社員が100名を超え集まり立ち見が出るほどの大盛況イベントとなりました。
審査員は社内と外部からそれぞれ参加。外部審査員にはスマイルズ遠山正道氏、プラネット・テーブル菊池紳氏、そしてロフトワーク林千晶が参加しました。三菱商事からの社内ベンチャーとしてSoup Stock Tokyoを立ち上げた遠山氏や、スタートアップとして事業を立ち上げた菊池氏の知見から鋭いフィードバックと審査が行われました。
Members
メンバーズボイス
“「TORCH」プロジェクトで実施した全5回のワークショップでは、一人ひとりの興味・関心事や想いを大切に温め育てることを重視して設計を進めました。グランプリを受賞したチームが、最初から最後まで自分たちの仮説をぶらさずに、どうすれば自分たちが提供したい価値を伝えられるのかを考え続けられたのも、プログラムを通じて育んだメンバーの想いや熱量が本物だったからだと思います。 「新規事業創出」ではなく「未来創出」と名付けた通り、本当にやりたいと思えることを見つけ、形にしていくなかで生まれる強いエネルギーを土台としながら、大阪ガスの新しい未来をつくっていくプログラムになるよう、次のフェーズも引き続き大阪ガスのみなさんと伴走していきたいと思います。”
クリエイティブディレクター 多田 麻央
Service
未来を起点組織・事業の 変革を推進する『デザイン経営導入プログラム』
企業 の「ありたい未来」を描きながら、現状の課題に応じて デザインの力を活かした複数のアプローチを掛け合わせ、
施策をくりかえしめぐらせていくことで、組織・事業を未来に向けて変革します。
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